春眠暁を覚えずというのは私には昔の話。昔の人は還暦前に亡くなることが多かったから、こうした言葉が生まれたのかもしれない。
春はよく眠れるとしたものだ、但しまあ四十くらいまでだろう。五十の声を聞くとなかなかそう朝遅くまで眠れるものではない。まして六十過ぎ七十過ぎとなれば、たとえ春でも暁と共に目が覚めるようになる。
日曜日は昼近くまで寝て、遅い朝飯というか早い昼飯を食べるのは若い人の特権だ。
若い時にしか出来ないことはたくさんあるが、今の若い人達は夜が白むまで友達と話をするなどということがあるだろうか。平気で夜の町を一時間近く歩いて、下宿を行ったり来たり、何をそんなに話すことがあったか、今から思えば不思議な気がする。