佐藤千矢子さんの「オッサンの壁」講談社現代新書を読んだ。佐藤千矢子さんは毎日新聞の政治記者で政治部長を経て現在論説委員をされている。二十年以上典型的なオッサンが溢れる政治を取材しその周辺で働き、おっさんの壁を感じ、こんなことで良いのだろうかなんとかしたいと書かれた本だ。
オッサンとは男性優位に設計された社会で、その居心地の良さに安住しその陰で生きづらさや不自由さや矛盾や悔しさを感じている少数派の人達の気持ちや環境に思いが至らない人達のことだ。勿論、オッサンでない男性も居るしオッサン的な女性も居る。
佐藤千矢子さんが明かされるオッサンの生態は予想通りだった。時代が変化し、僅かにオッサンの壁が薄くなってはいるようだがまだまだ壁は厚い。この本を契機に壁を崩す動きが大きくなれば良いと応援したい。
佐藤千矢子さんの意図と多少ずれるかもしれないが、一番歯がゆかったのはオッサンに凝り固まった権力志向の政治家が横行し日本の政治を牛耳っていることだ。それはオッサン追認で安住しようとする人達が背後に居るからでもある。オッサンのは壁は既得権擁護の壁でもあるのだ。