6月中旬に入っても、東京はまだ「梅雨入り」とならず、ザーと降るか、好天に恵まれるか、を繰り返しております。
そう言えば、自分が学生だった頃を思い出すと、梅雨の雨といえば「シトシトと降る」ものに決まっておりました。そのことを、気象関係に詳しい友人に尋ねたところ、彼はこう返答しました。
「いやいや。自分は関西出身だけど、関西の梅雨は、昔からザーザーと降っていたよ」とのこと。
え?と思いましたが、どうやら「シトシト降る雨」は、東日本特有の振り方だったらしい。というのは、もともと梅雨前線の作られ方が、東日本と西日本では違いがあるらしく、関東地方の場合「北から来る『冷たい湿った空気』と、南から来る『温かく湿った空気』がぶつかって出来る」。一方の西日本では「北から来る『温かく乾いた空気』と、南から来る『温かく湿った空気』がぶつかって出来る」。
そのため、関東の梅雨というのは、少し肌寒くて「シトシト降る雨」というのが定番となり、一方の関西地方や四国地方の梅雨では、温かくて「ザーザー降る雨」が定番になるそうです。なお、関西の梅雨がザーザーと降る一番の理由は、気温が高いため、空気に含まれる水分が多くなるから。
話を戻すと、それではなぜ、関東地方の梅雨が「シトシト」から「ザーザー」に替わったかというと、結局、海水の温度が上昇して南から来る空気の水分量が多くなったからだそうです。やはり、温暖化が原因でした。
「線状降水帯」「大雨被害」という言葉が日常用語になったのも、やはり温暖化が原因。
それが判っているのに、米国ではこのテーマが政治問題化しており、「カーボンニュートラルなどは世迷言であり、何の科学的根拠はなく、欧州各国の陰謀」と主張するトランプ元大統領を支持する有権者が数多く存在しています。
昔と激変した「関東の梅雨の空」を実感しながら、そんなことを想い耽るのでありました。