遂に、第九局までいくことになりました、第5期叡王戦。もともとは七番勝負だったはずなのですが、持ち将棋という引分け試合が2戦もあったので、こうなりました。また持ち将棋以外にも、千日手指直しが1局含まれているので、次は事実上、第十局目になります。まぁ、歴史に残る大激闘と言って良いでしょう。
ちなみに、永瀬叡王も、豊島竜王も、相手の思ったような戦型を取らせないよう、序盤から局面を支配するジャブをたくさん打ってくるタイプ。柔道で例えるならば、相手に「引き手」をなかなか持たせないタイプです。結果として、組み合った時には、それぞれが十分な形か、全く前に進まなくなるかになるので、千日手や持ち将棋になりやすいのだと思います。
これが、藤井聡太二冠と戦う時には、それぞれ、また異なる形になるのが不思議。永瀬叡王は、普段から藤井聡太二冠と一緒に研究する機会が多いせいか、最初は組み合わないようにしていても、どこかで、阿吽の呼吸というか、開戦を選択して、一気に戦いに入っていきます。一方の、豊島竜王は、あくまで自分がペースを握ることに拘り続けて、藤井聡太の思うようにはさせません。藤井聡太二冠が、まだ豊島竜王に勝てていないのは、こうした豊島竜王の頑ななスタンスに押し込まれるからだと思います。
叡王戦の決着は、9月21日(祝)の最終戦に持ち込まれました。場所は千駄ヶ谷の将棋会館で行われます。