この前友人とタイ料理店で喋る。
パパイヤのサラダ、豚のから揚げ、玉子焼き、パッタイ頼み4450円。
友人が喋ったのは以下の通り。
ゴスペルの歴史でAさんが駄洒落を連発だった、フェイスブックで皆、情報の信ぴょう性の怪しい記事を平気で引用して意見を言っているのは危うい、何が本当かは迂闊には言えない、スケッチ・オブ・スペインはギル・エヴァンスが凝ったアレンジをしたマイルスの意欲作だ、マイルスは本道から外れたといつも言われるが結局後の人の先陣を切る、ボブ・チルコットのジャズ・ミサ曲をラテン語で合唱唱法で歌う、
フォービートで合唱唱法で歌うのは難しいぞ、ラテン語にはイタリア語読みとドイツ語読みがあるなんていって混乱させないでくれ、ソウルフルでクリエイティヴな曲が好きとプロフィールに書いたと喋る。
今日同じ友人と梅ヶ丘の焼きとん太陽食堂で喋る。
友人は今回は京都で祇園祭の締めの催しを見て、なき父親、友人、叔父たちをとむらってきた、上海バンドという素晴らしい店で香草をうまく取り入れた料理を楽しんだ、アヴァンギャルドなCDを取り揃えた店に立ち寄った、京大の売店で売っていた細密画をお土産に進呈しよう、フルトヴェングラーの大全集のうち6割しか聞いていないのか、マイルスのコロンビア・コレクションが6万円なんて驚く話じゃない、ボブ・チルコットのジャズ・ミサ曲は練習しているけど難しいぞ、今度ライヴで会ったZさんと一緒に演奏する、
新しい土地に行くたび、本を読むたび感動しやすいとは言い過ぎだと喋る。
焼きとん、やきとり、ささみサラダ、生姜焼き、煮込み丼で5050円。
行き帰りはフィルハーモニアのロリン・マゼールのマーラー巨人を聞いて移動した。
最近マゼールづいている。マゼールはマーラー交響曲全集を4種類録音しているらしい。
ウィーンフィル、バイエルン放送響、ニューヨークフィル、フィルハーモニア管である。
そのうちウィーンフィルだけが完全に廉価でCD化されている。
バイエルン放送響はCD-Rで高額限定発売、ニューヨークフィルはネット配信のみ。
フィルハーモニアは全集の内1-6まで発売済み。
思った通り、グレイト・レコーディングス(ロリン・マゼールの芸術)は再版決定した。
眠っている音源が山ほどある。ウィーンフィルとフィルハーモニア盤を聞き比べている。
ラテン語でミサ曲歌う友人が語ってくれる旅先の機微
今日は午前中に最近届いたマゼール&フィルハーモニア管のマーラー5番を聞く。ウィーンフィルの美感とまでは行かないが、マゼール&フィルハーモニアのマーラーは非常にゆっくりとした演奏で微妙にテンポを変え、随所に溜めを作りマゼール節が存分に味わえる名演。
1時半に四谷三丁目に着き、手書きの地図でギャラリーえいじうを目指す。
だぁしぇんかを通り過ぎ、あんぱんショップを通り過ぎ、もつ焼きのんきを通り過ぎ、新坂を過ぎて、四谷ワークスとタジマビルの間を入るはずなのだが、四谷ワークスが見当たらず、通り過ぎてしまった。
引き返してタジマビルの横を曲がって50メートルほど歩くとギャラリーえいじうがあった。
Мちゃんの花のオブジェの素敵な作品を見る。
3時過ぎに後期課程の友人K君とその新婚の奥様Kさんがギャラリーを訪れる。
新宿ルミネ南口の花屋さんでМちゃんが買ったブーケを渡したら、Kさんも同じ店で買ったブーケを展示の祝いに渡してくれた。同じ店のブーケどうしとは奇遇である。
KさんはМちゃんの展示中の5月の花のオブジェを気に入ってくれて、購入してくれた。Мちゃんは別に特別仕様の花のオブジェを作ってプレゼントするという。
私はハイティンクのクリスマスマチネ・コンサートのボックスセットをプレゼントする。
サロネン・ミンツのシベリウスのヴァイオリン協奏曲は映像が出ていたが今入手困難だ、ディリアスは一見素通りしてしまうが、よく聞くと泣ける、ビーチャム盤とか良い、ボールトのEМIのエルガーは大抵良い、ヴォーン・ウィリアムズは打楽器が騒々しい曲もあり、全部が全部好きではない、マゼールのフィルハーモニアのマーラー・チクルスも気になるが高いのか、買いそこなったマルケヴィッチのレーザーディスクなど悔やまれる、など話す。
KさんはМちゃんのお花のオブジェがすごく気に入ってくれたようで、良い出遭いになった。新婚のお二人は基本的にベジタリアンで前荻窪で行ったナタラジも知っていた。夕立が止んだので話は尽きないが帰る。
6時ごろえいじうを出て曙橋まで歩いて帰る。細い小道を抜けて帰る。フレッシュネスバーガーが目印だと言うが、この辺りにアリスとテレスという喫茶があると言うと、本当に有った。アリスとテレスというのは寺山修司の短編に出てくる。
帰りの電車でまた激しい夕立になり、駅で雨宿りして、バスの車内で400円の傘を買って土砂降りの中を歩いて帰る。思い出深い一日となった。えいじうではバッハの後マイルスのスケッチ・オブ・スペインが掛かり、モーツァルトのアリアやトム・ウェイツが掛かり店主さんと音楽話に耽る。
マーラーで夢見て花のオブジェ似合う花嫁さんと遭った夏の日
昨日は渋谷公会堂で栗コーダーカルテットの20周年20円ライブを聞いた。
寒空はだかさんが前説で、栗コーダーカルテットが伴奏してかつて録音した東京タワーの歌を歌った。
4時半からステージが始まる。
物販は2時からで3時半開場。
整理番号順に5番号ずつ入場する。全席自由。私は3列目(事実上2列目)の35番に座れた。
開演前にステージを見て回るツアーがあり、大勢の人が並んで楽器を見学した。
栗コーダーカルテットはスターウォーズ帝国のマーチやピタゴラスィッチのテーマなどよく知られた
おなじみの曲も多くあり、最初から、5曲などまとめてメドレーで演奏して行った。
2列目なので栗原さん、川口さん、近藤さん、関島さんの顔がよく見え、楽しく演奏している姿を嬉しく拝見した。
8割がた曲は知っていたが、なかでも「写真のなかの君」、「ワンダフルデイのテーマ」、「生きているだけで楽しい」など印象的な幸福な曲が多い。
ゲストは「たま」の知久寿焼さん。
栗コーダーカルテットを結成したのは知久さんの伴奏でリコーダーや管楽器を演奏するために四人が集まったことがきっかけだったので、ゆかりの人ゲスト。
「おるがん」「ロシアのパン」「方向音痴」を知久さんが歌い、栗コーダーが演奏する。
知久さんの嬉しそうな顔が印象的だった。
休憩を挟んで第二部で有名曲のメドレー、最近のアルバムからのメドレーなど多く曲を演奏してくれた。途中自然に会場から手拍子も鳴り出し、いい雰囲気でコンサートは行われた。
「つみきのいえ」「キョロちゃん」「ジャム・ザ・ハウスネイル」「ピタゴラスィッチ」「クイール」
など栗コーダーカルテットが関わった番組や映像も多く、「こがねむし」「夢の人」など有名曲のカバーも多いので、老若男女が楽しめる全世代型脱力系いい感じの音楽になっている。8時20分に終わった。
「蛙のガリアルド」発売当時からライブをよく見ていたし、キョロちゃんのサントラ1も2も持っているので凄い人気カルテットになって嬉しい。
それにしても渋谷公会堂20円ライブという夢の企画、どういう仕組みで実現したのか謎である。
20年栗コーダーの大花火夏の夜空に夢を咲かせる
最近逝去したロリン・マゼールのフィルハーモニア管とのマーラー・チクルスでは123番と456番が出ていて、789は録音していないのか気になったので検索すると2011年に789番と10番のアダージョと大地の歌を録り終えているということが解かり嬉しかった。
今日はハイティンクのマーラー9番を聞いた後ロリン・マゼールを偲んでウィーンフィルとのマーラー全集よりマーラー9番を聞く。ウィーンフィルの美感を生かした名演奏。
マゼールは突然テンポを変えたり、変則的な休止をしたりするので奇人とか奇才とか呼ばれていた。
だが、それはそうなのだが、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの常連指揮者でもあり、結構お茶目な側面もあった。岩城宏之のあと、ベートーヴェン9曲を一日で振るコンサートをマゼールがやったと思う。
カラヤンの後ベルリンフィルを継ごうと思っていたのにアバドに決まってしまい、だいぶ落胆したという。その頃から才人マゼールが奇才とか異才の道をたどっていた。
ウィーンフィルとの仲は良好で、マーラー全曲がウィーンフィルの切ない美音で聞ける貴重な素晴らしい全集を残した。
クリーヴランド管とのベートーヴェン全集は、主旋律以外がよく聞こえるように強調して演奏する、複音楽的な全集だと吉田秀和氏が絶賛したという。私はそれを意識することがなかったが、妙に枯れたいい響きの全集だと思っていた。
ロリン・マゼールの逝去を知ってから、寝る前にバイエルン放送響とのブルックナー全集を取り出して
聞いている。大見得を切るようなちょっと大げさな演奏なのだが、今聞くと微笑ましいブルックナーである。
マゼールの逝去はたいへん残念である。フィルハーモニアのマーラーチクルスは全集としてまとめて発売されるのか、それとも分売だけなのかが気になる。
廃盤のロリン・マゼールの芸術(グレイト・レコーディングス)集成盤も、廃盤のベートーヴェン全集も再生産されることを願う。
マゼール・イン・ウィーンの予約も好調なようだし、ブラームス全集ももうじき再版される。
ロリン・マゼールの録音が発掘され、再評価の機運が高まることを期待したい。
変則の休止を掛ける才人が遺していった名演の星座
日曜の午前中、珈琲飲みながらアンドレーエやギュンター・ヴァントを聞いている。
ロジェストヴェンスキーとアンセルメを聞くために積んである。
ロジェストヴェンスキーのブルックナー全集より4番を聞く。
ロジェストヴェンスキーの金管が咆哮するブルックナーなかなか良い。
そのあとエルネスト・アンセルメの国内盤旧エディションでベートーヴェン聞く。
アンセルメは高音が特徴のある金属的な質感で珍しいベートーヴェンが聞ける。
結合の神秘という本を、この夏読もうと思っている。
既に手をつけているが、王と女王、太陽と月、上と下、
霊と肉など対立物を相補的に受け入れて、人格の
全体性を取り戻し、自我より深い、無意識も含めた自己を確立する個性化の過程を
乗り切ろうというのがユングの考えである。
意識の一面性を補うために、光は影を、霊は肉を必要とする。
錬金術は物質の変容の過程に個性化の過程を投影した。
だから、現在の相談者の能動的想像や夢の意味を探るとき、
集合的無意識に根差した錬金術の考えが貴重な資料となり、
断片的想像の意味を補う助けとなる。
その錬金術の思考の読み解きが結合の神秘である。賢者の石とかハリポタ的要素多い。
その読書の合間、ともだちは海のにおいという絵本を読んで和む。
今日は宇宙の広さをくじらがいるかに泳いで説明する。
ロジェヴェンやアンセルメを聞き、リモコンスリムファンで涼む。
くじらの頭に止まった蝶をいるかに見せに行く話も面白い。
ともだちは海のにおいを思い出し遠泳をするような七月