11月24日(日)のGⅠジャパンカップには、国内外の芝の一線級が府中競馬場に集結してまいります。
【ジャパンカップ2023の優勝馬 イクイノックス】
まずは海外勢からご紹介しましょう。
4歳牡馬ファンタスティックムーンは、2023年のGⅠ独ダービー馬であり、今年のバーデン大賞(GⅠ)を勝ったドイツの最強馬。
続いては、フランスの4歳騙馬ゴリアット。今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(GⅠ)の勝ち馬で、馬場が渋ればこの馬が圧勝するかもしれません。
そしてオオトリは、アイルランドの英雄、ディープインパクト産駒の4歳牡馬オーギュストロダン。昨年の英ダービー(GⅠ)、愛ダービー(GⅠ)、愛チャンピオンズカップ(GⅠ)、米ブリーダーズカップターフ(GⅠ)、今年のプリンスオブウェールズステークス(GⅠ)を勝ったスーパーホースです。ここでジャパンカップを制するならば、英愛米日と4か国に跨ってGⅠレースを勝つことになります。
迎え撃つ日本勢も好メンバーが揃っています。
最初に、総大将とも言える5歳牡馬ドウデュース。天皇賞秋を鮮やかに差し切って、これで4年連続でGⅠを制しました。来春から種牡馬になることが決まっており、ここを勝って、さらに自身の価値を高めたいところ。
次は、今年の牝馬2冠馬であるチェルヴィニア。3歳牝馬が好走するケースが多いジャパンカップですので、チャンスは大いにあると思います。ひょっとすると1番人気はこの馬かもしれません。
そして、昨年の天皇賞春を制した5歳牡馬ジャスティンパレス。天皇賞秋は脚を余しての4着でしたので、距離が伸びるジャパンカップで巻き返したいところでありましょう。
1昨年の牝馬2冠馬のスターズオンアースも争覇圏だと思います。4歳時には大阪杯2着、ジャパンカップ3着、有馬記念2着と牡馬に入っても好走。久しぶりに川田将雅騎手を鞍上に迎えることもプラス。
その他にも、今年の宝塚記念を勝った5歳牡馬ブローザホーン、昨年の皐月賞を勝った4歳牡馬ソールオリエンス、同じく菊花賞を勝った4歳牡馬ドゥレッツァ、凱旋門賞帰りの3歳牡馬シンエンペラーなどが出走予定。
これだけの国内外一線級が揃うのは久しぶりで、1999年のジャパンカップを思い出します。この年は、英愛ダービーと凱旋門賞を勝った3歳牡馬モンジューが参戦、迎え撃ったのが日本のダービー馬にして天皇賞春秋を勝っていた4歳牡馬スペシャルウィーク。その他にも、前年の英ダービーを勝ったハイエステイト、香港から強豪インディジェナスが出走してきました。レースは、後方待機から直線で外を駆け上がったスペシャルウィークが快勝。香港のインディジェナスが2着、英国のハイエステイト3着、後方から脚を余したモンジューが4着という結果に。
思えば、この頃は毎年海外から超一線級の馬が東京競馬場に押し寄せてきていました。賞金が相対的に魅力的だったことと、あの頃は欧州と日本の競馬が、どちらの本拠地でも拮抗したレース内容となっていたこと。アウェイでもちゃんと勝負になっていたのです。
その翌年2000年のジャパンカップでも、日本のテイエムオペラオー(1着)、メイショウドトウ(2着)と、英国のファンタスティックライト(3着)の激闘が見られました。2002年のジャパンカップでは、イタリアのファルブラヴが勝利、アメリカのサラファンが2着と海外勢が1着2着を占めました。2005年も英国のアルカセットが勝利。2009年のジャパンカップで英国のコンディエットが4着になった頃までは、英キングジョージ6世&クイーンエリザベスSや米ブリーダーズカップターフの勝ち馬がジャパンカップに参戦することは続いておりました。
しかし、その後は、日本の速い馬場に外国勢が対応できないようになり、日本馬の独壇場となってしまいました。結果、海外からの参戦すら珍しいという状態となり、近年は国際GⅠとは呼べない時代となっていたところ。それが、今年は一気に様相を異にしている。
ディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒あるいはステイゴールド産駒が、欧州、ドバイ、香港、米国ブリーダーズカップあたりで、その強さを見せつけてきた時代が終焉を迎えてつつあり、今度は「逆襲」とばかりに海外勢が攻めに転じたようにも見えますが、実際はどうなのでしょう。
いずれにしても、日本の競馬場で、海外の超一流馬の走りが観られるのは大変嬉しい限り。
今から11月24日が待ち遠しくて堪りません。