駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

何故か十年、大方の意見と思う

2017年10月01日 | 医療

            

 出来るだけ長く働くには、仕事の負担を減らせば良いのではと考えパートの医師を探しています。果たして仕事量を減らせば長持ちするのかどうかはっきりしませんが、現在の量では負担が多いと感じています。仕事は何とか今まで通りこなせていますが、最近は帰ってきたから何かをする元気が残っていません。

 個人の医院というのは疲れたから患者数を減らすと言うことが難しいというか、殆ど不可能です。勿論、増やすこともままなりません。この一二年患者数が4-5%減りましたが、仕事量は全く減っていません。僅かな減少を補うように一人の患者さんにかかる手間が増えてきているのです。手間取る理由の一番は患者さんが年を取られ、脳力体力共に衰えて理解や着替えや遅くなったからです。私が年を取った分患者さんも年を取られているわけです。寂しいことですが二十年以上診て、医院の風物詩だったような患者さんがポツポツと抜けて行かれます。

 さてパートの医師ですが、適当な人を探すのは非常に難しい。能力人格相性が揃わないと託せません。能力の判定は取り敢えず履歴で判断するのですが、資格を持っていることと臨床経験の長さが目安になります。臨床医療というのは人間相手の仕事ですので、どんなに教科書や文献を読んでも、とにかく一定の経験を積まないと一人前になれません。まあ、十年というのが多くの熟練内科医の意見でしょう。

 果たして十年が一ダースの国でも妥当な年限かどうか一寸興味があります。一人前に六年とか十二年とか言うのでしょうか?。あるいは経験年数にはさほど重きを置かないのでしょうか?。勿論、欧米でも日本でも一番当てになるのは同僚(医師と看護師)の評価だと思いますが、履歴からは中々読み取りにくい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする