駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

おとなしく目立たないのは

2011年03月05日 | 世の中

 大学受験でネット投稿した予備校生はおとなしく目立たない学生だったと報じられている。

 長く生きてきて、しかも一般の方よりも多くの人に接してきたので、人を殺めた人を二人知っている。男が一人、女が一人。どちらもおとなしく目立たない人だった。それを知った時は青天の霹靂で、信じられず人違いでないかと感じた。そうした極限の犯罪まで至らなくても、えっあのおとなしそうな人がと驚くことを数多く経験するうちに、おとなしそうな人ほど思いがけないことをすると思うようになった。今ではおとなしい人には悪いがおとなしそうな人ほど凄いというか埒外のことをしでかすと思っている。

 だから新聞の見出しも変えた方がよいかもしれない。人を殴ったり、隣家にゴミを放り込んだりなどという犯罪はいかにもの人がやるが、思いがけない犯罪はおとなしそうな目立たない人の方に多そうだ。

 尤も、おとなしそうとか目立たない人というのは、裏を返せばよく知らないとか得体の知れないという意味もあって、人畜無害というのとは違うようだ。それに人の心の中までは容易には窺い知れない。おとなしそうとはよく知らないとか社交的でないとかいう表面的な印象に過ぎず、単なる驚きの表現で深い意味は込められていないのかもしれない。

 犯罪とは違うけれども色恋沙汰では圧倒的におとなしそうな目立たない女性の方が大胆不敵なのだ。自分に経験はないけれども、近くで見聞きして確信している。今はどうか知らないけど、昔は病院に出張してきた若い医師は看護師さんにもてたものだ。この場合は黒一点で逆の現象が起きるのだが、えっと思う可愛いけれどおとなしそうな子と結ばれることが結構多かったように記憶する。中にはハラミティージェーンも居た。勝てるわけがない。

コメント
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