妻と一緒に出掛けることが多い。二十年ほど前子供たちが巣立つ時は二人きりになったらどうしようという一抹の不安はあったのだが、二人きりになればどうということもなく、時々口げんかをするがまあ楽しくやってこれた。どちらの功などと言い出せば判定困難になるので、それは胸の内にしまってそういう争いはしない。
結構頻繁に外食をするのだが、これでは妻の拒否権が多い。ラーメンは駄目蕎麦はあまり好きでないカレーももう一つ・・で、ラーメンは一人の時に食べに行く。といって私は特にラーメン好きというわけではないのだが、どういうものか二ヶ月に一度位無性に食べたくなる。麺類ではスパゲッティ(妻の好み)、蕎麦、うどん、ラーメンの順になる。蕎麦屋にはうどんもあることが多いので、妻の拒否権行使は希で済む。妻は店の雰囲気や清潔度を重視する傾向があり、それもラーメン嫌いを助長しているようだ。彼女は辛いものも苦手でカレーも嫌がるのだが、洋食屋はカレー以外のメニューも多く問題になることは殆どない。
私は安くて旨いものが好きで、妻の所望する和食には時々首を横に振っている。美味しいけれども一寸贅沢に感じてしまうのだ。しかしまあ二人とも好きな鰻の高騰にはがっかりしている。十年で値段が倍になった。年に二三回しか食べなくなってしまった。そういえばブラタモリの林田さんも鰻がお好きなようで、浜名湖編で鰻が出たら声を上げて喜んでいた。どうもそうしょっちゅうは召し上がっていないようで、そうなんだよなあと思ったことだ。