昨日は夜、東京MXテレビで放送していた「ジョン・レノン、ニューヨーク」という映画を見る。
この映画は見甲斐があった。ニューヨーク、L.A.時代のジョンの実像が本人の言葉や関係者のインタビューで語られる。音楽もアウトテイクが多く新鮮だった。別居の直接の原因が赤裸々で驚いた。
それはともかく2012年はビートルズ結成50周年ということでNHKFMでも連日結成50周年特集を放送していた。面白かったのは松尾清憲さんと杉真理さんのゲストの回と鈴木慶一さんの回だった。
松尾清憲さんと杉真理さんのバンド、BOXのテンプテーション・ガールを掛けていたが、なかなかビートルズ・テイストでよかった。BOXのPOPS/JOURNEY TO YOUR HEARTは中古CD店で安ければ買おうと思ったが検索すると廃盤で超高額で売られているではないか。テンプテーション・ガールは英国のラジオで掛かって、ビートルズがやり残したことを彼らがやってくれたと大絶賛でヨーロッパで話題になったとか。
ムーンライダーズの鈴木慶一さんがラジオに出てメロトロンを弾いてプロコルハルムやザ・バンドやキングクリムゾンの話をしていて、慶一さんはビートルズよりそっちが好きそうだった。ビートルズぽいムーンライダーズの曲として「涙は悲しさだけでできてるんじゃない」を掛けていてそれは納得。曲調と弦楽の感じがビートルズ&ジョージ・マーティンぽいのだ。
それにしてもビートルズ結成50周年、ブルーノ・ワルター没後50周年と感慨深い。
念願のブルーノ・ワルター箱が年内に聞けて満足である。昨日もワルター指揮のシューベルトのグレイトを聞いた。滋味豊かな逸品揃いである。旧コレクションのデザインを踏襲していて、LP当時のオリジナルジャケットではなく、ワルターのそれぞれ違う写真が使われている。
2012年は締めとして友人と豪徳寺のインド料理パティヤラパレスに行き豆のカレーとシシカバブとナンを食べて話した。グレン・グールドのバッハ・エディションが一瞬だけ安くなっていて買うかどうか迷っていると話したがその後また値上げしてしまった。グールドも結構持ってるので断念。未練あり。
2012年よかったのはブルーノ・ワルター箱、ギュンター・ヴァント・ライヴ箱、オットー・クレンペラーのブルックナー選集である。
昨日は吉田秀和氏の「名曲のたのしみ」最終回スペシャルでモーツァルトの若き日のディヴェルティメントと晩年のピアノ協奏曲、グールドの弾くバッハのトッカータとフーガをラジオで聞く。
年末年始はブルーノ・ワルター三昧で108つの煩悩を吹き飛ばそうと思う。
煩悩の数より多い夢の数いくつ叶えていくつ置き去るか
年賀状を印刷しようと思ったらプリンターが壊れてしまっていた。
仕方ないので家電量販店でキャノンピクサスを注文。
明日中には来るという。とんだサンタさんである。
クリスマスと言えば今日は友人が歌うゴスペルコンサートがあった。
私は仕事で行けなかったがリトルドラマーボーイを歌うという。
私は今BWEのブルーノ・ワルター指揮のブラームスのドイツレクイエムを聞いている。
タワレコが発売を早めた結果クリスマス前にワルター箱が聞けた。
インナースリーブはLP当時のオリジナルジャケットコレクションじゃないのが惜しい。
けれど一枚一枚ワルターの顔が違うのが嬉しい。
インナースリーブの中にビニールの内袋が入っているのも親切。
表記もインターナショナルで問題ない。
年末年始はワルター三昧で行くつもりだ。
クリスマスソングで好きなのはザ・ファースト・ノエル。
バーズのロジャー・マッギンがフォークデン・プロジェクトで歌ったのがいい。
それとXTCのサンクス・フォー・クリスマス。
選挙の時はシェルタリング・スカイのサントラを聞いて速報を見ていた。
ドラマチックに盛り上がってとてもよい。
戦メリを聞かずに敢えてシェルタリング・スカイなのだが
結局ラジオでピアノ版戦メリのテーマを聞いてしまった。
デヴィッド・シルヴィアンのフォービドゥン・カラーズもラジオで聞いた。
ヴァン・デル・ポストの影の獄にてである。
映画版影の獄にての単行本を持っている。
ブルーノ・ワルター箱は冬の福音である。
マーラー、ブルックナー、ベートーヴェン…。
鐘の音が聞こえてきそうな夜である。
御大の指揮者姿を何枚も取り替えて聞く冬の福音
今日はキャラメルフレーバーコーヒーを買って帰り、
ギュンター・ヴァント・ライヴのベルリンフィルのブルックナーの四番を聞いて
ジョルジュ・バタイユを読んでいたら電話が鳴った。
私の隣町のタイ料理店で友人と会って歓談することになった。
私が先に着いて春雨スープと春雨サラダ頼む。
ライチサワー飲む。
友人が遅れてきて肉のサラダと豚のカレー煮を頼む。
ブルーノ・ワルター・エディションを買うのか、
今年はリトルドラマーボーイをクリスマスイブに歌う、
去年はポールのワンダフル・クリスマスタイムを歌った、
コンドルは飛んで行くのジャズライブのアレンジは先日ようやく光明が見えてきた、
ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマスは良い、
なかなかサビに行かないところがよい、
戦場のメリークリスマスでは捕虜が歌っていた詩篇が良い、
それとデヴィッド・ボウイの弟が歌っていたライド・ライド・ライドが良い、
戦場のメリークリスマスは弟への贖罪で捕虜を救う話だよな、
義経記で鬼一法眼が軽くあしらわれているとは知らなかった、
俺がイランに着いて初めて口にしたのはザクロなんだ、
イランはまた行きたいけど休みが取れない、ゾロアスター寺院どうなっているか、
などと友人が話す。
二人で5750円。今日はいつもより高かった。
ブルーノ・ワルター・エディション是非ともほしい。
ギュンター・ヴァント・ライヴの出来から考えて満足度は保証付きである。
二杯目のザクロサワーが飲み切れなくて友人を煩わせた。楽しいひとときである。
もう一度すべてが眩しかった日の聖夜の曲を聞こう無心で
チェコフィル、ズデニェク・マーツァル指揮のマーラー交響曲のCDを集めた。
八番、十番と大地の歌が発売されていないが主なものは出揃った。
マーツァル、チェコフィルの音は郷愁を誘うひなびた古雅な響きで、ノイマンの伝統を引き継いでいる。
山あり谷ありの巨人もチェコフィルなら安心して聞ける。ちゃんとメリハリのある作りだが中庸の美。
復活も比較的大人しいが最後の歓喜に自然に持って行かれる。
三番の第一楽章も勢いがあり、その後中庸の美で盛り上げながら最終楽章の耽美的な時間が来る。
四番も中庸の美で自然な作り。五番は巨人と並んで完成度が高い名演。
六番の行軍のようなメロディも威圧的ではない。二枚組で80分ちょっとだが長さを感じさせない。
寂寥感を感じさせるためにマーラーが入れたと思われるベルの音がカラカラとおもちゃのように聞こえるのはご愛嬌。
九番も時間を掛けて彼岸への階梯を天上的にゆっくりと昇ってゆくのを堪能できる。
マーツァルのマーラーは正確にはボヘミア風ではなくモラヴィア風と言うべき線の太い歌心らしいが、広い意味ではヴァーツラフ・ノイマンの響きを受け継いだまさにチェコフィルの音である。
牧歌的なある意味で前時代的な郷愁感のあるチェコフィルサウンドがこれでもかと言うほどの高音質で届けられる。エクストンのSACDハイブリッドはお値段が張るが中古で手に入れる手もある。
ノイマンのSACDハイブリッドが完成しなかっただけに、現役のマーツァルには是非とも八番、十番アダージョだけでなく補筆完成版と大地の歌も吹き込んでチェコフィルファンを感涙させてほしい。
エクストンは廉価盤を売らない方針らしいが、いつの日かライセンスをどこかが取得して薄型ボックスセットで出してくれるといいのだが。この際SACDでなくても構わないので廉価盤攻撃希望。
モラヴィア風、広い意味でのボヘミア風の美質を十全に兼ね備えたズデニェク・マーツァルのマーラーシリーズはヴァーツラフ・ノイマンと並んでチェコフィルマニアの心の糧である。末永く聞きこんでハイクオリティだったり5.1DSDだったりする超高音質のサウンドを心行くまで謳歌して呆けていたい。
マーツァルとノイマンには頭が下がる思いである。
郷愁を誘う不屈の歌心遠い国から熱く見守る