金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【A級順位戦 最終局】 今日は、将棋界にとって『最も長い1日』!

2021-02-26 11:04:21 | 将棋

 本日2月26日(金)は、将棋界にとって『最も長い1日』。この日は、A級順位戦の最終局全5局が、静岡県の「浮月楼」に於いて、一斉同時に開催される日であります。

 いつもの年であれば、この最終局で、名人への挑戦者が決まり、そしてまたB級1組への降級者2名が決まる日でもありますので、全5局ともにギリギリで、ヒヤヒヤの大激戦が繰り広げられることになるのですが、今年は第8局で降級者2名(三浦九段と稲葉八段)が既に決まったため、注目は挑戦者決定ということになります。

 挑戦者への可能性がある棋士は、現在7勝1敗でトップを走る斎藤慎太郎八段と、6勝2敗で単独2位の位置にいる広瀬章人八段。斎藤慎太郎八段は佐藤天彦元名人と、また広瀬八段は豊島竜王との対戦となります。

 持ち時間がそれぞれ6時間であるため、毎年終局は深夜に及び、日を跨ぐこともしばしば。さらには、それぞれの勝敗次第で、挑戦者や降級者が入替わるため、全局が終わるまで結果が確定しないことから、将棋界にとって『最も長い1日』と呼ばれています

 このドキドキ感だけは例年通りです。私は、今年も「将棋連盟LIVE携帯版」で、最後まで見届けるつもりです。


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【民主主義の賞味期限④】 台湾の動きは八重山諸島へ波及する!?

2021-02-26 06:44:27 | 金融マーケット

【昨日の続きです】

 

 昨日は、朝鮮半島こそが、民主主義の将来を左右するキーになることを申し上げました。本日のテーマは台湾です。この台湾も同じく、民主主義の行く末を決める歴史の分岐点となる候補であります。

 「台湾はもともと中国の一部であり、ここが中国本土と統一されたところで、日本に関する影響は限定的」などと考えていると大きな間違いを起こします。もともと中国の一部というのは正しいのですが、「じゃ、沖縄は?」「八重山諸島は?」についてはいかがでしょうか?

 琉球王国はそもそも独立した海洋国家でしたが、中国との関係では明・清とは冊封関係、すなわち臣下の関係であり、また17世紀からは薩摩の直接支配を受けた国でした。つまり主筋が2つある存在であり、明治以降、その領有については日本と清国で長きにわたり協議事項となっていました(実効支配は日本でしたから、今の北方領土問題とは異なりますが‥)。

 明治12年に明治政府が琉球王国を強制併合して沖縄県とした後、それに異を唱える清国との協議が続き、明治13年には日本から清国に対し、八重山諸島・宮古島は清国、沖縄本島は日本、という案を提案してほぼ合意しかけましたが、清国内部や沖縄からの反対もあり調印には至りませんでした。その後、日清戦争が勃発、結局は明治28年の日清講和条約で台湾が日本に割譲されたため、先般の協議内容はうやむやになりました。

 現在、対中国、対台湾の間で領土問題は尖閣諸島だけですが、もし台湾・中国が統一される事態になった場合、中国は日清戦争前の話をぶり返してくるのは必至と考えるべきです。

 いやいや、台湾が中国へ帰属する訳はない、第一、アメリカが許すはずはない、と言う方がたくさんいると思います。確かにそのとおり。もし、台湾が中国に統一されれば、それはアメリカが負けたことと等しい。しかし、アメリカが考える優先順位が変わって、例えば、朝鮮半島を取るか、台湾を取るか、と考えて、台湾を譲歩するということは有り得ます。

 実は2017年の秋あたりは危なかった、という人が何人かいらっしゃいます。評論家の寺島実郎氏は、この時期、トランプと習主席の間で、北朝鮮をめぐってビッグディールが成される可能性がある、と色んなところで講演されていました。寺島さんのビッグディールとは、習主席が北朝鮮の核開発を終わらせる見返りに、アメリカが台湾から手を引くかもしれない、という意味だったと思います。

 万が一、台湾が中国本土と統一されれば、民主主義の最前線は、単に尖閣諸島だけでなく、八重山諸島(与那国島・石垣島・西表島等)と宮古島そのものになります。我々日本人が、その矢面に立たされることを認識しなければなりません。もっと、民主主義の危機について、僕らは深刻に考えるべき存在であり、追い込まれつつある存在だということを忘れてはなりません。


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