長期休暇から10日経った。ようやく借患が返せて、ほっとする週末を迎えられた。借患は借金をまねた造語で休診する間に来院する予定の患者さんを分散させるために生ずる休暇明けの超過来院患者さんのことだ。
アルコールもさほど強くないし船酔いはするし、どうもジェットラグ(時差ぼけ)にも弱い情けない体質で、休暇明けの数日は五割増しの患者数に心身ともに辛い日が続いた。三割増し、二割増しと漸減し土曜日にはほぼ通常数となった。どうもこのゴールデンウイーク方式の休みは、代診が探しにくいし、航空料金が高くなるしで良くないなあと感じる。
日本人は横並びが大好きで、何でも全国一斉でやってきたが、戦後復興成長停滞から長期逓減期に移行してきたのでそろそろ考え直したらどうかと思う。否、考え直さないと就労者漸減時代を気持ちよく凌いでいけない。各々が自分の方式で生活を工夫する、不遇を託つのではなく不足を楽しむというか謂わば大人の成熟した生活をするようになれたらと思う。妙に比較して不足不平を言い出せば、ぎすぎすした足の引っ張り合いで貧しい生活になってしまう。
電力逼迫でサマータイム採用論や連休の分散論が出てきそうだが、形式ではなく考え方の転換を浸透させられたらと願う。恵まれない人に優しく親切なのは素晴らしい日本民族の美徳だと思うが、恵まれた人には不寛容のように思う。引き上げるが引っ張り下ろす、これは対の現象なのだろうか。仕事の量内容に応じた人それぞれを鷹揚に受け止めるのが成熟というものと思う。
そんなことはないと申し上げたいのですが、やはり美味しいのは朝食だけでした。