最近は洋書を訳し、ティルソン・トーマスのマーラー全集を聞く。一枚目に不具合があるという話だが、私のステレオでは問題なく聞ける。SACDハイブリッドなので、通常のプレーヤーで問題なくても、SACDプレーヤーで聞くと音が二重に聞こえたりするのかも知れない。今はジョージ・セルのオリジナル・ジャケット・コレクションのベートーヴェンの第九を聞いている。軽快なテンポで音は堅実だ。
昨日は七時に友人と待ち合わせ、豪徳寺のインド・ネパール料理店パティヤラパレスに行く。
ほうれん草とチキンのカレー、ひよこ豆と玉ねぎのカレーとナンとシシカバブとビールを頼む。10%引きで二人で4621円。
友人はユニットでシベリウスのフィンランディアを日本語で歌った、日本語には世界の人の平和を望むという意味の歌詞があるが、元歌の歌詞にはそういう一節がないとステージで解説した、芭蕉布はのど自慢大会の沖縄出身のハワイ三世の歌手のために書かれた曲で、民謡でも洋楽でもない独自の趣向で書かれている、最初は一番が日本語、二番が英語で、三番が混合の予定だったが、詞が中々出来ず、中学校の先生の持ち込んだ歌詞で落ち着いた、など歌う曲の背景を調べてステージで披露したと言う。
また、幼少の頃住んでいたイランでは、赤カブとクレソンみたいな野草と生チーズをナンで包んだ弁当を地元の職人さんたちは食べていた、などの話を聞く。
私は家でゴーヤチャンプルーなどを食べるとき、竹富島の種子取祭で奉納する民謡の入った二枚組の「てぃゆむたきどぅん」というCDを聞く、沖縄の歌手で好きなのは「島時間」というCDを録音した大島保克氏だ、などと話す。
会計を済ませ、駅併設のサンマルクでコーヒーS200円を飲んで話す。
このサンマルクではバート・バカラックの曲をピアノでアレンジした良い感じの曲が掛かる、ジャズユニットのライブでアレンジを工夫して使いたい、と言っていた。私は鈴木さえ子のケロロ軍曹のサントラをユーチューブでCD一枚分丸ごと試聴した、海外のアニメ・ファンがアップロードしていて、鈴木さえ子の名前はそこでは出て来ない、海外のファンがこの曲を聞くとこういう場面を思い出すと英語で熱く語り合っていると話す。友人は地デジ化でついにテレビが見られなくなったそうだ。地デジカの宣伝も効果なしか。
雑談も熱気を帯びた熱帯夜ボリューム上げて憂さを忘れる
今日は絵に木の額を張り付けた。じゃがいもとインゲンを近所におすそ分けした。洋書の古典叢書を二冊書店に注文した。銀座の本屋さんなら待たなくても買えるのだが値段が割高なのだ。
今日は中古CD店でジュリアード四重奏団のベートーヴェン四重奏集を買う。ジュリアードは高等技術を駆使した高音の目立つ先鋭的な演奏で他の追従を許さない。ただ、私はズスケ四重奏団の落ち着いたベートーヴェンが最高だと思っているのでジュリアードを買ったのは洒落である。
その他バレンボイムのベートーヴェンピアノソナタ全集にも惹かれたが今回はジュリアード四重奏団のベートーヴェン四重奏集にした。
マクドナルドで炭酸飲料水の割引をしているので、カロリーゼロコーラを飲んで友人を待つ。
友人は棟方志功展で目頭が熱くなるほど感動したという。
友人とイスタンブールという料理店に入った。ツードリンク付きで前菜二種とメインディッシュ一品のセットを頼んだ。エビスビールとチャイを頼んだ。
ハモスという豆のペーストとピタパンをセットの他に注文した。これがうまい。前菜は豆のスープと濃厚な山羊のチーズ、友人は豆のスープとひき肉の一品。メインディッシュはドネルケバブとシシカバブ。これで二人で4820円。お値打ちである。
量は控えめだがこの値段なら納得できる。友人はジャズ業界とロック業界の違い、棟方志功のどこが凄いかなどを話す。
ちょっと足りないので新宿駅ビルのベルクでマイスターハム&ゲーゼサンドを頼んだが売り切れで、ベルクドッグとブレンド514円を頼む。友人は黒ビールとソーセージを食していた。
友人は自分は行った店の名前をほとんど覚えない、人にも関心のないことはとことん覚えないと言われたと話していた。
それでもゴスペルやジャズやロックの難しい歌詞を見ないで歌っているので、記憶の節電をしているのだろう。今日行ったイスタンブールが定番になるか判らないが面白い店を一つ見つけて収穫である。帰ってロンサムストリングス&中村まりさんの渋いアルバムを聞いた。素晴らしい。
ジュリアードも先鋭的ながら切なさも感じられてなかなかいい。
最近気に入っているのはジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団のオリジナル・ジャケット・コレクションのベートーヴェン交響曲全集である。以前はピンと来なかった演奏だが、今聞いてみると、完成された純度の高い音楽が胸に迫ってくる。
録音がぎりぎりステレオ録音時代なのも幸いしている。ぎりぎりステレオ時代で得をしているのはセルの他にワルターやクリュイタンスである。
逆にぎりぎりモノラル録音で損をしているのはシューリヒト&パリ管のベートーヴェン交響曲全集である。
セルのオリジナル・ジャケット・コレクションにはかすかにアナログLPに由来する静止音が入っていて好ましい響きである。
リマスタリングも良好で年代物の録音とは思えない、ヴィヴィッドな音がする。
オリジナル・ジャケット・コレクションなのでジャケットの一つ一つが面白い。
オリジナル・ジャケット・コレクションでは他にワルターのマーラー&ブルックナー選集やグレン・グールドのバッハ作品集も素晴らしい。
オリジナル・ジャケット・コレクションと言えば以前グールドのオリジナル・ジャケット・コレクション全集80枚組が売りだされていた。とても手の届かない高嶺の花だが憧れる。
ジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団のベートーヴェン交響曲全集では他に、フライシャーのピアノ協奏曲全集とセットになったものもある。
フライシャーのピアノ協奏曲全集も機会があれば聞いてみたい。
セルの指揮はキリリと引き締まったテンポの、推進力のある演奏で、自然な流れでベートーヴェンの醍醐味を味わえる優れものだ。ベートーヴェンとはこうであってほしいという演奏をする。
LPを再現しているので原則一枚に一曲というのも余裕のある作りである。
一端手離したセルのオリジナル・ジャケット・コレクションではあるが、巡り巡って今再び私の手元にあって繰り返し聞けることに喜びを感じている。
オーディオ・テクニカのヘッドホンで低音を味わったり、スピーカーを通して生音を味わっている。
鮮やかなステレオ盤に支えられやり過ごせれば今日一日を
近所の百貨店の雑貨店で卓上扇風機を買った。今使っているが静かで快適。
注文していたティルソン・トーマスのマーラー全集が先日到着した。まだ全部は聞いていないがなかなかの美音。噂には聞いていたが、ティルソン・トーマスはここぞというところでテンポを落とし、溜めを作る。それも個性なので悪くないなと思う。インナースリーブがそれぞれ違うマーラーの肖像写真。丁寧にも各CDにそれぞれの肖像写真が印刷してある。凝った作り。それから上質な紙の分厚い解説書。やはりジンマンのマーラー全集の方が消費者に優しい。
どちらか勧めるとしたらデヴィッド・ジンマンに軍配が上がる。演奏の優劣は個人の好みである。ティルソン・トーマスの美音で抑揚のあるマーラー全集もいいが、感情の揺れを抑えた癒し系のジンマンのマーラー全集だって悪くない。
3千円の庶民的なアブラヴァネルのマーラー全集だって、聞けないことはない。
先日、中古CD店の200円均一セールでフルトヴェングラーのバイロイトの第九足音入りと、オルフェオのもう一つのバイロイト計400円を買って来た。どちらも正規の値段では2千円以上する。こちらは徹底的なデフレ戦略である。どちらの世界が当たり前なのか、正直判らなくなる。
CDコレクションの世界には近づかない方が無難と言えば無難である。それで一喜一憂するのはジャスト・ア・フールである。
2種類のバイロイトの第九400円を買って、新宿のルミネのベルクという喫茶店兼立ち飲みバーに入る。ベルクでマイスターハム&ゲーゼサンド504円と泡立ちブレンド210円を注文して食す。
マイスターハム&ゲーゼサンドは、ドイツの黒いパンに本格派のハムとチーズを乗せた一品でたいへんうまい。ベルクはいつも繁盛している。気軽に入れる新宿らしいお店で、時々壁で写真や絵の展示もさりげなくしている。
ティルソン・トーマスのマーラーの復活も佳境に入り、合唱隊が力を入れ、管弦楽が高らかに鳴り響く。
やはりこれはこれでいいものだ、と思い直す。卓上扇風機が私の暑い夏を救ってくれることを期待している。
卓上で静かに回る扇風機見守っている長い真夏日