ワレリー・ゲルギエフのマーラーを聞きながら洋書の翻訳をしていたら、電話が鳴る。
友人から電話で新宿で待ち合わせて新宿西口の西安料理シーアン(xian)に行く。元祖寿司のそば。
まず頼んだのはガツの冷菜。これは辛くて旨い。ラー油と花椒とネギをあえてある。
次に頼んだ茄子の山椒揚げはフライドポテトみたいな食感で中は柔らかい。
最後に頼んだ牛肉のピリ辛炒めは辛くてサクサクしている。唐辛子が歯ごたえがあり、野菜と肉とニンニクと唐辛子がよく合う。
友人は食べながら八重の桜は口惜しいけどよい、いい役者を使って手堅くまとめている、主人公の兄が佐久間象山に兵学を習いに行く、会津藩の悲劇がこれから描かれる、司馬遼太郎が会津藩の忠義は日本の良心だと言った、ならぬことはならぬのです、がキーワードだと話す。
私はカラヤンのEMIレコーディングスは4800円で中古CD店で売れた、ベートーヴェンの弦楽四重奏集は2400円で売れたと言う。
友人はボックスセットを新たに買っても七年も封印したんじゃ意味がない、質が悪いなと話す。
一品一品の料理が今まで食べたことのない味でどれも唸らされる驚きの旨さ。
帰りはギュンター・ヴァントのギュルツェニヒ管とのブルックナー交響曲8番の第三楽章を聞きながら電車で帰る。家に帰ってブルーノ・ワルター箱を聞くのが楽しみ。
カラヤンのボックスを売ったら、店員さんがお得意さんに電話を掛けて、カラヤンの赤箱が入荷しましたよ、もう確定だと思います、来店お待ちしていますと喋っていた。
そんなに心待ちにしているお客さんがいる貴重なボックスを売ったのは早まったか。
だがカラヤンのEMIレコーディングスはドイツグラモフォンの録り残しを集めたような散漫な選曲で、
私には宝の持ち腐れだったのでちょうどよかった。
絹の道辿れる料理食べてから過去は忘れてまた歩き出す