明日の葉っぱ(8×8)=69

思いつくまま 気のむくまま書いてます。

アルバム 大いなる人 吉田拓郎

2019-02-05 22:01:03 | 僕の音楽日記
7711月に発売された ぷらいべえと
以来
オリジナルアルバムとしては
明日に向かって走れ
以来
 
6月に社長に就任して
フォーライフの建て直しに
着手
2足のわらじを履いて
の東奔西走の日々
アーティストでありながら
むしろ裏方の仕事にのめり込むように
表舞台から
身を引こうとしていた時期でもある。
浅田美代子さんとも結婚されて
2次吉田拓郎の幕開けでもあった。
 
激しい青年期は
75年つま恋で燃焼し、
その後フォーライフレコードで
次の自分のスタイルを模作しつつ
 
このアルバムを発表した頃
世間では
ソフト&メロー
なる
音楽の波が
ブームとして
激しさ
メッセージ
など
時代を熱く語るなんて
暑苦しい詩や
曲調なんかは
徐々に
飽きられてきていた。
 
いわばニューミュージックが呼び名と
その括りが定着してきて
人々の間に
聴いていて心地よいものを求める
そんな空気感が
安定的に広がりを見せてきた。
オシャレな音や
歌詞が
時代受けするようになってきた。
 
そんな中
戸惑いながらも
その雰囲気を感じつつ
他人に提供曲の仕事で
時代を感じ取っていた
吉田拓郎さん。
キャンディーズだったり
太田裕美さん 梓みちよさん
木之内みどりさん
森山良子さん
提供曲を世に送ってる。
 
変わりつつある時代の風は
確実に
75年を境にして
決して
拓郎さんたちにとっての順風には
ならなかった。
 
事実 裏方に周り
原田真二さんのプロデュース業
そして、
フォーライフレコードの立て直しで
色物アーティストを多くレコードデビューさせたフォーライフ。
 
なりふり構っていられなかった
そのプライドをすててまで
フォーライフレコードを守るという選択肢に奔走しながら
世に送り出した アーティスト 吉田拓郎のアルバム作品
 
「大いなる人」
 
ファンの僕は待望だったし、
オリジナルアルバムということもあり
期待大だった。
アコースティックなものに
アコースティックな音に飢えていた
こともあった。
 
よしだたくろうが
吉田拓郎に変わった
フォーライフからの
表記
果たして音作りも変わってしまったのか?
 
レコードに針を落とすと……
 
1曲目 「あの娘に逢えたら」
軽いR&Bのリズムにのって
スイングするように
気持ちよさそうに歌う
拓郎さんがいた。
 
隠れた名曲だ。
カラオケでよく歌う今でも好きな歌。
 
アルバムアレンジは
はっぴいえんど の鈴木茂氏
このアルバムから
本格的に拓郎さんとのバッキングや、アレンジを徐々に濃密に担当していくことになる。
 
このアルバムのイメージが
「深夜」のイメージ
夜の静寂に
繰り広げられる物語
 
静かに部屋で深夜
ステレオから
このアルバム曲が流れるのは
なかなかおつなものです。
 
2曲目 「未来」
 
そのアルバムがいいか
悪いかは
1曲目でわかる
僕の持論で
また、それを決定付けるのも
2曲目であって
正しく
ダメ押し的ないい曲。
「未来」
 
後の
「ローリング30
に松本隆さん作品の
「恋唄」「言葉」
という名曲が出てこなかったら
 
この「未来」が
それに取って代わらず歌い続けられたのだろうか?
と思えるほど
名曲のスローバラードなのだ。
作詞作曲吉田拓郎のもとで
 
やさしいラブソング
しっとりと聴きたい1曲だ。
 
3曲目 「カンパリソーダとフライドポテト」
 
都会の女と田舎ものの男
を比喩的に表した
タイトル
だそうな
当時ラジオに
精力的にプロモーションで出演し、
アルバムセールスをみずから
繋げようと
アーティストと営業を兼ねてた。
 
 
シングルカットにもなり
この歌を押しているんだと
……
あまり好きじゃないタイプをシングルカットしたんだなと
当時思ってたりした。
イントロで流れるケーナの音色が
切なくさせる。
 
4曲目 「アン ドゥ トロア バイバイキャンディーズ」
言わず知れた
提供曲 このアルバム発売前に
キャンディーズの解散のニュースが……
切ないバラードが
解散ということで尚更箔がついた形で
際立った曲として、自らもcoverして
メッセージソングとしている
さよならキャンディーズと歌ってる。
 
1番綺麗で可愛く歌もほんとに上手くなっていったアイドルグループ
だったあの頃のキャンディーズ。
 
 
僕は「やさしい悪魔」より
拓郎さんの提供曲ではこちらが好き。
 
5曲目 「乱行」
ブラスサウンドが重く厚く
イントロから響く ソフトタッチのR&B
全体的にソフト&メローをフィルターにかけながら
しっかりR&Bを効かせる
拓郎さんのルーツ音楽として
聴くことが出来る。
 
B 1曲目
6曲目 「悲しい気持ちで」
 
これも効果的にブラスサウンドを入れてのアレンジ。
皮肉タップリの歌詞が拓郎節だ。
 
7曲目 「おいでよ」
このアルバムの中でしっかりじっくり
聞かせる ラブバラードのR&B
 
おい でよぉ
という歌い出し
 
「おい!」って呼ばれてるような
歌い回し
 
「おい! 出よう」
同伴者を一緒に店から出ることを促すようなそんな言葉使い
と似た
歌い方。
 
おい! でよぉ~
 
 
8曲目
「あなたを愛して」
あのケンとメリーのBUZZ
への提供曲
 
歌い出しの音が低い
低い
拓郎さんの曲つくりは
音階が乱高下する
低いところから高いところまで
音域 音階が幅広く
下降旋律もあり
 
非常に難しいと思う。
 
ミドルテンポの歌いやすい
ラブソング。
これも結構好きだなぁ
でも
歌いづらい~
 
 
 
9曲目 「大いなる」
 
アルバムタイトル曲ではなく
「人」が抜けている。
 
大いなる人とは誰ですか?拓郎さんのことですか?
当時インタビューでよく聞かれてましたっけ
 
なんだったんでしょう?
憧れの対象
 
大いなる人になれたなら……
大いなる人生を全うできたなら……
 
願望なのでしょうか?
 
この曲だけが唯一 アコースティックギターで、バンジョーが入り
フォーキーな仕上がりとなっている。
 
こんな曲を沢山聞きたかったと
あの頃の僕は思った。
 
10曲目 「歌にはならないけれど」
 
アルバムラストの曲
 
拓郎節 呟くように
叫ぶように
思いと感情を上手く吐き出すよう
な歌詞をR&Bできっちり
締める。
 
アルバムがコンセプトアルバムのように
言葉で叩きつけるような
強烈なメッセージはもう
影を潜めた代わりに
 
音つくりを通して
表現してる新たな吉田拓郎さんの音によるメッセージアルバムだと
認識した。
 
比較的おとなしめなイメージだけれども
裏方に専念してる間をぬって
発表されたアルバム
としては
いい出来になっている。
 
 

アン ドゥ トロア キャンディーズ

2019-02-05 16:49:33 | 僕の音楽日記


1977年
9月
それは突然の発表で
ニュースだった。

キャンディーズが解散する。

ピンク・レディーと人気を2分し、
テレビでは
歌のピンク・レディー

バラドル(バラエティアイドル とその頃言われなかったが
彼女たちが元祖か?)
のキャンディーズ

華やかさを演出していた歌謡界
テレビ界

別にキャンディーズはバラエティ専門のアイドルグループではなく
たまたま売れるまでの期間が長く
ナベプロ所属ゆえ
そのような露出で売り出されて
本業のアーティストとしての
歌は
バラエティの隙間に少し
やる程度にしか
見せられなかった。

彼女たちの認知度が
上がったのは
紛れもなく
「やさしい悪魔」からだと思う。
あのセクシーなコスチューム
ピンク・レディーに対抗とばかりに

清楚なお色気で打って出た
「やさしい悪魔」

あのヒットで
彼女たちの歌唱力とグループの存在感は
一気にピンク・レディーと双璧となり
むしろ
キャリアがあるだけ
キャンディーズの方に分がある形と
なったと思う。

解散宣言の最中
発売の「アン ドゥ トロア」

🎶人は誰でも 1度だけ 全てを燃やす
夜が来る

今がその時ためらわないで〜

と歌った。

解散を知らずして提供された
詩に
事実が重なり合わさり
解散ソングとしての
意味合いを持った歌となってしまった。

また、
拓郎節を見事にうたいきってる
キャンディーズの歌唱力も見事です。
拓郎節とわかる箇所は

🎶時のたつのも
忘れなさいと
寒い国から
駆けてきた
恋という名のピエロが踊る

起伏が激しい下降旋律が正しく拓郎節。

拓郎節を歌いこなせることは
彼女たちのキャリアだからこそ
できたわけだ。

そして何よりこの歌の素晴らしいところは
作詞
作曲
も去ることながら
編曲の馬飼野康二さん
のアレンジがまた、素晴らしいと思う
効果的にアコーディオンやマンドリンなど
郷愁を誘う音が曲を引き立ててる。

レコードのイントロメロディも
8小節泣ける旋律になっている。
EPとLPとそれぞれアレンジが違うようだし、パターンがそれぞれあるみたいだ。

作曲家 吉田拓郎さんも
アルバム 「大いなる人」でカバーしている。

さよならキャンディーズ~
と歌っている。


否が応でも
キャンディーズの解散を現実として
捉える機運が
進むにつれ
あの頃 解散=いなくなる
消滅する
みたいなイメージで
もう 二度と彼女たちを見れなくなる
……
そんな これで見納め的な
切なさ
悲哀さ
やるせなさが
充満した。

お茶の間を賑やかにしてくれた
彼女たちがいなくなる



8時だヨ 全員集合~!
見ごろ食べごろ笑いごろ
などレギュラーだった彼女たち

「アンドゥトロア」
のヒットで
解散を差し引いても
アーティストとしてキャンディーズ
の地位が確立できたはずだった。

風格も伴ってこれから……
という時期

脂の載ってきた旬の彼女たちだったからこそ
解散が余計に輝きを増し
上昇気流のその途中
その勢いのまま

アーティストとして燃やす情熱は
解散へと進んで行った。

1 2 3
アン
ドゥ
トロア
カウントダウンが
この歌から
始まった。


今日もどこかで デビルマン 十田敬三

2019-02-05 06:56:34 | 僕の音楽日記


仮面ライダーという
等身大のヒーローから
なりきりで
妄想癖はさらに進み

今で言う
バーチャルとリアルのさかえが無くなって

その事ばかり考えていた時期があった。
それだけのめり込みやすい性格で
ある意味
現実逃避。
漫画版 少年マガジン
での
「デビルマン」で衝撃を受け
テレビアニメが開始され

再放送をいれれば
何回も何回も見ていた
「デビルマン」

「今日もどこかでデビルマン」
作詞 阿久悠
作曲 都倉俊一
ゴールデンコンビ
ヒットメーカーのお二人の作品
だったんです。



夕方の再放送アニメを見終わって
夕暮れ時
西の空を見ながら散歩をしに
出掛け
テレビの余韻に浸る
そんなことをしていた少年だった。

🎶誰も知らない 知られちゃいけない
デビルマンが誰なのか…

自分は既にデビルマンになっていた。

何か特殊な能力をもって、
ましてや
自分はほんとは人間ではない

この時期 あの時の自分は
入り込んでいた。

よくヤグザ映画を見終わって
映画館から出てきて 肩で風切り威勢よく
偉そうな態度になるように……

自分が同化してなりきってるのと
同じで、

あの時あの頃の僕は
デビルマンだった。

そして
それを知られちゃいけない
とも思ってた。

何か特殊な使命をもって生まれてきた
そんな特別な人間だとも
自分を高く買いかぶりすぎていたりも
した。

そうした
特別枠の人間として
僕はデビルマンになっていた。

そして悲哀も抱いて
悲劇のヒーローたる
そんな影を持った男として
酔いしれていた。




だけども
身近に彼女 ミキちゃんがいない
ことに気がつく

そうだ!
ミキちゃんだ!

学年で1人その頃ミキちゃんがいた。
でも
その子は
モテる子で
頭もよく
美人で
とても
僕の
彼女になるなんて
思えない
まだ小学生で彼女なんて
レベルでもなかったわけで……

しかし
合わせられる所は
同じにしたくて

ミキちゃんを密かにマークしていた。
恋愛レーダーは
ロックオンされた。

ここまで
自分はアニメオタクなのか?
単なる女の子好きなのか?
分からない
風になっていた。

でも
アニメ「デビルマン」は
見ながら
見終わって
エンディング曲
「今日もどこかでデビルマン」を
聞き終え
夕暮れ時の空を見つめて
誓うのだ
(誰も知らない 知られちゃいけない)


僕はデビルマンなのだから

……







遠くから
母親の怒鳴り声が聞こえてきた。
「ご飯ができたよ〜」



夢は

妄想は

すぐ現実に
引き戻された。