稀代のレコーディング・エンジニア、ケネス・ウィルキンソンによる数ある録音の中でも最高峰の呼び声の高いアンセルメ指揮のロイヤル・バレエ・ガラ・パフォーマンス。
中古市場に於けるオリジナル盤の相場が3,000ドルを軽く超えることからも、その評価の高さを伺うことが出来るが、おいそれと入手できるものでもない。
そこで、何とか調達することのできたのが、米CLASSIC RECORDS社による45回転復刻レコードである。
例によって、片面のみのシングル・サイド・プレスで、なんと9枚組。
オリジナル盤が2LP=4面だったことを思えば、贅沢なカッティング。高音質に賭けるCLASSIC RECORDS社の意気込みが伝わってくるようだ。
これとて、安い買い物ではない。が、この類ばかりはタイミングを逃すと二度と巡り合えないこともあるから、無茶を承知で思い切るより仕方ないのだ。
ここに繰り広げられるパフォーマンス、超優秀な録音については、簡単に文字にならない。
感動を超えて畏怖の念すら湧き起こる。
オーケストラは、英国コヴィントガーデン王立歌劇場管。艶やかな厚みのある弦セクションによって、手兵スイス・ロマンド管では成し得なかった、アンセルメの究極の美学が音に具現化されている。
半透明の白いビニール盤が何とも美しく、ブランク面に記されたCLASSIC RRECORSのロゴが、反転の透かし文字となって映るのもお洒落だよなぁ。
収録曲
・チャイコフスキー:『くるみ割り人形』より
March
Dance of the Sugar Plum Fairy
Arabian Dance (Coffee)
Chinese Dance (Tea)
Dance of the Mirlitons
Waltz of the Flowers
・ロッシーニ/レスピーギ編:『風変わりな店』より
Tarantella
Andantino mosso
Can-Can
・ドリーブ:『コッペリア』より
Prelude - Mazurka
Introduction and Waltz
Czardas (Danse hongroise)
Valse de la poupee
・アダン:『ジゼル』より
Introduction and Waltz
Pas de deux and Variation
・チャイコフスキー:『白鳥の湖』より
Scene (moderato)
Danse des petits cygnes (moderato)
Pas de deux
Valse
・シューマン/グラズノフ、R.=コルサコフ編:『謝肉祭』より
Pierrot
Reconnaissance
Pantalon et Colombine
Aveu
・チャイコフスキー:『眠りの森の美女』より
Introduction: Prologue - The Lilac Fairy
Rose Adagio
Valse
・ショパン/ダグラス編:『レ・シルフィード』より
Prelude
Mazurka
Valse
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
エルネスト・アンセルメ(指揮)
録音:1959年1月、ロンドン、キングズウェイ・ホール(ステレオ)