いよいよ2015年の始動である。
福島章恭の2015年であるが、まず第一には、2016年3月に行われるライプツィヒ聖トーマス教会に於ける「マタイ受難曲」公演への準備の年ということになろう。昨年末の記事に「鬼になる」と書いたとおり、現状を良しとしてはならぬ。聖地で歌うに相応しい合唱団づくりが急務。まだまだ力不足。呼吸法、発声法をより深いレベルで身につけさせ、多様な表現に対応できるコーラスとせねばならない。バッハ演奏への実績のある多くの団体を差し置いて招かれたわけであるから、責任も重大だ。
もちろん、変革はコーラス団員のみならず、自分自身にも求められることであろう。スコアやテキストをより深く読み込むこと、コーラスに対する指導法を究めることなど、課題が尽きることはない。
などなど、「マタイ受難曲」一色に明けるはずだったこの身に大きなお仕事のご依頼が舞い込んだのは昨年12月の半ば。大阪フィルハーモニー合唱団よりの客演合唱指揮への打診である。該当する公演は6月8日、9日に行われる大阪フィルハーモニー交響楽団 第489回定期演奏会。
といえば、演目はチェコの巨匠ラドミル・エリシュカによるドヴォルザークの「スターバト・マーテル」という夢のような組み合わせ。合唱指揮者として、一生に何度あるかという栄誉あるお務めであり、お断りする理由は何もない。
早速、海外よりフルスコアを取り寄せ勉強を開始すすると共に、年末には打合せと視察を兼ねて大阪を訪ねた。スダーン指揮の「第九」リハーサル、本番を聴けたことにより、合唱団の現状を把握し、今後のレッスンへの展望の開けたことは大きな財産である。
大阪フィル合唱団の向上心は本物であり、わたしにもそれに応えるだけの心構えが生まれた。マエストロ、合唱団、聴衆に大きな感銘の与えられるよう精一杯頑張りたい。そして、「スターバト・マーテル」の練習と本番にもたらされる緊張感と刺激は、自らの「マタイ受難曲」の演奏づくりにも良い影響を与えることだろう。
また、4名の独唱者も、すべて、わたしと共演経験のある方々であり、個人的にも再会が楽しみである。
面白くなってきた。
・第489回定期演奏会
2015年6月8日(月)9日(火)
19:00開演(18:00開場)
<指揮>ラドミル・エリシュカ
<独唱>半田美和子(ソプラノ)、手嶋眞佐子(アルト)、望月哲也(テノール)、青山 貴(バリトン)
<合唱>大阪フィルハーモニー合唱団
<曲目>ドヴォルザーク/スターバト・マーテル作品58