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【緊急!再掲】堺屋太一&中山弘子VS新宿区議会

2019年02月11日 | 堺屋太一美術館問題
作家・経済論家堺屋太一氏が逝去されました。 マスメディアには生前の実績が評価されていますが、新宿区愛住町にある自社ビルに洋画家史子夫人のために「新宿区立愛住美術館」をつくろうとして、新宿区と区議会に混乱をもたらした責任は大きいと言わざるを得ません。中山弘子区長は次回区長選には立候補しませんでした。 この問題で、2014年1月15日から幾つかのブログ記事がありますので、カテゴリーに「堺屋太一美術館問題」を追加しました。 ・・・・・・・・・・・・・・

いま、経済評論家・作家の堺屋太一氏と深い関係(但し男女関係には非ず)にある中山弘子新宿区長が、独断で(株)堺屋研究所ビルを区立美術館にしようと強引に新宿区議会に押しつけようとしている問題が区政の焦点となっています。「中山弘子オフィシャルサイト」には堺屋氏とのツーショットがあります。

ネット上では評判が悪いですね。『「自社ビルを区立美術施設に」 堺屋太一氏、新宿区に』『堺屋太一のビルが美術館に』『ド厚かましい堺屋太一 新宿区へ事務所を区立美術館にと求め年間1500万円を要求』『はてなブックマーク』。区議会で所管の総務区民委員長でもある日本共産党の沢田あゆみさんは「堺屋氏個人の美術に対する思いが強いのは結構なことですが、区政を私物化するようなことさせません!」とブログ記事で発言をしています。

まず初めは、昨年9月11日に開かれた新宿議会区民総務委員会(委員長沢田あゆみ議員)に、突如理事者側からの報告から始まりました。

Img062 2014年3月13日新宿区議会総務区民委員会配付資料より

「(仮称)新宿区立美術愛住館の設置について」(新宿区議会会議録より抜粋。
◎(文化観光課長)新宿区立美術愛住館の設置について、御説明させていただきます。

①概要 本年2月に作家・評論家であります堺屋太一氏、本名池口小太郎氏となっております。株式会社堺屋研究所が所有いたします愛住町2番地5に所在いたします愛住館の1階及び2階部分を美術館に改修の上、区に無償で貸与するので、区は区立美術館として設置運営をしてほしい旨の相談を受けたものでございます。また、同時に同氏の妻であります池口史子(ちかこ)氏の作品も同館に寄贈する旨の提案がされたものです。なお、池口氏の事跡につきましては、お配りいたしました参考資料をごらんください。平成24年度に、洋画家部門では女性初となります恩賜賞、日本芸術院賞を受賞されるとともに、日本芸術会員と決定されるなど非常に高い評価を受けているものです。そののち、区は堺屋氏御夫妻と協議を重ね、本年7月には堺屋氏から別紙1のとおり申出書が提出されました。 区といたしましては、身近な文化芸術の機会を確保するため、(仮称)新宿区立美術愛住館を設置することを決定するに至り、本日当委員会に報告するものでございます。

②無償貸与される物件 (1)物件 新宿区愛住町2番地5 「愛住館」(RC造4階建)の1階及び2階(昭和59年新築)土地面積 330.57㎡  延床面積 (改修前) 509.88㎡(1・2階 268.3㎡)  (2)所有者 建物 株式会社 堺屋太一研究所 代表取締役 池口小太郎 土地 池口小太郎

③本物件の活用方針 平成19年に策定いたしました区の基本構想総合計画では、「文化芸術創造のまち 新宿」を目指すまちの姿の一つとして掲げ、区では、区民によります新しい文化の創造や文化芸術創造の基盤の充実等の基本施策に計画的、優先的に取り組んでいるところでございます。さらに、文化芸術振興基本条例においても、区民が文化芸術を鑑賞し、これに参加し創造ができる環境の整備を図ることとしています。
 しかしながら、現状におきましては、区内には公の施設としての美術館はなく、区民が身近で気軽に絵画鑑賞できる場は限られているのが現状でございます。 また、今回は展示物についても。池口氏などの堺屋氏や一般財団法人でございます堺屋記念財団が所有いたします絵画についても御協力いただける提案も受けております。こうしたことから、区では当該物件を無償で借り受け、(仮称)新宿区立美術愛住館として設置し、活用することを決定したものでございます。 なお、展示事業といたしましては、(1)池口史子(ちかこ)氏を中心とした財団等が所有する現代洋画家の作品展、及び(2)といたしまして、具象著名作家の作品展等を予定しているところでございます。 

④管理運営 同館における事業につきましては、ただいま御説明いたしましたとおり、現代美術作家の作品を中心とした展示事業等を予定しているところでございます。これらの事業を展開していくに当たっては、一般財団法人堺屋記念財団の所有いたします絵画の活用や特別な専門性及び美術界におけるネットワークなどが不可欠であると考えられます。 そこで、施設の管理運営につきましては指定管理者としまして、指定管理者につきましては公募によらず、一般財団法人堺屋記念財団を指定いたします。なお、選定手続につきましては、別途手続を進めてまいります。 

⑤今後の想定される経費 来年度の指定管理料といたしまして1,500万円程度を予定しております。大まかな内訳といたしましては、おおむね施設の管理運営に要する経費といたしまして1,000万円、展示事業に要する経費といたしまして500万円を予定しているところでございます。 

⑥今後の予定 本委員会で報告後、第4回定例会におきまして、施設の設置条例を提案させていただくとともに、指定管理者の選定に関する経費を補正予算にて提案させていただきます。年が明けまして、平成26年1月ごろを想定しておりますが、改修工事が完了次第、使用貸借契約を締結いたします。 なお、実際の公の施設としての使用開始は平成26年4月ごろを予定しております。平成26年第1回定例会におきまして、指定管理料、事務費等を、平成26年度の当初予算に計上、提案させていただきます。同時に、指定管理者の指定についても議案として提案いたします。 4月からは施設の供用を開始いたしまして、開設準備に取りかかり、6月ごろの開館を予定しているところでございます。  

与党会派にも知らされていなかったことから、当日は与野党の委員からは驚きと疑問の質疑が飛び交ったそうです。11月28日から開かれた第四回定例区議会では代表質問と決算特別委員会でも大議論となりました。日本共産党の佐藤桂一議員は、代表質問でこの計画案は断念すべきであると迫りましたが、区長は、文化芸術振興会議に諮問をしたいと答弁し、飽くまでも強行する姿勢でした。国の施策もそうですが、政府や首長が指名した審議会委員が、反対の諮問結果を出すことはまれであり、学識経験者のご意見を拝聴しましたというカモフラージュにすぎないのです。

本年初めての新宿区議会総務区民委員会が1月8日開催され、地域文化部文化観光課長から下記の事務報告がありました。議会側の強い反発によって、第4回定例会に施設の設置条例を提案し、平成26年1月ごろ指定管理者の選定に関する経費を補正予算にて提案することは延期されて、文化芸術振興会議に諮問することになりました。2月に開かれる同会議に諮問し、9月に答申することになりますので、11月に行われる新宿区長選挙の大きな争点になることは間違いありません。新しい委員に世田谷区立美術館酒井忠康氏が委嘱されることになりました。一昨年昨年世田谷区立美術館主催の世田谷区民絵画展に水彩画を応募し入選していますし、館長に文書で「砧公園売店裏に灌木を植樹してレストランからの目隠しをすること」を要望したことがあったので、管理人が元新宿区議だったことを知ったならばさぞかし酒井氏は驚くことでしょう。

「新宿区文化芸術振興議への諮問について」 

概要 平成25年7月、作家・評愉家の堺屋太一(本名 池口小太郎)氏から、同氏等が所有する4階建ての建物の1階及び2階を美術展示室に改修の上、将来、区に寄贈することを前提として、区に無償で貸与するので、区立の美術展示館として改定してほしいという申し出を受け、区では(仮称)新宿区美術館愛住舘の設置を検討してきた。
 この度の取り組みは、当該施設を区が無償で借用し、公の施設として設置するというはじめてのスキームであることや、美術展示館の運営という専門的な知識や経験を要する文化活動であることから、その必要性やあり方等を文化芸術振興会議へ諮問する。

(続く)

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