10月にも書きましたが、羽生永世七冠の不調が続いています。
10月からの成績を見ると2勝4敗。10月3日がA級順位戦で、これは相手が渡辺三冠ですから、負けたり勝ったりは仕方ないです。その後、16日と18日の王将リーグで豊島名人と久保九段に競り勝ったまでは良かったのですが、21日の王将リーグ戦 対藤井聡太七段には良いところなく完敗、25日の棋王戦トーナメントでは佐々木大地五段に負けてトーナメント敗退、その後のNHK杯でも屋敷九段に完敗でここも2回戦で敗退。
不調の原因はよく分かりません。永世七冠達成以来、モチベーションが落ちたことは確かでしょうが、将棋の中身を見る限り、新手も多用していますし、普段の研究活動に手を抜くような方ではありません。特に気になるのは、10月21日の対藤井聡太七段に負けた将棋。藤井七段に対して新手を繰り出していきましたが、早々と藤井七段に、その手の狙いを見切られてしまい、一気に攻め将棋を仕掛けられて完敗した将棋です。
いろいろ考えるに、今、実戦研究に使っている「将棋ソフト」に問題があるのでは? と勘繰ったりしています。将棋界のトッププロは、将棋ソフトの最新版を普段の研究に使用するのが当たり前で、将棋ソフト側には、その研究成果をフィードバックしてもらうことを条件に、無料で貸与するのが一般的です。人間のプロは人間同士の闘いのため、将棋ソフト側は、AI同士の闘いのため、それぞれがそれぞれを活用する世界なのです。
プロ棋士が、どの将棋ソフトを使っているかはオープンにはなっておりませんが、おそらくプロ同士は認識し合っていると思います。羽生永世七冠が使っている将棋ソフトの質に、何か問題があるのではないか‥。最近の羽生さんの不調を見るにつけ、そんなことまで考えてしまいます。
それとも、また踵の痛みが再発したのでしょうか。多くの羽生ファンは、そんな心配を日々、心に抱いていると思います。