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■ 武相卯歳四十八観音霊場の御開扉

結願しました。
各札所の概要、写真と御朱印を掲載します。

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第1番
鶴間山 東照院 観音寺 〔真言院 金亀坊〕
神奈川県大和市下鶴間2240
高野山真言宗
御本尊:十一面観世音菩薩
札所本尊:十一面観世音菩薩
他札所:武相寅歳薬師如来霊場21番(R4.4/9-5/8御開帳)、小田急武相三十三観音霊場28番、高座郡三十三ヶ所観音霊場29番
 
・青山往還沿いにあり、「青山往還の赤門寺」と呼ばれて参詣者を集めたとされる発願寺。
・御本尊の十一面観世音菩薩は慈覚大師の御作と伝わる。

第2番
陽向山 随流院 (火ぶせ観音) 〔長蔦寺〕
神奈川県横浜市緑区長津田5-4-30
曹洞宗
御本尊:釈迦無尼佛(聖観世音菩薩)
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・江戸幕府の旗本・岡野家の菩提寺で「長津田」の地名の元とも。
・聖観世音菩薩は、ふるくから「火防の観音」として信仰を集めている。

第3番
大峰山 松岳院 (奈良村観音堂) 〔正覚院〕
神奈川県横浜市青葉区奈良2-4-6
曹洞宗
御本尊:釈迦無尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印授与あり(書置)
 
・開基は旧奈良村知行の石丸有貞とされる。
・聖観世音菩薩は、旧奈良村にあった観音堂から水害を受けて遷されたと伝わる。

第4番
三枝山 観性寺
東京都町田市西成瀬2-11-8
曹洞宗
御本尊:如意輪観世音菩薩
札所本尊:如意輪観世音菩薩
※通常無住(成瀬4-14-1東雲寺管理)
 
・御本尊の如意輪観世音菩薩は、行基菩薩の御作と伝わる。
・別尊として松久宗琳作の子育て観音を奉安。

第5番
鶏足山 智光院 養運寺
東京都町田市本町田3654
浄土宗
御本尊:阿弥陀如来
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印拝受済(御開扉期間中の授与不明)
 
・鎌倉時代からつづくとされる浄土宗の古刹で、札所は山内観音堂。
・もとは大谷村との境に御座の観音さまを、安永五年(1776年)に合祀と伝わる。

第6番
岩子山 普門寺 千手院
東京都町田市小野路町2057
真言宗豊山派
御本尊:千手観世音菩薩
札所本尊:千手観世音菩薩
他札所:関東八十八箇所64番、多摩新四国八十八ヶ所霊場12番、多摩川三十四観音霊場34番、小田急武相三十三観音霊場10番
 
・奈良時代、行基菩薩の開基と伝わる真言宗豊山派の名刹。
・本堂裏手高台の奥の院も観音堂で、現在は十一面観世音菩薩を奉安。この観音堂は小山田次郎重義が観音像を感得して建立と伝わる。

第7番
慈眼山 唐仏院 観音寺 (せきど観音)
東京都多摩市関戸5-31-11
真言宗豊山派
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:多摩十三仏霊場5番(地蔵菩薩)、多摩川三十四観音霊場12番
 
・「関戸観音堂」と呼ばれ古くから信仰を集めた。
・元弘三年(1333年)、新田義貞と鎌倉幕府の「関戸の戦」の地で関連の史跡が残る。

第8番
清谷山 蓮華院 真照寺 (子安観音)
東京都日野市落川1113
真言宗智山派
御本尊:大日如来
札所本尊:千手観世音菩薩
他札所:多摩新四国八十八ヶ所霊場17番、多摩川三十四観音霊場11番、日野七福神(恵比須天)
 
・長和年間(1012-1017年)開山と伝わる真言宗の古刹。
・子安観音として知られる千手観世音菩薩を山内観音堂に奉安。

第9番
桝井山 松連寺 観音堂 (百草観音堂)
東京都下日野市百草849-1
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
※通常無住(八王子清鏡寺管理?)
 
・もとは京王百草園にあったとされ、景勝の地として知られていた。
・旧松連寺所蔵の多くの仏像を奉安し、「百草観音堂仏教彫刻群」として市の文化財に指定されている。

第10番
塩釜山 清鏡寺 (大塚観音堂・御手の観音)
東京都八王子市大塚378
曹洞宗
御本尊:釈迦三尊(阿弥陀如来)
札所本尊:千手観世音菩薩
他札所:多摩川三十四観音霊場10番、京王三十三観音霊場24番
※御本尊御朱印は御開扉期間中授与なし
 
・清鏡寺は、もとは北条氏再興祈願の観音堂の別当。
・山内高台の観音堂に奉安の千手観世音菩薩は足腰健康の霊験あらたかで「大塚観音堂・御手の観音」としてふるくから信仰を集めている。

第11番
補陀山 水月院 大泉寺
東京都町田市下小山田町332
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・『新編武蔵風土記稿』には「町田の大寺」と掲載され、いまも大寺の風格を湛える。
・鎌倉武士・小山田有重の城跡に建立し、札所本尊は「見合い観音」とも呼ばれ若い女性の参詣を集めたという。

第12番
龍澤山 保井寺
東京都八王子市堀之内547
曹洞宗
御本尊:虚空藏菩薩
札所本尊:如意輪観世音菩薩
※御本尊御朱印拝受済(御開扉期間中の授与不明)
 
・読みは「ほうせいじ」。町田市下小山町の観音寺から遷られた如意輪観世音菩薩が札所本尊で、山内観音堂に奉安されている。「椿の寺」としても有名。

第13番
吹王山 (不動院) 玉泉寺(もかけの観音)
東京都八王子市越野726
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:多摩百八ヶ所霊場105番
※御本尊御朱印拝受済(多摩百八ヶ所)
 
・裳が蓮台までかかる宗風の像容から「もかけの観音」と呼ばれる札所本尊は、旧導義寺観音堂から玉泉寺観音堂に遷られ、現在は越野自治会集会所に奉安されている。
・札所本尊造立の願主は、底部墨書から北条氏照の家臣・小田野周重とみられている。

第14番
高雲山 永泉寺
東京都八王子市鑓水80
御本尊:釈迦無尼仏
札所本尊:正観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・甲州武田家臣・永野和泉開基の古刹で、鑓水の絹商人・八木下要右衛門の旧邸の地とされる。
・俳句の寺として知られ、山内には芭蕉堂が建つ。

第15番
安榮山 明王院 福傳寺 (子安観音)
東京都八王子市明神町4-10-6
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:十一面観世音菩薩
他札所:多摩新四国八十八ヶ所霊場77番、八王子三十三観音霊場30番、武玉八十八ヶ所霊場65番
※御本尊御朱印拝受済(多摩新四国)
 
・八王子の街なかにある真言宗寺院で、子安神社の元別当。
・安産の観音さまとして信仰篤く「村内に難産の者なし」と伝わる。

第16番
慈高山 金剛院
東京都八王子市上野町39-2
高野山真言宗
御本尊:不動明王
札所本尊:十一面観世音菩薩
関東八十八箇所63番、多摩新四国八十八ヶ所霊場73番、八王子三十三観音霊場31番、京王三十三観音霊場30番、八王子七福神(福禄寿)、武玉八十八ヶ所霊場63番
※御本尊御朱印拝受(関東八十八箇所、多摩新四国)
 
・草創は天正四年(1576年)僧真清開基の明王院。のちに当地の大師堂とあわせ金剛院と号す。
・札所本尊の十一面観世音菩薩は、本堂参道向かって左手の福聚堂に奉安されている。


第17番
中和山 泉龍寺
神奈川県相模原市南区上鶴間本町8-54-21
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印は御開扉中不授与
 
・大規模な三重塔を擁する曹洞宗の大寺。三重塔よこに観音堂があるが、御開扉時は本堂に奉安されていた。
・札所本尊は公所の井上助右衛門の霊夢を受けての造立と伝わる。

第18番
竜雲山 高乗寺
東京都八王子市初沢町1425
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:十一面観世音菩薩・三十三体観世音菩薩
他札所:八王子三十三観音霊場19番
※御本尊御朱印拝受済(御開扉中書置)
 
・片倉城主・永井大膳太夫高乗(広秀)が開基の「多摩八大寺」に数えられる曹洞宗の名刹。
・札所本尊は、本堂向かって左の大慈閣に奉安されている。

第19番
天龍山 福昌寺
横浜市青葉区恩田町1021-1
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:十一面観世音菩薩
他札所:武相寅歳薬師如来霊場14番(R4.4/9-5/8御開帳)
※御本尊御朱印拝受済(御開扉中書置)
 
・横浜市青葉区の住宅地にある曹洞宗寺院。
・以前は二間四方の観音堂があったとされるが、現在、札所本尊は本堂に奉安されている。

第20番
北岸山 喜福寺
東京都八王子市中野山王2-11-11
真言宗系単立
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:八王子三十三観音霊場11番、武玉八十八ヶ所霊場82番
 
・応永元年(1394年)開基、徳川幕府から篤く保護されたと伝わる古刹。
・近代建築の本堂は斬新で、この霊場のなかでも異彩を放っている。

第21番
祥雲山 長安寺
東京都八王子市並木町7-1
曹洞宗
御本尊:准胝観世音菩薩
札所本尊:正観世音菩薩
※御本尊御朱印授与不明
 
・八王子千人同心の円山長安居士(島村豊後)の開基と伝わる。
・札所本尊の正観世音菩薩は、もとは明治初年に廃寺となった黄檗宗の宗明寺の御本尊。
・御本尊の准胝観世音菩薩は、もともと秩父三十四ヶ所の観音像の一尊ともいわれる。

第22番
常光山 観音院 真覚寺
東京都八王子市散田町5-36-10
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:多摩新四国八十八ヶ所霊場71番、京王三十三観音霊場32番
※御本尊御朱印拝受済(多摩新四国)
 
・応永十八年(1411年)、津久井城主・長山修理が観音堂を建立。真覚寺は観音堂の別当であったという。
・心字池を配し、緑豊かでなごめる山内は八王子市の指定旧跡。

第23番
聚林山 千光院 興福寺
東京都八王子市東浅川町754
曹洞宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:八王子三十三観音霊場23番
 
・関東十八代官のひとり雨宮勘兵衛の祖、雨宮秀徳の開基と伝わる。
・もとは観音堂があったと伝わるが、現在は本堂が札所となっている。

第24番
祐照庵 (大戸観音堂)
東京都町田市相原町4643
臨済宗南禅寺派
御本尊:正観世音菩薩
札所本尊:正観世音菩薩
他札所:八王子三十三観音霊場20番
※通常無住、寺役管理
 
・八王子市山田の雲律院の末寺として慶長元年(1596年)に開創。
・観音堂は明治初期に焼失し、現堂宇は第21番長安寺の太子堂を移築したもの。八王子八景のひとつ鐘楼門が見事。

第25番
金剛山 普門寺
神奈川県相模原市緑区中沢200
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・天平年間(729-748年)、行基菩薩開基と伝わる古刹で、山内の飯縄大権現は武田信玄公の尊崇篤かったと伝わる。
・観音堂に奉安の聖観世音菩薩は行基菩薩の御作とも伝わる古仏。

第26番
大瀧山 長徳寺
神奈川県相模原市緑区大島756
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:如意輪観世音菩薩
他札所:高座郡三十三ヶ所観音霊場26番
※御本尊御朱印授与なし
 
・甲州武田家臣の鳳山良長が、北条との戦いの戦死者を弔うために津久井の巧雲寺から宗山洞益和尚を招聘して創建と伝わる。
・以前は観音堂があったが焼失し、札所本尊は本堂内向かって左手壇内に奉安されている。

第27番
瑞石山 清水寺 (坂下観音、相原観音)
東京都町田市相原町701
臨済宗妙心寺派
御本尊:正観世音菩薩
札所本尊:正観世音菩薩
 
・坂下観音、相原観音とも呼ばれて信仰を集めた観音様のお寺。
・高台に建つ観音堂は華麗な彫刻が施され見事。市の文化財に指定されている。

第28番
施弥山 慈眼院 福生寺 〔田端観音寺・荒ヶ谷戸の観音〕
東京都町田市小山町2524
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:十一面観世音菩薩
他札所:多摩百八ヶ所霊場97番
※御本尊御朱印拝受済(多摩百八ヶ所)
 
・天福元年(1233年)、天野孫兵衛が建立し、北条泰時から一字を賜り「福生寺」と号す。
・第28番札所本尊は、田端観音寺の「荒ヶ谷戸の観音」を観音堂に合祀。

第29番
施弥山 慈眼院 福生寺
東京都町田市小山町2524
真言宗智山派
御本尊:不動明王
札所本尊:正観世音菩薩
他札所:多摩百八ヶ所霊場97番
※御本尊御朱印拝受済(多摩百八ヶ所)
 
・第29番札所本尊は、平安時代の作とされる檜一本造の正観世音菩薩像で、都有形文化財。 第28番札所本尊とともに観音堂に奉安されている。

第30番
白瀧山 高厳寺 (元町観音堂)
神奈川県相模原市中央区上溝6-18-4 元町自治会館
真言宗
御本尊:正観世音菩薩
札所本尊:正観世音菩薩
他札所:高座郡三十三ヶ所観音霊場24番
※通常無住、自治会管理。
 
・もとは堂ヶ谷戸にあった高厳寺が、明治末に現地に移されたという。
・現在は自治会管理で、御開扉時のみの開堂と思われる。

第31番
聲音山 観心寺
神奈川県相模原市南区当麻774 原当麻自治会集会所
時宗
御本尊:正観世音大菩薩
札所本尊:正観世音大菩薩
※無量光寺(当麻)の管理。現在無量光寺は御朱印不授与。
 
・家内安全、ことに安産の観音さまとしてふるくから信仰を集める。
・現在は無量光寺の兼務だが、御開扉時以外は御朱印拝受は困難とみられる。

第32番
補陀洛山 清水寺
神奈川県相模原市南区下溝1457
曹洞宗
御本尊:十一面観世音菩薩
札所本尊:十一面観世音菩薩
他札所:高座郡三十三ヶ所観音霊場第22番
 
・読みは「せいすいじ」。征夷大将軍坂上田村麻呂ゆかりの地に慶長元年(1596年)開山と伝わる。浅草・東岳寺とゆかりをもち、双盤念仏で知られる。
・現在の御本尊は開山時に井戸から出現の十一面観世音菩薩で、坂上田村麻呂ゆかりの尊像とされる。

第33番
吉祥山 覺圓坊 (木曽の観音様)
東京都町田市木曽町4-7-33
天台寺門宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
 
・当霊場では唯一の天台宗系寺院。康平六年(1063年)、園城寺第31代長吏覺圓僧正が開基という格式をもち、木曾義仲とゆかりをもつ。
・無住の堂宇だが広い境内をもち、端正な堂内に聖観世音菩薩が安置されている。

第34番
柳澤山 泉蔵寺
東京都町田市下小山田町1391
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛(十一面観世音菩薩)
札所本尊:十一面観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・正徳五年(1715年)下小山田村領主・柳澤備後守信尹が牛込・宗参寺の末寺として開基。

第35番
上柚木観音堂
東京都八王子市上柚木402-2 神明町会集会所
御本尊:準提観世音菩薩
札所本尊:準提観世音菩薩
※通常無住、14番永泉寺にて授与?
 
・文化年間(1804-1818年)、由木・永林寺住職の勧めにより並木原に伊藤氏が再興。
・明治はじめに当地に移転。当初は石仏が本尊で、いまは新造の木像とともに本堂厨子内に奉安されている。

第36番
富亀山 養樹院 圓通庵
東京都町田市上小山田町2536
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:准提観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・慶長十九年(1614年)下小山田の大泉寺住職が再興した趣きある寺院。
・札所本尊の准提観世音菩薩は女性の守護仏として信仰篤く、観音堂(圓通庵)に奉安されている。

第37番
瀧澤山 祥雲寺 (身代わり観音)
東京都町田市高ヶ坂7-15-1
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:身代聖観世音菩薩
他札所:武相寅歳薬師如来霊場19番(R4.4/9-5/8御開帳)
※御本尊御朱印授与なし
 
・大永六年(1526年)、伊勢原の石雲寺第三世・蓼堂秀郭大和尚を招聘して開山、北条氏の祈願所として創建されたという名刹。
・「身代わり観音」として知られる札所本尊は山内観音堂に奉安されている。

第38番
大悲山 慈眼寺 (都井沢の観音さま)
神奈川県相模原市緑区城山4-367
高野山真言宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
 
・安産に霊験あらたかな「都井沢の観音さま」として地域の信仰を集めた観音さま。
・底を閉じない「底なし袋」を観音堂の扉に吊して安産祈願する風習が残る。

第39番
金森山 宗保院
東京都町田市原町田1-8-13
曹洞宗
御本尊:千手観世音菩薩
札所本尊:千手観世音菩薩
他札所:原町田七福神(布袋尊)
 
・天文十一年(1542年)、この地の郷士・大河伊与が開基。町田駅に近い街なかの寺院ながら広大な境内をもつ。
・札所本尊の千手観世音菩薩は、大河氏の守り本尊と伝わる。

第40番
飯成山 永昌院
東京都八王子市中山452-2
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:十一面観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・天正十年(1582年)下柚木の栄林寺住職により創建、開基は葛沢豊前守と伝わる。
・札所本尊は山内観音堂に奉安。「ネコの寺」として有名?

第41番
金峰山 永林寺
東京都八王子市下柚木4
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:京王三十三観音霊場25番
※御本尊御朱印あり(書置)
 
・八王子だも有数の名刹。天文元年(1532年)、由木城主、武蔵國守護代・大石定久がこの地を叔父の一種長澄大和尚に譲り、永鱗寺として創建。徳川家康公も参拝し、赤門の建立を許される。
・札所本尊は山内高台の三重塔内に塔本尊として奉安され、御開扉時にはめずらしい三重塔と回向柱のとりあわせが見られる。

第42番
白華山 慈眼寺
東京都八王子市片倉町944
曹洞宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:十一面観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・曹洞宗寺院ながら、御本尊は聖観世音菩薩。
・札所本尊の十一面観世音菩薩は、讃岐の七宝山観音寺の写しと伝わる。

第43番
金龍山 信松院
東京都八王子市台町3-18-28
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:八王子七福神(布袋尊)
※御本尊、信松尼の御朱印あり
 
・武田信玄公の息女・松姫を開基とする歴史の香り高い名刹。
・松姫は織田信長公の長男・信忠と婚約するも破談となり、天正十年(1582年)武田氏滅亡ののち八王子に逃れ、心源院にて出家(信松尼)、御所水(台町)の当地に庵を結んだという。
・以降、当庵で武田氏ゆかりの人々の菩提を弔い、八王子千人同心をはじめとする旧武田家臣の尊敬を集めたという。

第44番
大澤山 宗印寺
東京都日野市平山6-15-11
曹洞宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:日野七福神(布袋尊)
 
・鎌倉御家人の重鎮・平山季重公ゆかりの名刹。
・「人々の願いには必ず応える」という聖観世音菩薩が御本尊として奉安されている。

第45番
金光山 観泉寺
東京都町田市真光寺町1210
曹洞宗
御本尊:聖観世音菩薩
札所本尊:聖観世音菩薩
 
・元和元年(1615年)、大坂夏の陣で戦死したこの地の領主・飯田右馬之助昌有の菩提のために子の飯田次郎右衛門昌重が、小山田の大泉寺の住職を迎えて開創。
・御本尊・聖観世音菩薩のほか、脇本尊に二尊の観音像を奉安する観音さまのお寺。

第46番
一乗山 久松寺 吉祥院
東京都八王子市長房町58-3
真言宗智山派
御本尊:大日如来
札所本尊:聖観世音菩薩
他札所:多摩新四国八十八ヶ所霊場67番、八王子七福神(吉祥天)
※御本尊御朱印拝受済(多摩新四国)
 
・八王子北部の高台に建つ真言宗寺院で、山内には多彩な尊格が奉安されている。
・八王子七福神の吉祥天霊場で、古来からの当寺の縁起にちなむという。

第47番
境國山 定方寺
神奈川県大和市下鶴間145
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:正観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
・当初は境川沿い(現・定方寺公園)にあったが水害により当地に移転。
・札所本尊の正観世音菩薩は、庫裡寄りの一画で御開扉されていた。

第48番
淵源山 龍像寺
神奈川県相模原市中央区東淵野辺3-25-1
曹洞宗
御本尊:釈迦牟尼佛
札所本尊:聖観世音菩薩
※御本尊御朱印授与なし
 
【写真 上(左)】 第48番 龍像寺
【写真 下(右)】 同 御朱印(専用納経帳用)
・暦応年間(1338-1341年)、この地の地頭・淵辺伊賀守義博による開基で、江戸時代のこの地の領主・岡野氏一族の菩提寺。
・札所本尊は、本堂向かって左手の高台に建つ六角堂(観音堂)内に奉安されている。

〔 結願証 〕

第48番龍像寺様にていただきました。

48箇寺はさすがにまわり応えがありましたが、札所のご対応も親切で充実した札所巡りとなりました。

まだ半月あります。
12年にいちどの貴重な機会、ぜひぜひどうぞ。

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真言宗の勤行式のなかに「祈願文」(きがんぶん・きがんもん)があります。
僧侶のみならず、在家の人々もこのような大きな願いを営々と託してきたとは、おどろくばかりです。
宗派は違っても、御開帳の回向柱にはおおむねこのような願いが揮毫されています。

祈願文

至心発願(ししんほつがん)
天長地久(てんちょうちきゅう)
即身成仏(そくしんじょうぶつ)
密厳国土(みつごんこくど)

風雨順時(ふううじゅんじ)
五穀豊饒(ごこくぶにょう)
万邦協和(ばんぽきょうわ)
諸人快楽(しょにんけらく)

乃至(及以)法界(ないし(ぎゅうい)ほうかい)
平等利益(びょうどうりやく)

(意訳)愛宕山弘正寺様(愛知県岡崎市)の公式Webより引用
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真心を持って祈ります。
宇宙が永遠に存在し
すべての人がこの身このままで仏様になり
この世が仏様の世界となり

天地宇宙が順調に進み
農作物が豊かに実り
この世が平和で
人々が幸せであって

世界であまねく
仏様の恵みが平等でありますように
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2023/04/12 UP
半分以上回り終えました。
次第に知られてきているようで、先の土日はかなりの賑わいだった模様です。

東大和と寺院散策様の情報によると、非御開扉時でもだいたい御朱印はいただけそうです。
ただし、第31番観心寺の御朱印は「相模原市南区の無量光寺」でとなっていますが、無量光寺では現在御朱印を授与しておられませんので、こちらは「12年に一度の御朱印」となる可能性があります。


【写真 上(左)】 第31番観心寺
【写真 下(右)】 第31番観心寺の御朱印


【写真 上(左)】 無量光寺
【写真 下(右)】 無量光寺の掲示

無住のお堂で寺役さんに連絡して御朱印をいただくのはたいへんですし、なにより御開扉時の観音堂は華やいで、常とはちがう巡拝が味わえます。
まだまだ時間はありますので、貴重な卯年の御開扉を味わってみてはいかがでしょうか。


【写真 上(左)】 第27番清水寺
【写真 下(右)】 第27番清水寺の御朱印

なお、御本尊の御朱印については、関東八十八ヶ所や多摩新四国霊場の兼務札所では拝受できますが、武州卯歳の単独札所では不授与のところが多そうです。

入手困難と思っていたガイドブック(1999年11月刊)が第43番信松院様で頒布されていたので購入しました。


↓ こちらのガイドにも詳細に載っています。(メイツ出版 1,630円税別)



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武相卯歳四十八観音霊場が4/1から御開扉となっています。

・御開扉(開帳)期間:4/1~4/30
・札所数48、開扉(開帳)数48、御朱印授与数48
・霊場概要・札所一覧はニッポンの霊場様をご参照ください。
・御朱印対応時間:9:00~17:00  御朱印各300円
・専用納経帳あり(300円) 各札所にて頒布されています。

・武蔵国(八王子市・日野市・多摩市・町田市)と相模国(横浜市・相模原市・大和市)の48の札所からなる観音菩薩霊場です。
・12年に一度、卯歳に御開扉(開帳)され、前回は平成23年春でした。
・開創は宝暦九年(1759年)と伝わり、今回の御開扉(開帳)は第23回目。第1回御開扉から264年目に当たります。
・札所数は変動し、江戸時代の開創当時は33、第二十回開扉(1987年)では50、第二十一回開扉(1999年)では48となり、以降48で固定している模様です。(『武相観音めぐり』より)
・札所の宗派は多彩ですが、曹洞宗と真言宗寺院が多くなっています。



 

【写真 上(左)】 パンフレット
【写真 下(右)】 御開扉の幟

〔 パンフレット掲載の札所位置図 〕


4/1に第1番の鶴間山 観音寺様から打ちはじめました。
いまのところ6札所回っただけですが、最新情報をお伝えします。

専用納経帳は300円で頒布され、これに綴じ孔つきの専用御朱印を綴じ込んでいくかたちです。
前回、平成23年の専用納経帳よりひとまわり小さな体裁となっています。


【写真 上(左)】 今回の専用納経帳
【写真 下(右)】 前回(平成23年)の専用納経帳


【写真 上(左)】 第1番 観音寺の専用納経帳用御朱印(今回)
【写真 下(右)】 同(前回)
※「御開扉」印は、ご対応ある札所とない札所があるようです。

 
【写真 上(左)】 第1番 観音寺の御朱印帳貼付用御朱印(今回)
【写真 下(右)】 同 回向柱と向拝

別に御朱印帳貼付用の綴じ孔のあいていない書置御朱印も授与されていますが、すべての札所で授与されているかは不明。
御朱印帳直書についてのご対応は不明ですが、むずかしいかもしれません。

 
【写真 上(左)】 第1番 観音寺の札所標
【写真 下(右)】 第1番 観音寺の参道

通常無人の観音堂から、複数の霊場札所を兼務される大寺までさまざまで、変化に富んだ巡拝を味わえます。
とくに多摩丘陵の山ふところに点在する禅刹は、いずれも趣きのあるたたずまいです。

 

【写真 上(左)】 第17番 泉龍寺
【写真 下(右)】 同 御朱印(専用納経帳用)

無人の札所についてはおそらく通常は不授与で、中開帳もない模様なので12年に一度の御朱印となります。

公共交通機関の利用が推奨されているものの、多くの札所寺院は駐車場を備えられています。
(第2番 随流院様には駐車場はありませんが、すぐそばにコインパーキングがあります。)
ただし鶴間周辺、町田市中心部、八王子市中心部などは渋滞気味で予想以上に移動時間をとられます。
なので、17時までのご対応はありがたいことです。

回向柱は建立されている札所とない札所があります。
札所本尊の観音様はおおむね堂内奥に御座されて御開扉。回向柱はなくとも縁の綱は向拝まで引かれているようです。
なお、堂内はすべての札所で撮影禁止です。

早いタイミングであれば、桜のもとでの巡拝もできます。
札所数は多いですが、この貴重な機会に巡拝されてみてはいかがでしょうか。

詳細については、第1番 観音寺様の公式Web(→こちら)をご覧ください。
札所地図はこちらの「第23回 御開扉 パンフレット」からjpeg形式でダウンロードできます。
(各札所で配布されているパンフにも掲載されています。)


【 BGM 】
■ 桜 - 中村舞子(Covered)


■ ひらひら ひらら - ClariS


■ 名もない花 - 遥海
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