オイゲン・ヨッフムのシンフォニーズを聞いている。
昔の日記を読んでその頃聞いていたものを引っ張り出して聞いている。
オイゲン・ヨッフムのシンフォニーズはドイツグラモフォンで、今聞いているのは
旧録のベートーヴェン交響曲全集である。
EМIのイコン・シリーズ盤より、古くて剛健なヨッフムが聞ける。
旧録のベートーヴェン交響曲全集は単売では廃盤で長い間入手困難だった。
今はグラモフォンのシンフォニーズに含まれているので単売でも流通している。
ベルリンフィルとバイエルン放送響の合作である。
昔ながらのベルリンフィルの古色なかすれたいい感じの音が聞ける。
手兵バイエルン放送響もドイツ的な音色が楽しめる。
同じことは、このシンフォニーズに収録のブラームスやブルックナーにも言える。
失われた古き良きドイツの音色が生き生きと聞こえるのである。
地味に良い指揮者の廉価盤ボックスセットは嬉しい企画である。
ハイティンク、クーベリック、カール・シューリヒト、ヨーゼフ・カイルベルト…。
こうした指揮者の廉価盤ボックスセットを集中的に聞いて憩っている。
ドイツグラモフォンは渋い写真を上手く使ってファンの心をつかむ。
グラモフォンはきっといい写真家を使っていたのだろう。
ボックスセットの写真とデザインが格好いい。
久しく聞けなかった音源がまとめて聞けるのも嬉しい。
最近ではveniasというレーベルがさらにマニアックな良いボックスを
連発している。
オイゲン・ヨッフムの古色蒼然とした音色が素晴らしい。
古き良き渋い指揮者の紡ぎ出すこの音色で年月を飛ぶ