例年より十日遅れで桜が満開になった。春爛漫と言っても曇り空、風は冷たく何だかちぐはぐな感じがする。春眠暁を覚えずと言うのは多分もう少し春の浅い時期のことを謳ったのだろうと思うが、今朝は六時五分に目覚めて、あと五分と寝たら七時になっていた。春眠暁を覚えずというのは年寄りには無縁のことと思っていたが、そうでもなかったようで大慌てで出てきた。
若い元気な人にはわからないだろうが、睡眠の気持ち良さ、十二時間眠るなんてことは五十過ぎると中々できなくなる。快適な排尿や排便も、今は昔になる時が来る。昨日山小屋で飯の用意をしていたら、九十六歳の婆さんの家族から便がうまく出ないで苦しんでいると電話があった。嫁さんに一番先のやつをうまく出す方法を教えた。その後、電話がないところを見るとうまくいったらしい。
飯が旨くてよく眠れて、出るものが快適に出る有難さに、健康な人は気が付かないもんだ。最前線の医者から失って始めて知る健康の有難さ、転ばぬ先に杖と申し上げたい。