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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

逃げる二月を追いかける

2020年02月16日 | 町医者診言

         

 

 今朝は冷たい小雨が降っている。気温は下がり勾配のようだ。イギリスの天気は不安定で一日のうちに雨が降ったり日が差したりするらしく、ロンドン子は突然の雨など気にしないらしいが、気温の高低差はどうなんだろう。

 このところの晴れたり曇ったりには何とか付いていけても、気温の高低差には中々付いついて行けない。二十一世紀になってから明らかな温暖化を感じるが、それはなだらかなものではなく、猫の目のような変動を伴っている。気候変動というのは数百年単位のもので人が一生のうちにそれを感知するのは難しい、或いは人間活動が地球規模の気候変動をもたらすことは遠い将来のことだなどと習った気がするが、どうもそうではなく目の黒いうちに付き合わされることになった。

 人混みに出ないという新型コロナウイルス対策の影響か長年ワクチンを打ち続けてきた影響か暖冬の影響か、今年はインフルエンザが流行せず、繁忙期のはずの現在、医院は混み合っていない。同業者に会うと暇だねえと言うのが挨拶になっている。街もひっそりとして一見平和そうに見える。

 これから新型コロナウイルス流行がどのような展開を見せてゆくのか予断を許さない。正確なデータの公表分析だけがある程度の予測を可能にするのだが、政治的(意図を持った)発言や週刊誌的(受け狙い)発言が飛び交い、感染症専門医が手薄なこともあって先行きは不透明になっている。オリンピックに影響ないなどというのは政治的な発言に過ぎず、影響があって欲しくないには同意するが、断言できる根拠はない。

 クルーズ船を新型コロナウイルス孵卵器とした不手際にアメリカから批判があるようだが、口先だけの権力保持政治家を淘汰しないと人災が起きかねない。時間稼ぎのうやむや作戦は人間には効果があるかもしれないがウイルスには無効だ。

 二月は逃げると口先で時間稼ぎをされては敵わない。全力でとかしっかりとかいう形容詞の中身実働を問いてゆきたい。冷静科学的な危機管理は信頼できる有能な人間によって始めて可能と思う。

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