駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

お化粧を観察

2015年07月30日 | 人物、女

               

 板塀に反射する蝉の声に方向感覚がおかしくなりそうになりながら駅までの道を歩いてきた。 

 今朝の電車はさほど混んでは居なかったが、座ることはできなかった。斜め前に空いた席があったのだが二十代の女性に先に座わられてしまった。私に席を譲ってもよさそうな元気溌剌な感じの女性だったが、どうもやることがあったようだ。

 膝に置いたバッグから丸い鏡と七つ道具を取り出し、お化粧を始めた。卵形でやや目が小さいが整った顔立ちだ。そういえば眉毛が薄い感じはしたが、お化粧前にしてはつるっとして綺麗な肌をしている。左手の甲に第一クリームを揺りそれを右手に付けて先ず顔全体にのばす。次いで第二クリームを頬を中心に塗る。次いで第三クリームを目の下を中心に塗り最後に目を閉じまぶたにも少し塗る。頬に赤みが差し目の周りがうっすらと青みがかり深みが増した。次いで眉毛を延長する。弓張り月が現れる。最後に目の周りと睫毛に墨を入れる。残念ながら右目が終わったところで降りたのだが、中々の美人に仕上がっていた。

 ジーと見るのは失礼なのでちらちらっと観察したのだが、全く他人の目など気にせず、没頭されていた。知人や友人が居なければよいのだろうか、時々電車内でお化粧される女性が居られる。この女性の場合は化けるという感じはなく、成る程こうすると大人しい感じがちょっとあでやかになるもんだと感心した。

 恐らくプロの化粧品販売員ならこの顔はこうすればこうなるというのが一目で分かるのだろう。私は化粧品の販売経験は無いが、目元が大切次いで口元だろうと思う。尤も若い人にはお化粧は最小限でいいと申し上げたい。

コメント (2)
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