今年もアカデミー賞が発表された。映画の中にしかないハッピーエンディングを好むハリウッドの嗜好はあるとしても優れた演技者が選ばれるのだろう。
しかしながら、世にはアカデミー賞受賞者真っ青の演技派が数多い。身近なところでは中年女性患者さんの中に主治医も騙される迫真の訴えをされる方がおられる。救急車を呼んだり、割り込みで専門医に診察を依頼して、結局泰山鳴動鼠一匹。「心配ないって言われた」。とにっこり御帰還で戸惑うことがある。
男性陣も負けじと、これは政治家に多い、頑張っておられる。清い勝利と涙をぬぐうプーチン首相の見出しと写真、思わず役者やのうと呟きたくなる。わが国でも、以外に野田首相が隠れた役者振りを見せている。まだノミネートされるほどの演技力ではないが、大根役者の谷垣さんを圧倒している。
実は大げさな女性患者さんやプーチン氏は演技しているなどと毛頭思っていない(と思う)。そこがアカデミー賞受賞者顔負けの由縁で、大向こうは眉に唾を付けて眼を凝らさねばなるまい。