超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

歳時記俳句・夏陽炎

2022-07-29 09:15:33 | 自作俳句
置いてきた思いが光る草の露
虹消えて遠ざかりゆく夢の人
迷い絶ち青空見上げ炎天下
町の人通う街路に夏陽炎
待ち人に今年も送る夏見舞い
北の町道行く人も夏衣
フジオちゃん音頭でシェーの夏祭り
ふと思う幼馴染みとソーダ水
ひと仕事終えた褒美の夏花火
浴衣着た初恋のひと蛍かご
あの人はどの空の下汗落ちる
迷いからひと時救う夏の蝶
カーテンに天道虫も午後眠る
公園にヒグマの気配葉も茂る
細道の旅に寄り添う山法師
向日葵の畑眩しいウクライナ
公園の螺旋を昇り草いきれ

置いてきた思いが光る草の露もう何度目の夏の追憶
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上半期も、もうすぐ終わり

2022-07-28 08:29:49 | 無題
上半期の仕事も山を越えた。
後、少しでお盆休みに入る。
上半期、うまく行った仕事もそうでないのもある。
返事待ちしている仕事もある。
ヴィトゲンシュタインや西行に接したのは
よかった。
お盆休み、定山渓温泉に行くのは、コロナを考えると
得策ではない。
引き続き、ヴィトゲンシュタインや古典に触れて
ゆっくり鋭気を養おうと思う。

うまく行く仕事もあれば不本意な仕事も残り上半期終え
楽しみに心待ちした定山渓温泉今年もコロナでお預け
大すきな哲学書など味わって疲れを癒し下半期待つ
返事待ちしている仕事片付いて首尾よく行けば眺め開ける
夏物のジャケット少し白過ぎたベージュの色も見慣れつつあり

全身に出ない力を貯えて残る仕事をまず一歩ずつ
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西行・山家集をよむ

2022-07-26 12:53:17 | 無題
井上靖編著、「西行・山家集」読む。西行の人生を歌で辿っている。
①若い頃の歌
君が住む宿の坪をば菊ぞかざる ひじりの宮とやいふべかるらむ
惜しむとて惜しまれぬべきこの世かは 身を捨ててこそ身をも助けめ
ぬしいかに風わたるとていとふらむ よそにうれしき梅の匂ひを
②青年期・陸奥へ修行の旅
しらかはの関屋を月のもる影は 人の心をとむるなりけり
都出でて逢坂こえしをりまでは 心かすめし白川の関
たぐひなき思ひ出でばの桜かな うすくれなひの花のにほひは
③鳥羽法皇との別れと人思い・壮年期の頃
今宵こそおもひ知らるれあさからぬ 君に契りのある身なりけり
かかるよに影もかはらず澄む月を 見るわが身さへうらめしきかな
消えぬめるもとのしづくを思ふにも 誰かは末の露の身ならぬ
のちの世をとへと契りし言の葉や 忘らるまじきかたみなるべき
④崇徳院への鎮魂・讃岐詣で 熟年期の頃
松山の浪に流れて来し船の やがてむなしくなりにけぬかな
曇りなき山にて海の月見れば 島ぞ氷の絶え間なりける
よしや君昔の玉のゆかとても かからむ後は何にかはせむ
⑤陸奥への旅・晩年
年たけてまた越ゆべしと思ひきや いのちなりけり小夜の中山
竹馬を杖にも今日はたのむかな わらは遊びを思ひいでつつ
津の国の難波の春は夢なれや 芦の枯葉に風わたるなり

月寒の浜茄子の香も夢となり 別れの波も寄せる岸辺に
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藤原定家の暗号本

2022-07-23 08:38:50 | 無題
関裕二著「百人一首に隠された藤原定家の暗号」(廣済堂文庫)読む。
太田明著「百人一首の暗号」など類書は多いが、中古で2千5百円もするし、
数合わせの魔方陣が仕組まれているという説もこじつけらしいので、
類書のこちらを買った。
内容的には、承久の乱で配流された後鳥羽院への結界として、
百人一首が編まれたというもの。
それから藤原氏の守護神、天智天皇と持統天皇を頂点とした、
失われつつある王朝文化、摂関政治への鎮魂歌、レクイエム
としての意味を百人一首は持つという。
また、武士の台頭に対する雅による抵抗、
刀に対する歌の勝利を込めた選集だという。
時代は末法思想が現実味を帯びてきた世で、
後鳥羽院を切り捨てた定家は、天変地異や激動の世に
後鳥羽院の祟りを実感していた。
それに対する結界として、自分たちの文化の
花形を守護神として配した、百人一首が編まれた。
意図が優先で歌の優劣は二の次だったという。
どこまで妥当なのか定かではないが、魔方陣の数合わせより
有益に思えた。

春が過ぎ真夏の陽差し照るなかを白い衣で町を闊歩す
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人と思想・西行をよむ

2022-07-17 05:26:18 | 無題
西行は、なぜ出家したのか。
これには諸説ある。
①厭世説。
友の逝去を前にして、世の中が嫌になったという説。
越えぬれば又この世にも帰りこぬ死出の山こそ悲しかりけれ
世の中を夢と見る見るはかなくも猶おどろかぬ我心かな
②失恋説
身分の高い女性を想って、失恋したからという説。
つらくともあわずは何の習ひにか身の程しらず人を恨みむ
身の憂さの思ひしらるることわりに抑へられぬは涙なりけり
③政治原因説
鳥羽・崇徳院の間で板挟みになり嫌気が差したという説。
あしよしを思ひわくこそ苦しけれただあらるればあられける身を

そして、花詠みの歌人として有名な旅の僧となる。

おしなべて花の盛に成りにけり山の端ごとにかかるしら雲
花にそむ心のいかで残るらむすてはててきと思ふわが身に
花さへによをうき草になりにけり散るを惜しめば誘う山水
ほととぎす深き峯より出でにけり外山のすそに聲の落ちくる
ながむとて花にもいたくなれぬれば散る別れこそかなしかりけれ

ついに、願はくは花のもとにて春しなむその如月の望月の頃
という願いを果たし世を去るに至る。

けなげにも川沿いに咲く花を見てうきよというは惜しく思われ




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