超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

<span itemprop="headline">ロジェー・ワーグナー、アメリカの無垢な部分</span>

2009-04-17 00:56:59 | 無題

ロジェー・(ロジャー)ワーグナー合唱団の二枚組のCDを中古店で入手した。東芝EMIの「アメリカの歌」と題されたCDである(TOCE 8325・26)。コンドラシンの二枚組のブラームス全集3千円と迷ったが、今回はロジェー・ワーグナー合唱団にした。ちょうどその日、アカペラ・グループのメンバーになっている友人と飲むことになっていたので、いい趣向かなと思ったのだ。CDを見せると、自分の持っているCDと黒人霊歌の曲目が違う、うらやましいぐらいだ、絶対いい買い物をした、自分が内容は保証すると実にうれしいことを言ってくれた。ディスク1は黒人霊歌集とアメリカ民謡集パート1。ディスク2はアメリカ民謡集パート2とフォスター名歌集である。ビールを飲みながら、買い物が成功か眺めていると、友人は絶対良いって、そんなに迷っていると怒りたくなると言って笑っていた。友人の参加しているアカペラ・グループは黒人霊歌やゴスペルを多く取り上げているので、黒人霊歌を知るためにロジェー・ワーグナー合唱団は良く聴いたと言う。
家に帰って眠る前にこっそりポータブルCDプレイヤーで聞いてみると、2曲を除いて全てアカペラで、何とも言いようのない感動を味わった。ディスク2の方から聞いたのだが、アメリカ民謡は知っている曲やどこかで聞いたような曲が多いのも親しみが持てる。フォスター名歌集は珠玉のアメリカの心の歌で、心が洗われる。谷川俊太郎の詩に「魂のいちばんおいしいところ」というのがあるが、まさにアメリカの魂の最良の部分を手渡されたような気がした。ディスク1も続いて聞いた。黒人霊歌のなかでも、「私の苦悩を誰もしらない」がいちばん心を打たれた。日々の暮らしで手痛い挫折も味わい、人生の末路のほろ苦さも目にしているなかで、「私の見た悲惨を誰も知らない、イエス・キリスト以外は」という歌詞にはぐっときた。苦悩への共感がこの種の歌を支えている。このCDはアメリカの最良の無垢な部分を堪能させてくれる。それは、バーズのロジャー・マッギンが4枚組のフォーク・デン・プロジェクトで光を当てた世界でもある。また、ドヴォルザークが、アメリカに国民音楽を創生するならここを基礎とすべきだと語っていたような世界でもある。最近映画「ヤング@ハート」で合唱に目覚めた私だが、なかなか心洗われる懐の深い世界のようだ。



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