akubiののほほん日記

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子宮体ガンとは?

2007年07月08日 12時28分05秒 | 子宮体ガン

★子宮体ガンとは?   
  子宮体部がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側にある子宮内膜から発生する病気です。
  年齢別にみた子宮体部がんの罹患率は、40歳代後半から増加し、50歳代から60歳代にピークを迎え、その後減少します。  
  子宮体部がんは、エストロゲンによって増殖するタイプと、エストロゲンに関係なく発生するタイプに分けられます。  
 
  確立したリスク要因としては、    
    ・閉経年齢が遅い    
    ・出産歴がない    
    ・肥満    
    ・エストロゲン産生    
    ・糖尿病や高血圧    
    ・乳ガンや大腸ガンの家族歴    
    ・薬剤        
      乳がんのホルモン療法に用いられるタモキシフェン 
      更年期障害等に対するホルモン補充療法などで用いられる、エストロゲン製剤の単独使用など

 ★症状    
   ・月経とは無関係の出血    
   ・おりもの    
   ・排尿痛または排尿困難    
   ・性交時痛、骨盤領域の痛みなどの症状

 ★診断    
    子宮の内側より発生するので、普通の子宮頸部がんの細胞診テストではガンは見つけられません。    
    子宮内膜の異常を検査するためには、頸管拡張と掻爬(そうは:子宮内膜を含め、子宮内腔内の異常組織をかき出す)やスプーン状に湾曲した器具で、子宮壁にできているものを除くために丁寧に削りとります。少し痛みがありますが、各個人によって痛みの強さは異なります。また検査後、数日少量出血することがあります。しかし、検査によるものですので心配はありません。採取された組織はがん細胞の有無などを調べるために組織診断に提出されます。

 ★ 子宮体ガンの病期(ステージ)    
    ガンの深さや転移の有無などによって分類されます。
    治療を計画するため、超音波検査やCT、MRIによる画像検査によってがんの進行程度を診断します。
         子宮体部がんの病期分類は子宮頸部がんと異なり、手術治療後の病理検査結果に基づいて決められます。  

 ・ 0期      
      子宮内膜に正常の細胞とは顔つきが異なった異型細胞といわれる細胞が増えている状態で、前癌状態。(子宮内膜異型増殖症)     

  Ia期   
    子宮体部の内膜に癌がとどまっている状態。 癌は子宮体部に限局している。  

  Ib期   
    子宮体部の筋層への浸潤が筋層の1/2以内の状態。 癌は子宮体部に限局している。  

 ・ Ic期   
    子宮体部の筋層への浸潤が筋層の1/2を越える状態。 癌は子宮体部に限局している。  

 ・ IIa期   
    癌が子宮体部だけではなく子宮頚部に拡がっているが、頚部の浸潤は粘膜内である状態。  

 ・ IIb期   
    癌が子宮体部だけではなく子宮頸部に拡がっていて、頚部の浸潤は粘膜を越えている状態。  

 ・ IIIa期   
    癌は子宮の外に拡がっているが、骨盤無いにとどまっている状態で、癌が子宮の外の膜や骨盤の腹膜あるいは卵巣・卵管に転移しているもの、あるいは腹水の中に癌細胞の認められる状態。  

 ・ IIIb期   
    癌は子宮外に拡がっていて腟壁に浸潤転移を認める状態。  

 ・ IIIc期  
    癌は子宮外に拡がっているが、骨盤内にとどまっている状態で、骨盤内、あるいは大動脈周囲のリンパ節に転移を認めるもの、もしくは、基靭帯(きじんたい)に浸潤を認める状態。  ・ IVa期   癌が膀胱あるいは腸の内腔(粘膜面)に浸潤している状態。  

 ・ Ⅳa期
   
癌が膀胱、あるいは腸の内腔(粘膜面)に浸潤している状態。

 ・ IVb期   
    癌が骨盤を越え遠隔臓器転移を認めるもの、あるいは腹腔内や鼠径部(そけいぶ:足のつけ根)のリンパ節に転移を認める状態。              
         ー医大病院より頂いた資料よりー   

★治療方法   
    子宮体部がんの治療方法としては、以下の4つの治療方法があります。   
   ・外科療法(いわゆる手術)   
   ・放射線療法   
   ・化学療法   
   ・ホルモン療法    
  病気の拡がりぐあいに応じて、これらを単独に、あるいは組み合わせて治療を行います。

  1)外科療法   
   外科手術は子宮体部がんの最も一般的な治療です。
   手術によりがんをとり除くと同時に、病気の拡がりを正確に診断し、放射線治療や化学療法などの追加の必要性を判断します。   
   病期によって下記のいずれかの術式を選択します。
   術式の違いは、切除する範囲の違いで、病期が進むと切除する範囲を広げなくてはなりません。しかし、切除範囲が広がると手術による障害があります。この2つの点を考えて適切な術式を選択します。  

  ・単純子宮全摘出術  
    内膜異型増殖症やⅠa期までのごく初期の癌の場合には、子宮、卵巣、卵管を摘出する単純子宮全摘出術が行われます。  
   開腹して行う方法(腹式)と、膣から摘出を行う方法(膣式)がありますが、通常は腹式となります。  

  ・拡大子宮全摘出術  
    I期、Ⅱ期の癌が適応になる手術で、子宮とともに周囲の組織や膣の一部などを切除します。
   骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節切除(*郭清かくせい)を行う場合があります。    

   *リンパ節郭清とは:リンパ節は小さな豆のかたちをしており、全身に存在します。リンパ節は感染に対して戦う細胞を増やし、貯蔵しますが、そのリンパ節の中にがん細胞が含まれる(リンパ節転移)ことがあります。そのため、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節を切除して除去します。

  ・広汎性子宮全摘出術  
    Ⅱ期の子宮体癌に適応される手術です。  
    子宮とともに卵管、卵巣、腟及び子宮周囲の組織を含めて広汎に切除します。癌がリンパ節に転移している危険性が高いので、骨盤内リンパ節郭清を行います。
   場合によっては、腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行います。   
   手術障害は、単純子宮全摘出術ではほとんどみられません。  広汎性子宮全摘出術では、排尿・排便障害(出すことが困難になる)があります。  卵巣切除は、女性ホルモンがなくなることによる卵巣欠落症状(更年期障害)をおこすことがあります。  骨盤内リンパ節郭清は下肢の浮腫(むくみ)をおこすことがあります。

  2)放射線療法  
   放射線治療は、高用量X線または高エネルギー線を用い、がん細胞を殺し腫瘍を縮小します。  
   放射線治療は身体の外の機械から行う(外照射)方法と、ラジオアイソトープを充てんしたプラスチックをがんの存在する部位の子宮腔内及び腟内に設置して行う(腔内照射)方法があります。 この治療は単独または手術療法と組み合わせて、術後に行われます。 放射線単独の治療は、放射線治療を希望される場合や、高年齢あるいは他の病気のために手術の行えない場合、病気の拡がりのため手術を行うことが困難な場合(III期/IV期の一部)などに用いられます。 手術後に放射線療法を行うのは、リンパ節転移を認めた場合、病変が子宮の壁に深く浸潤していた場合、腟壁に浸潤していた場合などがあります。

3)化学療法  
  化学療法はがん細胞を殺す薬剤(抗がん剤)を使用します。  経口的あるいは経静脈的に投与します。  化学療法は全身的治療とも呼ばれます。それは薬剤が血流に入って全身をめぐり、子宮外のがん細胞を殺すことができるからです。  
  化学療法を単独で行うのは、病気がすでに全身に拡がっている場合(IV期の一部)などがあります。  手術後に化学療法を行うのは、病気が子宮外に拡がっている場合など(III期/IV期)です。

4)ホルモン療法  
  ホルモン療法は、がん細胞を殺すために女性ホルモン剤を使用します。  黄体ホルモンの働きのある経口内服剤が普通用いられます。  手術をしない段階の診断で、0期もしくはI期で、子宮を摘出しないで残したいと希望する若年の女性の場合に選択されることがあります。その場合、がんの病巣を含む子宮内膜をすべて掻爬する治療と組み合わせて行います。  また、再発の危険性の高い症例に対する補助的な治療として、あるいは化学療法の効果が不十分な場合や全身状態が不良で化学療法を行うことができない場合に、化学療法にかわる全身的治療として行われることもあります。       


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