私は頭痛持ちで、今日は少し頭が痛くなりそうな気配を感じている。尤も、若い時に比べれば回数は減り程度も軽くなっているので、さほど憂鬱ではない。若い時は吐くこともあり、結婚したばかりの頃、夫が頭が痛いと吐くのを見て妻は可成り心配したようだ。
これは母からの遺伝で、私の娘へと受け継がれた。わしを恨むでないお婆さんのせいだよと言ってきたのだが、孫に出なければいいがと願っている。だいたい中学生くらいから出てくる。友人の神経内科医に聞くと、碌に問診もしないでマチマチのことを言うので呆れていたのだが、流石頭痛の専門医はしっかりしており、片頭通のご託宣が降りた。正しい処方と歳のせいもあろうが、娘の頭痛も最近は軽くなっているようで、悪いものを伝えた私はホッとしている。
頭痛持ちは遠い昔から居たはずで、なぜこれが淘汰されずに残ってきたのか不思議な感じがする。痛みと言うのは外からは分からないので今日は頭が痛いなどと塞いでいる人間は生存競争配偶者獲得競争で不利だったはずだ。何かそれを補う形質と連鎖しているのかもしれない。それが何か、ちょっとわからない。娘は私に似て女なのに方向感覚が優れているが、そんなものが頭痛持ちと連鎖しているのだろうか。
遺伝子は万の単位で百万もはないのだが、絡み合いとなると複雑で医学の進歩をもってしても解明にはかなり時間が掛かるだろう。しかしまあ、遺伝に関しては解明など大きなお世話という部分もある。