いま話題のバーンスタイン&ベルリン・フィルによるマーラー9、エソテリックSACD盤が届いた!
ぼやっとしているうちに、市場ではほぼ品切れ状態。首都圏壊滅状態の中、なんとかギリギリに定価で手に入れられたのは何より。こういうのは発売前に予約しておかなくては。
というわけで、今朝、全曲を聴き通したが、大いに感動した。当たり前のことだけど、既出のCD盤とは情報量が違う。その後、コンセルトヘボウ管盤とのドイツ・グラモフォンによるアナログ盤も聴いてみたが、それぞれに良さがある。
バーンスタインの表現としてこなれているのは、コンセルトヘボウ管だけれど、ベルリン・フィル盤の一期一会の緊張感と狂気を孕んだ爆発力は、一般に言う完成度とは別の価値観で語らなければなるまい。
それにしても、1970年代末期のベルリン・フィルの音は凄い。音の厚み、音色、表現力、合奏力どれをとっても、較べるもののない存在感だ。この演奏を称賛するということは、このオーケストラを作ったカラヤンをも讃えることにもなる、というのは皮肉だけれど、そういうことだ。学生時代、アンチ・カラヤンの1人として片意地張ってた当時には、思いもつかなかったことだけれど。
しかし、自惚れるなと言われるのを承知の上で、ここに展開されるバーンスタインとは別のもっと情熱的で、劇的で、かつ瞑想的なマーラー9は、我が胸のうちにはある、と独白しておきたい。
もちろん、ボクがバーンスタインと同じ指揮台に立って、これ以上の演奏ができるという意味では全くない。
我が心象世界に鳴り響く空想のマーラー9である。