超人日記・作文

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

<span itemprop="headline">気になる名演CDの数々</span>

2011-09-25 23:42:03 | 無題

シャイーとゲヴァントハウスのベートーヴェン交響曲全集の一部をサウンドクラウドというサイトで試聴したがテンションの高い快速演奏。ますます聞きたくなった。
パーヴォ・ヤルヴィも快速演奏ではないかと言うが、シャイーはゲヴァントハウス!テンションの高いゲヴァントハウス、聞きたい。
クレンペラーの激安!マーラー交響曲集6枚組はEMIのスタジオ録音で2番4番7番9番と大地の歌と歌曲集が聞ける。これ、最高。7番一枚で2千円以上してたのに6枚組で2千円を切る。破格の激安。限定生産なのですぐ入手困難必至。
クラウディオ・アバドのベートーヴェン交響曲全集DVDはまたもや3千円ちょいで限定入荷。これもすぐ売り切れ必至。
yamagishi kenichi氏のサイトで絶賛されていたシリーズ。いわゆるローマ版。
デッカで出たアンドラーシュ・シフのシューベルトピアノソナタ全集はしばらく入手困難だっただけに、再発売自体、快挙。某尼では高額で取引されていたものが廉価で出た。ピアノソナタに楽興の時、即興曲集までついている。演奏は滑らかで温厚。
最近ワルターのほぼステレオのモーツァルト集を入手。これも1枚の値段で6枚買える。演奏は滋味豊かで温厚。ワルターは人智学協会に入っていたというが、フリーメイソンのための葬送の音楽k.477などは深淵を感じさせる。レクイエムも深淵。モーツァルトは軽いとお嘆きの方への処方箋。
オーマンディ&フィラデルフィアのベートーヴェン交響曲全集がじきに出るがこれもチャートを賑わせた。
私としてはテンションの高いシャイー&ゲヴァントハウスのベートーヴェン交響曲全集に一票を投じたい。ゲヴァントハウスはマズアの手を離れたが、コンヴィチュニー時代の大理石のような重厚感のある、新時代のハイテンションのシャイー・サウンドを聞かせてほしい。
シャイーはブルックナー全集といい、マーラー全集といい、名盤を世に出してきた。
ゲヴァントハウスとの共演で、シャイーも思わず熱い血が騒いだのだろう。
快速ゲヴァントハウスのベートーヴェン交響曲全集、聞き逃せない。



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<span itemprop="headline">シュヴァンクマイエル展の奇妙な感覚</span>

2011-09-17 18:54:20 | 無題

原宿ラフォーレ6階で開催されている、ヤン&エヴァ・シュヴァンクマイエル展に行く。
ヤン・シュヴァンクマイエルはチェコアニメの巨匠。エヴァは夫人でともにシュルレアリストである。
まず最初に目に飛び込んで来たのは拾った物を合わせたオブジェ。巨大なえんどう豆のさや、木の枝、木の葉、石などで作られている。
それから粘土と写真や絵を組み合わせたオブジェ。粘土が突き出して三次元作品となっている。それから動物の化石のような古びた感覚のある創作オブジェ。ビーチコーミングには興味があるのでこの手の作品も参考になる。
次に切り絵を組み合わせた絵画や写真と絵のコラージュがシュヴァンクマイエルの本領を発揮しているように感じた。特に特撮アニメ映画で使うためのコラージュや国書刊行会の不思議の国のアリス、および鏡の国のアリスの挿絵に使われた写真と絵のアリスの世界のコラージュが素晴らしい。
それから同じく国書刊行会の小泉八雲の「怪談」の挿絵に使われた日本の版画とヨーロッパ絵画の不気味なコラージュが傑作だ。日本の妖怪を手本にした絵や版画がシュルレアリスム的グロテスクを醸し出していて見逃せない。
チェコのシュルレアリスムの感性がアリスや妖怪の世界にはまったときのコラージュの絶妙な表現には何度も唸らされた。チェコの大衆人形劇や大衆民俗絵画の伝統を背景に持っているところも奥深い。
チェコアニメ特撮映画の傑作「ファウスト」に使われた人間より大きい人形の展示にも仰天した。この世界が実際動くのだから特撮人形アニメにはぞくぞくさせられる。「ファウスト」は中世的魔術とシュルレアリスムの危うい共存で懐が深い。
新作「サヴァイヴィング・ライフ」は笑えない精神分析コメディだとシュヴァンクマイエルは語るが、中年男性の幻想的日常を特撮や写真と絵のコラージュで描く意欲作だ。フロイトやユングの写真が人形アニメで使われているのも独創的である。ア・デイ・イン・ザ・ライフのシュルレアリスム版と言える。物販売り場で国書刊行会の不思議&鏡の国のアリスと小泉八雲の「怪談」のシュヴァンクマイエルのコラージュが挿絵の絵本が欲しくて仕方がなかったが高くて買えなかった。
シュヴァンクマイエルのシュルレアリスム感覚満載の展覧会で大いに創作意欲を刺激された有意義な時間だった。

手作りで切り絵にされた日常が魔物とともにうねり始める



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<span itemprop="headline">ワルターのモーツァルトその他の滋味</span>

2011-09-13 02:08:13 | 無題

最近ソニーから発売されたブルーノ・ワルターのステレオ盤のモーツァルト後期交響曲集を聞く。宇野功芳氏みたいに言えば、滋味豊かな演奏である。私はモーツァルトの交響曲を余り持っていない。有るのはベームとマッケラスとラインスドルフだ。ベームは実直で構成感が明確で堂々とした演奏。マッケラスは軽やかで明るい室内楽的な新鮮味のある演奏。ラインスドルフは粗削りで思い切りが良いところが取り柄。ラインスドルフはボストン交響楽団とのベートーヴェン交響曲全集を持っているが、これも粗削りで思い切りがよい演奏。トスカニーニの影響かと思われる。
ブルーノ・ワルターのモーツァルト集では仏ソニーのモノラル盤も聞き所満載である。ワルターはベートーヴェンもモノラルの方が良いという人もいるぐらいで、モノラル盤も侮れない。ワルターのベートーヴェン交響曲全集はモノラル盤はアンドロメダが手に入りやすく聞きやすい。けれどもユナイテッド・アーカイヴス社のモノラル盤はたっぷりとリマスターを掛けていて、雑音が少なくイヤホンでも聞ける音質だが、音が少々痩せている。ミュージック&アーツ社のモノラル盤は、音質はアンドロメダと大差ないが、第九が差し替え前の音源を使っていてアンサンブルが乱れているのが聞き物。
ワルターのベートーヴェン交響曲全集のステレオ盤は前に仏ソニーで出ていて、温厚な分厚いこれまた滋味豊かな演奏が聞ける。鈴木淳史氏は初めて買ったレコードがワルターのステレオ盤の田園だったと回想しているが、今思えばひじょうに暑苦しい熱帯の田園みたいだったなどと悪口を言っているが、ワルターのステレオ盤の田園は名演として名高い。他に田園を得意とした指揮者はクーベリック、マゼール、アバドなどで、全集でも六番を特別扱いしている。
私が今楽しみにしているのはシャイー&ゲヴァントハウス管のベートーヴェン交響曲全集で、私はブルックナー全集を聞いて以来シャイーの実力を良しとするし、シャイーはレコード芸術のインタビューで僕もいつかベートーヴェン交響曲全集を録音してみたいけどそんなもの聞きたい人がいるのか疑問だと謙遜していたが、ゲヴァントハウスの指揮者になって、ベートーヴェン交響曲全集を作るには最適の楽団じゃないか、チャンス到来だシャイーと密かに思っていたので全集の完成は悦ばしい。曲順を見ると交響曲の合間に序曲を入れているのは興をそがれるところだがシャイーには期待している。アンドラーシュ・シフのシューベルトピアノソナタが楽興の時や即興曲付きで廉価で再発売されるのもうれしい。
行く夏を名残り惜しんで聞いている滋味の豊かな温厚な音



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<span itemprop="headline">月男さえ見えるこの頃</span>

2011-09-12 17:24:51 | 無題

今日は漫画家の畑中純さんの個展、月男展に行く。畑中さん夫妻と歓談する。
作品はまんだら屋の良太の世界に異次元から月男が接近してきたような感覚。
震災があって深刻な打撃を受けたときに心の奥にある元型的なものが戸を叩いたのではないか。
そんなことを言うのも、最近秋山さと子氏の「占いとユング心理学」を読んだ影響である。
占いとは無意識と外界の接点であり、易経のなかには錬金術やグノーシスの宗教と同じように、ユングの言う元型的なイメージが豊富にある、という。
グノーシス派とは人間を誤ってこの世に落ちてきた異端児と考え、この世界を作ったのは邪悪なデミウルゴスで、人間には肉的、魂的、霊的な部分があり、魂的な部分で天使に等しく、霊的な部分で神を故郷にしているという。
この説明が私には存外判り易く、それだけでもこの本を買った甲斐があった。
ユングは心の現実に外界の現実が共鳴する、いわゆるシンクロニシティを唱えていたので、占いにも深い関心を寄せていた、とりわけ易経を外界と心の接点として重要視していたという。
引き続き、秋山さと子氏のユングの説を読みふける。
元型には老賢者、太母、始原児、いたずら者、影、アニムスとアニマなどがあり、王と女王の結合、
永遠の生命を持つ黄金、四元性、曼荼羅などが意識の奥にある自己の統一の象徴になるという。
ユングは人は年とともにより成熟した自分に近づいて行くと言い、このことを個性化の過程と呼んだ。
個性化の過程の途中で折り目折り目に単なる偶然には思えない、意味のある偶然の一致がしばしば起こる、という。
夢や直観が現実を引き寄せるということもあり、これをシンクロニシティと言う。
人はこの事実を観察して、自分の自己の深化の度合いを考えるきっかけにするとよいという。
私は行き詰ったとき、しばしば、ユング心理学の書を手に取る。そうすると、自分の心を見詰めるよい機会になる。

あるとない意識と影は繋がって月男さえ見えるこの頃



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<span itemprop="headline">豪徳寺と安堵感のある音</span>

2011-09-07 00:40:19 | 無題

今日は漫画家の畑中純さんの展覧会、月男展に行くが、定休日で見られなかった。エビのココナツ煮を食べて帰る。ティルソン・トーマスの不良品のマーラー全集のディスク1の代替品を聞く。残響が少なくなっただけで大きく違って聞こえなかった。その後洋書の訳をノートに書き込む仕事をする。
今日は豪徳寺で友人と待ち合わせているので慌てて出掛けた。豪徳寺に約束の時刻の40分前に着いてしまい、駅併設のサンマルクで西洋美術史の本を読んでココアとキャラメルラテを飲んで待つ。
九時ちょうどに友人が来て、一緒に豪徳寺のカレーの店に行く。友人は棟方志功展に二度行った、柳宗悦氏との展覧会のカタログを買った、五木寛之の昔のエッセイや水上勉の「土を喰う日々」という食についての本を読んでいる、これからはライブ三昧にしたい、偶像は人が作ったものだから拝みたくない人の気持ちも判るが自分は閻魔大王の木像に叱られるのが好きだ、河瀬直美の奈良のPRのフィルムをダウンロードしたが、ナレーションが上手なのに驚いた、断捨離を文庫で買って読んでいる、などと話していた。

私は仕事の本ばかり読んでいるのはもう嫌だ、これからは我慢しないで色んな本を読んでみたい、日曜美術館で見た田中泯解説のルドン展や、ヤン・シュヴァンクマイエル展の紹介がよかった、ヤン・シュヴァンクマイエルが日本の妖怪を描いた絵はシュルレアリスム的グロテスクで凄くいい、シュヴァンクマイエルのチェコアニメ「ファウスト」はシュルレアリスムとヨーロッパの魔術の伝統が重なった傑作だ、シュヴァンクマイエルは悦楽共犯者という映画は見るに堪えないが「ファウスト」は面白い、ガウディ伝を買ったがまだ読んでいない、などと話す。私は最近ガウディ伝の他にウォーホルの伝記やサルトルの入門書も買ったのだが恥ずかしいから黙っていた。そのあとモスバーガーでネット上をクローラというロボットが巡回している話、川端康成の「山の音」は不気味だという話、川端康成は自分を地獄の思想の系譜に入れて欲しいと語ったという話、「みずうみ」などは現世の人が書いたとは思えないという話などをして帰る。
夜中にアンタル・ドラティのベートーヴェン全集を聞く。巷では評判が芳しくないが、安定した着実な音遣いに心打たれる。ヨッフム&コンセルトへボウなどとともに最近の愛聴盤である。
一日を無事に過ごした安堵感 落ち着きのある全集を聞く



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