6月29日
「akubiさん!」
「akubiさん!」
人が良い気持ちで寝ているのに、
やかましいなぁ!
誰だ!うるさいのは!
そう思って目を開けた。
ぼや~とした私の目に映ったのは、
私をのぞき込んでいるたくさんの人の顔。
そうだ!
私は手術を受けていたんだった。
名前を呼ばれたってことは、手術は終わったのね。
反射的に、壁に掛かった時計に目をやる。
12時17分
3時間・・・
手術にかかった時間であると同時に、私の記憶がない時間。
守秘義務があるから、なにか叫んだとしても、教えてくれないだろうなぁ。
私が何も知らない間に、お腹が開かれ、子宮、卵管、卵巣が摘出された。
とった子宮の怪しいところを、病理検査に回した。
縫合は、ホッチキスみたいな金具で行い、創にガーゼをあて、絆創膏で止められていた。
また、呼吸を助けるため、口の中にチューブを入れられ、尿の管を入れられ、
血栓防止用のマッサージ器を下肢につけられていた。
私が目を開けたのを確認してから、執刀した先生方は退室したんだろう。
後ろ姿が目に入った。
そして麻酔科の先生は、私の口からチューブを抜いた。
私の右手の青あざを見た看護師さんが、
「あれ? これどうしたんだろう? 」って言っているので、
貯血した跡って答えると、
「えっ! 完全に麻酔さめているやん!」って、驚かれた。
たしかに、さっきより頭はしっかりしてますけど・・・
これって、普通じゃないの?
その後、ベッドに移され、手術室を後にした。
手術室に来るときは、歩いてきたが、帰りはベッド・・・
横になったままエレベーターに乗る。
重力の受け方が変わるからか、少々変な感じ。
6階につき、回復室へ行く途中、
午後から手術予定のさんとご主人が、
長いすに座っているのが目に入った。
あら、まだ手術に入っていないんだ~
ディルームの横を通ったとき、
ダンナ、母、おばさんの姿が目に入る。
思わず、手を振る。
回復室でも、窓ぎわのベッドだった。
手術着から、パジャマに着替えさせられる。
もっとも動けないから、されるがまま。
母とおばさんが顔を出す。
「きれいにとれたって、先生が言っていたよ。」
どうやら私が麻酔から覚めた後、先生は、さっさと白衣に着替え、家族への説明に回ったようだ。
特に疲れているとも思わなかったが、寝てしまったようだ。
先生が様子を見に来たこと、
さんが、様子を見に来てくれたこと、
耳や目は反応しているんだけど、脳の中でこの情報を上手くまとめられなかった。
とにかく眠かった。
4時すぎ、自然と目が開いた。
頭がすっきりした感じ。
麻酔が覚めるってこんな感じなんだろうか?
そう思ったら、息子がまた赤ちゃんだった頃の事を思いだした。
もうすぐ1歳になるという頃、タンスの角に頭をぶつけた彼、
大きなコブが出来た。
たんこぶが出来たから、まあ一安心・・・と思っていたんだけど、
時間がたつと、すこし大きくなった感じがする。
そこへ、母と伯母が遊びに来た。
息子の頭を見るなり、「お医者さんに連れて行ったの? 行かないと・・・」
ちょうど、家から歩いていけるところに脳神経科クリニックがあり、
まだ診療時間だった。
念のため、レントゲン(今から思うとCTかも)を取ることになり、
睡眠薬を飲ませた。
嫌がって、なかなか飲まない・・・飲んでも半分ちょっとだったためか、
すぐに寝なかったけど、なんとか撮影できた。
「頭蓋骨や脳は、今のところ心配入らない、様子を見ていて下さい。」と言う診断だった。
目が覚めて動き出すのだけど、すぐに転んでしまう。
睡眠薬の後遺症?と心配する母。
念のためにクリニックに電話を入れるが、出ない・・・
昼寝をしたあとは、すっかり元通りに戻っていた。
ここでやっと、睡眠薬が完全に抜けたのかも知れない。
私が目を覚ましたすぐ後、教授と先生がやってきた。
「きれいにとれたからね。」と教授。
ありがとうございます。と言う私。
今は、それ以上話すこともないだろう。
術後は、2時間ごとのバイタルチェック。
「痛くないですか?」
そう言えば、チクッと痛いような気もするけど、
痛み止めをもらうほどでもないし・・・
夕方、母が戻ってきた。
ダンナ、息子は車で待っているらしい。
「忘れ物をしたから・・・」と言って、上がってきたと言っていた。
もう大丈夫なので、おばさんにも帰ってもらう。
ありがとう~
そういえば、このおばさん。
入院した日、お見舞いに来てくれたんだった。
元気そう、かつあっけらかんとした私を見て、
やっと安心したようだった。
1人になってしまった。
動けないしなぁ~
ご飯が出るわけでもないし・・・
テレビでも見るしかないか。
あっ! しまった!
時計、手の届くところにおいてもらうのを忘れてしまった。
時間がわからないよ~~~
「akubiさん!」
「akubiさん!」
人が良い気持ちで寝ているのに、
やかましいなぁ!
誰だ!うるさいのは!
そう思って目を開けた。
ぼや~とした私の目に映ったのは、
私をのぞき込んでいるたくさんの人の顔。
そうだ!
私は手術を受けていたんだった。
名前を呼ばれたってことは、手術は終わったのね。
反射的に、壁に掛かった時計に目をやる。
12時17分
3時間・・・
手術にかかった時間であると同時に、私の記憶がない時間。
守秘義務があるから、なにか叫んだとしても、教えてくれないだろうなぁ。
私が何も知らない間に、お腹が開かれ、子宮、卵管、卵巣が摘出された。
とった子宮の怪しいところを、病理検査に回した。
縫合は、ホッチキスみたいな金具で行い、創にガーゼをあて、絆創膏で止められていた。
また、呼吸を助けるため、口の中にチューブを入れられ、尿の管を入れられ、
血栓防止用のマッサージ器を下肢につけられていた。
私が目を開けたのを確認してから、執刀した先生方は退室したんだろう。
後ろ姿が目に入った。
そして麻酔科の先生は、私の口からチューブを抜いた。
私の右手の青あざを見た看護師さんが、
「あれ? これどうしたんだろう? 」って言っているので、
貯血した跡って答えると、
「えっ! 完全に麻酔さめているやん!」って、驚かれた。
たしかに、さっきより頭はしっかりしてますけど・・・
これって、普通じゃないの?
その後、ベッドに移され、手術室を後にした。
手術室に来るときは、歩いてきたが、帰りはベッド・・・
横になったままエレベーターに乗る。
重力の受け方が変わるからか、少々変な感じ。
6階につき、回復室へ行く途中、
午後から手術予定のさんとご主人が、
長いすに座っているのが目に入った。
あら、まだ手術に入っていないんだ~
ディルームの横を通ったとき、
ダンナ、母、おばさんの姿が目に入る。
思わず、手を振る。
回復室でも、窓ぎわのベッドだった。
手術着から、パジャマに着替えさせられる。
もっとも動けないから、されるがまま。
母とおばさんが顔を出す。
「きれいにとれたって、先生が言っていたよ。」
どうやら私が麻酔から覚めた後、先生は、さっさと白衣に着替え、家族への説明に回ったようだ。
特に疲れているとも思わなかったが、寝てしまったようだ。
先生が様子を見に来たこと、
さんが、様子を見に来てくれたこと、
耳や目は反応しているんだけど、脳の中でこの情報を上手くまとめられなかった。
とにかく眠かった。
4時すぎ、自然と目が開いた。
頭がすっきりした感じ。
麻酔が覚めるってこんな感じなんだろうか?
そう思ったら、息子がまた赤ちゃんだった頃の事を思いだした。
もうすぐ1歳になるという頃、タンスの角に頭をぶつけた彼、
大きなコブが出来た。
たんこぶが出来たから、まあ一安心・・・と思っていたんだけど、
時間がたつと、すこし大きくなった感じがする。
そこへ、母と伯母が遊びに来た。
息子の頭を見るなり、「お医者さんに連れて行ったの? 行かないと・・・」
ちょうど、家から歩いていけるところに脳神経科クリニックがあり、
まだ診療時間だった。
念のため、レントゲン(今から思うとCTかも)を取ることになり、
睡眠薬を飲ませた。
嫌がって、なかなか飲まない・・・飲んでも半分ちょっとだったためか、
すぐに寝なかったけど、なんとか撮影できた。
「頭蓋骨や脳は、今のところ心配入らない、様子を見ていて下さい。」と言う診断だった。
目が覚めて動き出すのだけど、すぐに転んでしまう。
睡眠薬の後遺症?と心配する母。
念のためにクリニックに電話を入れるが、出ない・・・
昼寝をしたあとは、すっかり元通りに戻っていた。
ここでやっと、睡眠薬が完全に抜けたのかも知れない。
私が目を覚ましたすぐ後、教授と先生がやってきた。
「きれいにとれたからね。」と教授。
ありがとうございます。と言う私。
今は、それ以上話すこともないだろう。
術後は、2時間ごとのバイタルチェック。
「痛くないですか?」
そう言えば、チクッと痛いような気もするけど、
痛み止めをもらうほどでもないし・・・
夕方、母が戻ってきた。
ダンナ、息子は車で待っているらしい。
「忘れ物をしたから・・・」と言って、上がってきたと言っていた。
もう大丈夫なので、おばさんにも帰ってもらう。
ありがとう~
そういえば、このおばさん。
入院した日、お見舞いに来てくれたんだった。
元気そう、かつあっけらかんとした私を見て、
やっと安心したようだった。
1人になってしまった。
動けないしなぁ~
ご飯が出るわけでもないし・・・
テレビでも見るしかないか。
あっ! しまった!
時計、手の届くところにおいてもらうのを忘れてしまった。
時間がわからないよ~~~