今宵は、ベルリン・コンツェルトハウスに初見参。アンドラーシュ・シフとコンツェルトハウス管の演奏会を聴いた。
プログラムは、前半にバッハ: イタリア協奏曲、ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第1番。休憩を挟んだ後半は、バルトーク: 管弦楽のための協奏曲
つまり、シフによる独奏~弾き振り~指揮という流れになるわけだ。
オーケストラを着席させたまま弾いたイタリア協奏曲こそ些か求道的に過ぎて、シフならではの閃きに欠けた気もしたが、次のベートーヴェンは生き生きとした生気とに溢れた超一流の至芸を見せた。まさに自由闊達。ユーモアあり、悲哀あり、憧れあり、なんとも美しいベートーヴェン。
オーケストラのコントロールも抜群で、力づくの場面は外務省。柔らかな響きを主体に千変万化の彩りの移ろいを聴かせたのである。
アンコールは、シフの独奏で、バッハ:パルティータ第1番よりメヌエットⅠ&Ⅱとジーグ。まさに天衣無縫。イタリア協奏曲とは別人のような冴えを聴かせた。
さて、ここで、後半のバルトークの話をしなくてはならないのだが、休憩時間より不意に襲われた睡魔によって、演奏については殆ど記憶がない。ただ、シフの虚飾のない真っ直ぐな指揮姿が、どこか高田三郎先生に似ていたなぁ、という朧気な印象のみ。
そもそも、バルトークの音楽を聴いて幸せを感じたことのない人間なので、意識があっても、楽しめたか否かは定かでない(バルトーク・ファンの皆さま申し分ありません)。
なお、コンツェルトハウスのアコースティックは素晴らしく、全体に昔ながらのコンサート会場という趣があって落ち着いた。いつか指揮台に立ってみたいものである。
Konzerthausorchester Berlin,
Sir András Schiff
Artist in Residence
KONZERTHAUSORCHESTER BERLINSIR
ANDRÁS SCHIFF Piano
Johann Sebastian Bach
„Concerto nach italienischem Gusto“ F-Dur BWV 971
Ludwig van Beethoven
Konzert für Klavier und Orchester Nr. 1 C-Dur op. 15
PAUSE
Béla Bartók
Konzert für Orchester