「長唄を読む」江戸後期・現代編来たので、とりあえず「蓬莱」という長唄の個所をめくる。
「蓬莱」江戸時代後期作
一、蓬莱山の天女は罪作りな美しさだなぁ。日の差す木の間の綾錦。
ゆるく結んだ帯がはらりと落ちるのは、仙境のそよ風のいたずらだろうか。
煙のように想い人への慕情は消えないが、束の間の枕を共にする。
浮名を立たせる者たちは、そこに安らぎを求めて集まる。
二、萩の露とは辛いもの。深く契りを交わしても、朝になれば
一人で取り残される。
招くすすきはいたずら者で、味な気になる、おみなえし。
一途な桔梗はかわいいな。
立派な造りの楼閣を下から眺めると、
欄干に行きかうその足は蓬莱山の鶴の舞いを思わせる。
かなり時代背景を考慮しないとすくい取れない歌詞ではあるけど、
天女の幻惑性と遊郭のはかない夢が歌われている。
「人の眺めの迷い草」という表現がよかった。
羽衣は人の眺めの迷い草 雲の晴れ間に浮かぶ蜻蛉
「蓬莱」江戸時代後期作
一、蓬莱山の天女は罪作りな美しさだなぁ。日の差す木の間の綾錦。
ゆるく結んだ帯がはらりと落ちるのは、仙境のそよ風のいたずらだろうか。
煙のように想い人への慕情は消えないが、束の間の枕を共にする。
浮名を立たせる者たちは、そこに安らぎを求めて集まる。
二、萩の露とは辛いもの。深く契りを交わしても、朝になれば
一人で取り残される。
招くすすきはいたずら者で、味な気になる、おみなえし。
一途な桔梗はかわいいな。
立派な造りの楼閣を下から眺めると、
欄干に行きかうその足は蓬莱山の鶴の舞いを思わせる。
かなり時代背景を考慮しないとすくい取れない歌詞ではあるけど、
天女の幻惑性と遊郭のはかない夢が歌われている。
「人の眺めの迷い草」という表現がよかった。
羽衣は人の眺めの迷い草 雲の晴れ間に浮かぶ蜻蛉