津「この後もお忙しいんですか?」
福「ええ、年内いっぱいは身動き取れないんですよ」
津「もし、3日間、仕事しなくていい、と言われたら、何をなさりたいですか?」
福「そうてすね。レコード屋に行ったり、レコード聴いたりしてますね」
津「・・・」(しばし、絶句)
福「昔、バックハウスという巨匠ピアニストが居て、余暇に何をするか?と訊かれたら、ピアノを弾いてます、と答えたと言いますけど、音楽家なんて、みんなそうなんじゃないですかね?」
津「はあ・・・」
ウルズラ・フート(Ursula Huth)というガラス・アーティストに魅せられている。
わたしより10歳年長、ウルム生まれのドイツ人だ。
(少し前まで、ウルスラ・フースと表記されていたようで、その方が検索には引っ掛かる)
最近になって知った名前だが、調べてみると清里・清泉寮新館(KEEP国際研修交流センター)チャペルのステンドグラスや十字架などを作成しており、写真を観ると胸に突き刺さるように美しい。
写真はブルックナー「交響曲第6番」というシルクスクリーン。
内的宇宙へと誘われる青、ザンクト・フローリアンを想起させる緑(或いは、地球か?)など、まこと、ブルックナーに相応しい美しさ。
フート女史による一連の「シンフォニーシリーズ」(2002年)のひとつで、他に、「シベリウス 交響曲第1番」「マーラー 交響曲第5番」「オルフ カルミナ・ブラーナ」「バルトーク 管弦楽のための協奏曲」「バルトーク 弦、打楽器、チェレスタのための音楽」「ファリャ 三角帽子 第2組曲」「ホルスト 惑星」「ウォルトン パルティータ」「黛敏郎 オペラ古事記」などかあるという。
うち、「マーラー 交響曲第5番」は、東京交響楽団定期演奏プログラム「SYMPHONY」の表紙を飾ったこともあるらしい。いつの号だろうか?
それにしても、ブルックナーの「4番」でも「7番」でもない「6番」というのが、心爽やかではないか。シベリウスは「1番」より「3番」以降にして欲しかった、というのは贅沢な要求だな。
女史HPのmomentsという頁を訪ねると、同シリーズより7点の飾られた写真(Galerie Kuenstlerbund 13.09. - 11.10.2014)もあった。
追記
その後、調べてると、英語読みとチャンポンのウルスラ・フースの名で、多くのシルクスクリーン作品がセレスティンホテルの廊下や客室に飾られていることを発見。
ここに宿泊すれば、「ブルックナー 交響曲第6番」ほかを拝むことが出来る。
セレスティンと言えば、篤姫が過ごした薩摩藩上屋敷跡に建つホテルであり、我が両親の生まれ育った鹿児島との繋りもある。それが、この上もなく嬉しい。
ウルズラ・フート女史 HP: http://ursulahuth.de/index.php/herzlich-willkommen/
ギャラリー仲摩HP より: http://www.nakama.co.jp/huth.html