3月8日(水)に東京千駄ヶ谷の将棋会館で行われたA級順位戦プレーオフで、先手番の藤井聡太五冠が広瀬章人八段を125手で下し、第81期名人戦の挑戦権を獲得いたしました。
戦型は予想どおり、角換わりから腰掛銀へ。序盤から藤井五冠のペースとなり、そのままリードを広げて、会心の内容で押し切る将棋でありました。
藤井聡太五冠は現在、王将戦七番勝負と棋王戦五番勝負の二つのタイトル戦を並行して闘っていますが、このまま王将戦を防衛して、さらに棋王位を奪取すると史上最年少の六冠を達成することとなり、4月から始まる名人戦七番勝負では、七冠を賭けた闘いに突入することになります。
もはや、無敵状態の藤井聡太五冠ではありますが、さすがに直近の対局の王将戦では、羽生永世七冠とは1手のミスも許されない激闘が続くようになりましたし、渡辺明棋王との棋王戦第3局では、得意の先手番にも拘らず、押し切られて負けてしまうなど、他のプロ棋士の研究も進んできて、差が縮まってきた感があります。
ここから夢の八冠への道のりは、タイトル奪取だけでなく、タイトル死守も続けていかなければならない道のりなだけに、さらにハードルが高くなって参ります。
さらなる高みへ上る藤井聡太の挑戦を、1人の将棋ファンとして見守っていきたいと思います。