本日は都内で新しいお仕事の打合せ。
長岡混声のレッスンが大雪のため中止になったお蔭で、ゆっくり語り合うことができたのは怪我の功名、と言っては怒られるかな? 期間は約4か月間と長くはないけれど、やりがいと責任あるお仕事を頂けて、身の引き締まる思いだ。
さて、帰りには久しぶりにお茶の水に寄り道。ディスクユニオンにて3つのLPボックスを購入。
ひとつは、ラインスドルフ指揮ロンドン響によるワーグナー「ワルキューレ」全曲。
ジョン・ヴィッカーズ(ジークムント)
グレ・ブロウエンスティーン(ジークリンデ)
ジョージ・ロンドン(ヴォータン)
ビルギット・ニルソン(ブリュンヒルデ)
デイヴィッド・ウォード(フンディング)
リタ・ゴール(フリッカ)
エーリヒ・ラインスドルフ(指揮) ロンドン交響楽団
録音時期:1961年9月
録音場所:ロンドン、ウォルサムストゥ
録音方式:ステレオ(セッション)
プロデューサーにエリック・スミス、エンジニアにケネス・ウィルキンソンといえば泣く子も黙るデッカの黄金コンビ。RCAとデッカの提携時代の名録音のひとつである。しかし、クナのワルキューレ第1幕、ショルティの指環全曲録音の影に隠れ、脚光を浴びることの少ない不遇の録音とも言える。
かくいうボクも、この録音の存在は知っていたが耳にしたことはなく、今回が初対面なのである。店頭の試聴機で汗が出るほど驚いた。スケルトンの精密時計を眺めるような緻密なアンサンブルと明晰なバランス感覚。それでいて、サウンドは雄大で、そこに冷たさは皆無。
歌手陣も上記のラインナップのごとく、悪くない。
ニルソンが若いとか、ロンドンが軽いとか、いろいろ言う人があるけれど、ラインスドルフによる音楽的な設計が超一流なので、ボクは気にならない。この見事な演奏の前では、「リング」全曲録音はショルティでなく、ラインスドルフで行うべきだったった、とさえ思いたくなる。
入手したのは、米RCAのSORIA SERIESの1組でレコード番号はLDS-6706。つまり、アメリカ・プレス。これでも、背筋が震えるほどの高音質なのだが、デッカ・チームによる録音となれば英プレスも聴いてみたくなるのが人情というもの。もし今後、出会いがあるなら、手にしたいと思う。 残る2つのボックスについては、気が向いたときにでも・・・。