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福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

ピアノ3台版「惑星」にサプライズ出演

2015-09-09 22:09:05 | コンサート


大阪クラシック第4日。
午後1時からは、中央公会堂・中集会室にて、ピアノ3台によるホルスト「惑星」。チケット発売とともに、あっという間に完売となった人気の公演である。

3人のピアニストは、大植英次、保屋野美和、尾崎有飛(敬称略)。この公演のプロデューサーである大植は、後者2人をリードしたり、スパイスを加えたりという役割を演じて聴衆を魅了した。

色彩豊かなオーケストラで聴く機会の多いホルストの名曲。ピアノ6手という多層的なモノトーンの響きで聴く意外な効用は、和声の斬新さ、音響の神秘性が却って際立つということ。三者なよる見事な演奏もあって、実に新鮮な感動があった。

さて、本来ならピアノだけで完結するはずのアレンジに対し、大植英次が求めたのは、終曲「海王星」に於ける女声コーラスのサプライズ出演。この日のために極秘裏に練習を重ねてきた大阪フィル合唱団の女声選抜隊は、隣室の小集会室に身を潜め、出番を待った。

小集会室にはモニターがないため、コーラスが歌い出すと自分たちの声で、ピアノの音は殆ど聴こえなくなる。それでも、団員たちは見事に役目を果たし、聴衆に鮮烈な印象を与えるけことに成功した。

わたしとしては、コーラスがずれたりすることで名演に水を差すことだけは避けたかったので、無事に終わってホッとした次第。あまりにホッとして、財布の紐も緩んでしまい、江戸流の鰻重を注文。ああ旨かった。