【重賞回顧】 ローズS・セントライト記念

　まずは中京のローズステークス。２番手から進んだリアアメリアが完勝。先行馬が沈む中にあって、この馬だけが残る強いパフォーマンスでした。けしてハイペースではありませんでしたが、淀みのないペースだったことが先行馬には厳しかった。しかし、リアアメリアにとっては、そのおかげで、引っかからずに済んだとも言えます。本番でも、スムースに引っ張ってくれる逃げ馬がいてくれれば、この馬にとっては走りやすくなるでしょう。

　２着のムジカは、最速の上りで本番の権利を取得しました。父エピファネイア×ディープ牝馬の組合せは、これからのNicksになると思います。本番でも面白い存在です。

　それから、中山のセントライト記念。勝ったのはバビット、見事な逃げ切り勝ち。これで４連勝、次の菊花賞でも大逃げを打って、コントレイルを慌てさせるシーンが目に浮かびます。父ナカヤマフェスタは凱旋門賞でも２着となったスタミナ豊富なステイゴールド血脈。京都3000mはもってこいの舞台と言えるでしょう。

　２着のサトノフラッグもさすがの内容。得意のロングスパートは長距離向きです。３着のガロアクリークは進路を塞がれる形になったので、本番の巻き返しに期待しましょう。けして、スタミナ不足ではありません。

【２歳戦回顧】 9月19日～22日

　まずは土曜日の中京３R芝1600mを勝ったレッドベルオーブ。ディープインパクト×アンブライドルズソングの牡馬で、中京２歳レコードを１秒以上更新して楽勝。新馬戦は重馬場を仕掛け遅れて負けましたが、この馬、今のところ、今年の牡馬ではダノンザキッドと並んでトップと言って良いと思います。ディープインパクト×アンブライドルズソングで福永騎手と言えば、コントレイルとパターンは同じ。次の出走レースも大注目です。同じく中京５R芝1200m新馬を勝ったシャラー産駒ヒトヨギリ。時計は平凡でしたが、完璧な勝ち方で、短距離路線にまた主役候補が出てきました。メイケイエール・ヨカヨカとの対決が楽しみ。それから、中山５R芝1800m新馬を勝ったドリームジャーニー産駒のスルーセブンシーズ。小柄な牝馬ですが、牡馬の好メンバー相手に圧勝。牝馬クラシック路線に名乗りを上げました。そして、中京９R野路菊Sは、スローの瞬発力勝負を、逃げて制したキンカメ産駒のホウオウアマゾン。ただ、ペースも緩く、展開に恵まれた勝利であり、出走した５頭の勝負付けはまだ済んでいないと思います。

　日曜日は、中京５R芝2000m新馬を勝ったドゥラメンテ産駒ジュンブルースカイ。好メンバーを相手に完勝した内容は見事で、秋の重賞路線でも狙える逸材だと思います。

　月曜日は、まず中京３R芝2000mを勝ったゴールドシップ産駒マカオンドール。３戦目で本格化、２歳レコードのおまけ付きで、ゴールドシップ産駒としては珍しく時計勝負もOK。秋の重賞路線でも注目しましょう。中山３R芝1600mを勝ったエピファネイア産駒グローリアスカペラ。４戦目で身体が絞れて勝ち上がり。牝馬ながら大型馬で、芝でもダートでも活躍できそう。中京４Rダート1200mを勝ったパイロ産駒クインズメリッサ。２歳レコードタイで完勝。ダート短距離で次走も期待できます。中京５R芝1600m新馬を勝ったリオンディーズ産駒ナムラメーテル。高いメンバーレベルの中、好タイムで完勝。牝馬クラシック路線で有力馬の１頭となると思います。

　ちなみに、土曜日と日曜日で、リーチザクラウン産駒が２頭勝ち上がりました。今年の２歳馬ではこれで５頭目であり、繁殖牝馬の質を考えると凄い成績。父スペシャルウィークは、ブエナビスタやシーザリオを通じて、母父としての地位は築いていますが、既に種牡馬も引退しており、ここまで後継種牡馬には恵まれていませんでした。このあと、リーチザクラウンから強い牡馬が現れれば、またこの直系の血脈が復活いたします。楽しみにしたいと思います。