映画を観た。
★華麗なるアリバイ
原題:Le Grand Alibi
原作:アガサ・クリスティ
監督:パスカル・ボニツェール
2007/フランス
タイトルと物語とがどう結びつくのかよくわからない作品。
でも確かにゴージャス感はたっぷりである。
それがクリスティー。
アガサ・クリスティの世界は色彩鮮やかで、ファッショナブルで、そしてゴージャス。富裕層がわんさか出て来て、愛憎劇を繰り返す。生活に余裕があるんだから、そこまでガツガツ漁らなくてもいいのにと思うくらい、女アサリ、金アサリ、地位あさりなどなどととにかく浅ましい。これは持たざる者のひがみかとも思うが、金持ち人間の愛と欲望を題材にしたサスペンスがクリスティーの世界である。それを映画化するんだから、「華麗なるアリバイ」がモチーフとなる。
今回はいつものポアロさんは出てこない。いかにも庶民的いらいら刑事が出て来て難問にチャレンジ。華麗さとほど遠いところが対照的に描かれ、第二の殺人が起こる。おなじみの事件進行スタイルである。
さて、クリスティー、生誕120年だということ。彼女のサスペンスの記憶は、今となっては、本で読んだのか、映画で見たのかほとんど思い出せないくらいである。本で読んだとすれば20歳前後のことだが、、、、、、。映画記憶と小説記憶がごちゃまぜである。それほど彼女の作品は多数映画化されているということの証明でもある。クローズドサークル的な物語が多く、何処か奇異な印象を与えて、僕としては余り好みではないが、映画化されるとつい見てしまうのがクリスティーである。初めてみたのが「そして誰もいなくなった」1974年、「オリエント急行殺人事件」、 その後いろいろ、最近では「ゼロ時間の謎」かな。