(写真: 飯島隆)
http://osakaphil1947.blog66.fc2.com/blog-entry-1016.html
大阪フィルハーモニー交響楽団公式ブログが、マーラー3番をまとめてくださいました。
これで、一区切りついた気がします。
いよいよ、明日より、大阪フィル合唱団は、信時潔「海道東征」の本格的稽古に突入します。
日本語との格闘、頑張っていきましょう。
では、以下、転載します。
感動のマーラー3番、終了しました!
大阪フィル「第491回定期演奏会」は、満員のお客さまにお集まりいただき、大変な盛り上がりのうちに終了しました。
桂冠指揮者の大植英次が指揮する、師バーンスタイン譲りのマーラー交響曲第3番。
6楽章100分を超える大曲が、ノンストップでフェスティバルホールに鳴り響きました!
暗譜で指揮をする事が多い大植マエストロですが、今回はスコアが置かれていました。
しかし本番中にそれを見る様子は無く、初日は途中である個所を開き、2日目は閉じられたまま。
マエストロに尋ねたところ、以下のような事を語りました。
「今年はバーンスタイン先生の没後25年。先生が引退宣言をした時点で唯一決まっていた演奏会が、カーネギーホールのマーラー3番でした。しかしその演奏会を待たず先生は亡くなりました。先生の願いをぜひ今年大阪フィルで果たしたかった。届けようと先生のスコアを置いて演奏しました。初日は愛を奏でる第6楽章でそのページを開きましたが2日目はそうしなかった。自分の気持ちの変化が演奏にも関係したかもしれませんね。でも、どちらも良かったでしょ。」
大植英次が大阪フィルでマーラー3番を指揮するのは、前回のブログでも書きましたが、2005年、2012年に次いでこれが3度目。
また大阪フィルとしては、1982年「第184回定期」、1990年「第245回定期」、1995年「朝比奈隆の軌跡」で朝比奈隆が、創立名誉指揮者の朝比奈隆が指揮。
音楽監督以外では、1999年「第332回定期」で佐渡裕が指揮しています。
1995年の朝比奈隆指揮の演奏は、ポニーキャニオンからCDになっています。
この曲をレニーの弟子の大植マエストロが大フィルで3度取り上げているのは頷けますが、朝比奈隆が3度取り上げているのは少し驚きですね。
世界的なコントラルト、ナタリー・シュトゥッツマンの歌唱はサスガの一言。
4楽章のピアニシモには鳥肌が立ちました。
「エイジのマーラーなら歌いたい!」と出演を快諾して頂きましたが、
本当に二人は仲が良いのです。
大植マエストロの指揮で気持ち良さそうに歌われていました。
100人を超す大編成のオーケストラは大植マエストロ渾身のタクトに集中し、テンポもアーティキュレーションもしっかり要望に応えていました。
コンサートマスター田野倉雅秋は大オーケストラをしっかりリード。
奏者はたいへんなソロを見事に演奏したと思います。
管楽器奏者が置きに行くのではなく、リスクを冒してでもチャレンジングに攻めていく演奏に心が熱くなりました。
第6楽章冒頭の弦の響きは、これぞ大阪フィル!だったと思います。
また、今回がオーケストラの公演デビューとなる、大阪フィルハーモニー合唱団指揮者の福島章恭は、見事に合唱団をまとめ、非常にクオリティの高い音楽を作り出していました。
大フィル合唱団女声パートもですが、大阪すみよし少年少女合唱団はいつもの事ですが、キチンと高い水準で仕上げられます。
今回、合唱団は第1楽章から登場し、100分を超す全曲をオーケストラと共にステージで過ごしました。
出番自体は第5楽章の僅か5分ほどにもかかわらず、ピンと背筋を伸ばして緊張感を持って座っていた姿が、客席から見ていても実に気持ち良く感じました。
最初から音楽を感じながら出番へとつながった事が、今回の名演となったのでしょう。
喉が渇こうが、お尻が痛かろうが動かない!
合唱団のメンバーのプロ根性のようなものを見た気がしました。
そんな事すべてがお客さまにも伝わり、2日間共6楽章最後の音が消えた後の、あの奇跡のような静けさに繋がったように思います。
まさにお客さまと奏者が一体となって作りだした音楽でした。
今回の公演では本当に沢山の方にお越しいただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。
さて、次回の「第492回定期演奏会」は10月、シーズン後半に突入します。
定期としてはなんと10年振りの登場となる炎のコバケン、小林研一郎の指揮でお届けします。
8月にフェスティバルホールに鳴り響いた「3大交響曲」が忘れられませんが、やはり定期演奏会はまた特別です。
どうぞこちらにもお越しくださいませ。
どうぞ引き続き大阪フィルをよろしくお願い致します。
(広報:H.I)