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ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

2020-06-13 | chinema(欧米系映画)

 

 

★ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋
原題 :W.E.
監督・脚本・製作: マドンナ
音楽: アベル・コジェニオウスキ
出演: アビー・コーニッシュ、アンドレア・ライズブロー、ジェームズ・ダーシー、オスカー・アイザック、他
2011/イギリス


1930年代と現代という時間を交差させながら、
2組の男女の物語を女性側の視点から見つめ、
その《苦悩と希望》を繊細に描いています。
1930年代の物語は、
「王冠を賭けた恋」として世間を騒がせた
英国王エドワード8世とウォリス・シンプソンのロマンス。
そして現代の物語は、
ニューヨークを舞台に、
子どもを欲しない夫との夫婦関係に悩んでいたウォリーと、
宝飾店に務めるエフゲニとの出会いと再生の物語。
共通しているのはどちらも間違いなく社会から非難を浴びる不倫の物語です。
作品は、2つの物語のヒロインの心情に焦点を当て、
《何故にその生き方を選んだのか》を問いかけ、
マドンナならでのはフェミ二ン溢れる感性で、
《二人のヒロインが共鳴し重なり合う物語》として描かれています。


物語の始めは、
二人のヒロインの時間軸の交差について行けず、
観ているこちらの感覚はおろおろしましたが、
しだいに移ろいゆく時間の流れに身を任せるような心地よさに変わって行きます。
30年代の上流社会風俗衣装はさりげなく上質です。
現代の物語も上流社会が舞台ですので、出し物は超一流。
何もかもが美化され、
《女の心》も美化され、
ドロドロした湧き出る葛藤らしきものは見当たりません。
繊細でフェミニンな語り口。

 

シンプソン役を演じたアンドレア・ライズブローが
控えめながらも美しい所作で際立っていました。
マドンナはその表情を
《美しい至極の女らしさ》としてとらえています。
老い死にゆくエドワードの前で踊ったダンスは妖艶であり、
《ああ、これはマドンナ》と思った瞬間です。

エンドロールで流れた歌(Madonna - Masterpiece)は、
この作品の全てを歌っています。
美しい歌声に美しい歌詞。

 


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