動物園に電話すると最近は象さんは朝9時半から午後3時45分まで小屋の外に出ているという。働き者だ。
十一時半に吉祥寺に向けて出発する。
吉祥寺中古CD店でテンシュテットのベートーヴェン全集はないと言われるが、やっぱりもう一個ありましたと手渡される。他には買わず、コンビニでワッフル買い、井の頭自然文化園で象のはな子さんを見る。体をゆらゆらさせて、ぶらぶら歩き、餌係のいる方を鼻で叩き、水や西瓜を貰って楽しそうに口に鼻で運んで飲んだり食べたりしていた。大きい生き物を見ると感激する。
駅ビルのアトレでハミルトンカーキの時計の類似品を物欲しげに見る。
帰って友人にテンシュテットのベートーヴェン全集をメール便で送る。160円。メール便は安い。
別の友人からメールでドイツ人僧侶メルケ無方の本が面白い、南直哉の恐山も面白いと教えて貰った。
ブリュッヘンのベートーヴェン全集聞く。
別の友人から電話で6時半タイ料理店で会うことになる。
ナムトック肉のサラダ、パネーン豚肉のカレー煮、パッタイピリ辛焼きそば、カオパットトムヤムピリ辛炒飯食べて歓談。お豪の話、清盛の話、ちりとてちんのジョン川平の独白の話、カーネーションの話、盆踊りは死者との踊りだ、笠を被るのはそばにいる人を死者と見立てる仕掛けだと永六輔が筑紫哲也に話していた、TBSラジオは凄い、二上山に登ってみたい、プレゼントした貯金箱を使ってもらえて嬉しかった話などを交互に話す。
帰宅してザンデルリンクのベートーヴェン全集聞く。
クラシック好きの友人にテンシュテットのベートーヴェン全集を送った旨電話で話す。
友人はヨーロッパ室内管のシベリウス全集は薄味でいい、ワーグナーはフルトヴェングラーとクナッパーツブッシュが双璧だが現代ではバレンボイムが最高のワーグナー指揮者だ、ザンデルリンクのマラ10は良い、クレンペラー追悼コンサートのクーベリックの第九は凄絶でよい、など話す。
夜、宇野功芳氏の「フルトヴェングラーの全名演名盤」という本を注文する。
紫陽花も咲き誕生日も近づいている。
紫陽花が通りに咲いて生まれ月多幸感にも影が差す梅雨
今まで見過ごしていた大指揮者ミトロプーロスのマーラー選集入手。ミュージック&アーツ社。
このマーラー選集が極めておもしろい。全曲熱血ライヴ盤。
収録曲は1番3番5番6番8番9番10番のアダージョ。
交響曲第一番で熱血ミトロプーロスは徐々に本領を発揮して美しく旋律を歌わせる。
ハッとさせる個所がいくつもある。
第一番の第四楽章では轟音が響く。
打楽器と低音部が炸裂する。ライヴらしい臨場感がある。
最後はテンポを落として見えを切る。
マーラーの三番がCD一枚に収録されているのも前代未聞。
楽譜をカットしまくりの快速演奏。
それでも何とか曲になっているのだから豪腕。最終楽章はフツーに美しい。
これからは、マラ3はミトプー校訂で行こう。
五番は勢い余った力演。金管は高らかに鳴り、低音は響く。
六番はケルン放送響。
ずんずん進むが歌うところはテンポを落としても歌う。最後に向けて凄み増す。
八番千人のテンションは圧巻。
緊張が終始全く途切れない。途絶えない熱狂の渦である。
九番は難しい書法を美しく歌い上げる。
耽美派ミトプーは昇天するように静かに終わる。
全曲臨場感のある実況録音で曲が終わると拍手の嵐。
このような聞きどころ満載のマーラー選集を見過ごしていたとはもったいない。
個人的には力技でマラ3を一枚に収めた三番がお勧めである。
全体としてこのミトロプーロスのマーラー選集は気合の入ったミトプー節炸裂である。
未聴の人はミトプーワールドに飛び込もう。
手つかずの未聴の森に分け入ると熱血爺の気迫飛び散る
昨日の夜はバーンスタインの旧録のマーラー全集を聞いた。廉価ボックスとして話題のものである。
今日は近隣の町までバスで行き、雑貨を見たりかぼちゃのタルトを買ったりした。
今日はイタリア四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏集を聞いて過ごした。何とも柔らかでよく歌う演奏である。
最近よく聞くのはギュンター・ヴァントのケルン放送響とのブルックナー全集、フルトヴェングラーのブラームス全集、クナッパーツブッシュのミュージック&アーツ社のブルックナー選集である。
バンスタのマーラー全集は声高に言われていないがオリジナル・ジャケットのデザインでインナースリーブが刷られていて、デザイン的にも満足が行く。交響曲第二番復活と第三番以外は基本的に一曲一枚で、
コンパクトなのも良い。
ギュンター・ヴァントのブルックナーは深淵をのぞいたような、巨大なものに触れたような畏怖の感覚を生じさせる深遠なもので、ヴァントには全く敬服する。
北ドイツ放送響とのブルックナーやシューベルトのDVDは最近格安で再販したが、私が買った時でさえいい買い物をした感慨があった。
休みの日にはブルックナーのDVDを大音量で流しっ放しにして作業をする。開放感があって実に良い。
ギュンター・ヴァントのブルックナーはケルン放送響との全集、北ドイツ放送響とのライヴ、ベルリンフィルとの実況録音があってどれも捨てがたい。
ひとつだけ代表盤を挙げれば北ドイツ放送響との未完成とブルックナーの九番の来日ライヴが深遠で奥行きがあって素晴らしい。
フルトヴェングラー・ザ・レガシーはどこを取って聞いても素晴らしく、ベスト演奏が結構選りすぐりで選ばれている。ブラームス、ベートーヴェン、ブルックナー、モーツァルト、シューマンなど、どれを取っても一回限りの演奏のアウラが聞き取れる。
憂鬱なことが多い毎日のなかでイタリア四重奏団の演奏を聞いて束の間癒されている。
散歩して気ままに盤を散聴しまた荒波を漕ぎ出して行く
クナッパーツブッシュのブルックナー選集を入手した。
ミュージック&アーツ社6枚組。交響曲3番、4番、5番、7番、8番、9番。
録音は1940年代、1950年代で音質は貧弱。
いっそ売ってしまおうかとも考えた。
だが演奏は、これが底抜けいいのである。
2011年のリマスタリングで雑音はほとんどない。
弦楽器はすすり泣き、管楽器は咆哮し、何とも捨てがたい。
ブルックナーと言えば私はギュンター・ヴァント派である。
ギュンター・ヴァントはDVDやCDで堪能してきた。
クナッパーツブッシュのブルックナーと言えばスタジオ盤の八番しか知らなかった。
だがライヴ録音は貧しい音響の向こうから
ブルックナーを聞いた時のあの感じ、
深淵をのぞいてしまったような、
巨大なものに触れたような畏怖のような感覚が
確かに伝わってくるのである。
クナッパーツブッシュと言えば絶滅した恐竜のような
大見えを切った大時代的な演奏と言われている。
ライヴ盤は演奏もときどきヨレてしまい、
よろしくない音が聞こえてきたりするのだが、
クナッパーツブッシュのブルックナーの轟音が辺りに響き渡る。
これは凄い。
やはり売らないで繰り返しブルックナー降臨体験に浸りたい。
八番が一枚に収まっているのも魅力的。この八番が素晴らしい。
氷河期の眠りを終えた恐竜の背筋も凍る咆哮の冴え