先日、夕方に帰宅すると、クウタがえさを食べていました。いつもの姿より小さく丸まったような感じがするなあと思いながら近づくと、なんと横から本物のクウタが現れました。ではいったいえさを食べているのは何者かと思ってよく見ると、このごろよく見かける白いのら猫でした。
クウタがえさはおれのものだよとでも言うように猫に近づくと、猫は片方の前足で軽くあしらいクウタを追い払っていました。体の大きさでは、クウタの方が2倍以上も大きいのに、猫がこわくて鳴き声さえ出せないようです。でも、猫は人間である私の存在に気づくと、あわてて逃げだしました。途中で立ち止まり、こちらの様子をうかがっていましたが、さらに猫の方に私が近づいていくと、家の門から外へすばやく逃げていきました。
その様子を見てから、クウタのそばに行くとなんか落ち着かないそぶりです。猫がまたくるのではないかと心配しているような感じがしました。荷物を家の中に置いてから、私がまた外に出てみると、どうでしょう。さっきの猫が、走ってこちらに向かってくるところでした。やはり、私がいなくなったらまたえさを食べにこようと考えて、やってきたようです。でも、私の姿を見つけると途中で立ち止まって、こちらの様子をうかがっていました。私は追い払ってしまった方がいいなと考え、猫のいる方に向かって走り出しました。猫はその足音と勢いに驚いた様子で、すごいスピードで門の外へ逃げていきました。
門のまわりには猫はいないようなので、クウタのそばにもどりました。邪魔者がいなくなって安心したのでしょうか。クウタは夢中になってえさを食べていました。しばらくその様子をながめながら、門のところも見ていましたが、猫はもうやってはこないようです。残っていたえさも、全部クウタが食べてしまったので、私も家の中にもどりました。
何とも気の弱いクウタです。飼い犬としての生活に慣れ、野性的な本能が眠ってしまったのでしょうか。でも、のら猫やカラスにえさを奪われ、番犬としての役目を果たせず誰にでもしっぽをふり、じゃれてくるクウタは、やはり我が家の大切な家族の一人<一匹>であり、愛すべき存在です。
それにしても、たくましいのはのら猫です。えさを求めて生きようとする姿や軽くクウタをあしらう様子、さらには人間をうかがう様子に、野性の本能を見たような気がしました。
飼い犬としてえさを与えられ鎖につながれたクウタと、のら猫としてえさを自分で探さなければならず、でも自由に動き回ることのできる猫とを比較した場合、どちらが幸せなのかなとも思いました。
願わくば、どちらもこれからも元気で長生きしてほしいものです。のら猫が増えすぎるのは、困ったことだと思いますが……。
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