バーコード

あんなに　帰りたかった　我が家なのに　いつもの席に座ってみれば　それほどの
感激も　ありません。
嬰児を抱くように　左手を　かばいつつ　出来るだけ元の生活に戻るよう努力しています。

それにしても　我慢と忍耐の　入院生活でしたが　私にとって　沢山の経験も　得られた
三週間でした。

病院に　チェックインするとすぐ　右手首に付けられた　バーコード　です。
今時の　病院　完全にシステム化されています。


朝夕　体温や　血圧体調をチェックに来る　看護師さんは　パソコンを乗せた　ワゴンと共に　やってきます。

首には　聴診器とパソコンを開くカードを提げています。
私の　情報は　すべて　その場で入力されます。

そして　それは主治医　薬剤師　栄養士　レントゲン医師　係りのリハビリの先生
入浴の世話をする人　部屋食か食堂かの指示まで　入力されているのです。

一週間ごとの　レントゲンは受付に　右腕を出しこのバーコード　読み取ってもらいます。
こんな　ハイテクの医療現場ですから　昔のように　厳しい年輩の　看護師さんは
見当たりませんでした。
皆さん　若い元気な明るい女性達です。

そんな看護師さんに　どれだけ励まされたことでしょう。
感謝あるのみです。

退院の日　会計で清算し　私の係りだった看護師さんに　領収書を見せて　はずしていただいた　バーコード　これで　やっと退院の実感です。