昔から 台所で見かけた片口です。これは直径11㎝ 深さ7㎝の 小ぶりのものです。
今は 片口も 焼き物 ガラス 陶器と 色々あるようです。
骨董市で 手に入れたものです。
60を過ぎて 本を先生に 袋物を作っていますが 今風の布も素敵ですが 古い日本の布に魅せられ 古布も大好きになりました。
年に二回 県内で開催の骨董市に出かけて 古い布たちとの出会いを 楽しみにしています。
布以外には あまり興味はないのですが この片口には 袖を引っ張られ とうとう買ってしまいました、
値段は野口英世さん 一枚に少し足したくらいですから 大したことはありません。
しかし問題は 本物かどうかが 気になって仕方ありません。
朱の下塗が少し見え隠れして 年代物のふりをして いますが私は信用していません。
今の 日本の技術では プラスチックでかたどりして それなりの色付けをすれば 騙せます。
あっちを見たり底を見たり 手触りを見たり 水に浮かしてみたり 私と片口の 駆け引きは 終わりません。
底を傷つけて 木が出てくれば やったーと私が喜ぶでしょうが それは忍びないのです。
もし本物なら 呑み助が 大事に 美味しいお酒を飲んでいただろうと 私がニンマリするでしょう。
両手で包むように 持ってみると木地の手作りの凸凹が 感じられような気もします。
寅さんの映画で 受験のさくらさんの息子の みつお君が 何で勉強しなければいけないのか 寅さんに質問する シーンがありました。
皆さんなんと 答えますか? 難しい問題です。
その時寅さん すぐに即答です。
大事な人生の中で 物事 右か左か 決めなければならない時が来る その時勉強していない者は サイコロでも振るしか 出来ないが 勉強しておれば 自分で決められると 諭すものでした。
もっと 若いときに勉強しておれば 私もこの片口の 本性を見極められるのに と歯ぎしりをしています。