自分で料理される方で多少腕に覚えの方は玉葱の重要性にお気づきであろう。生よし、煮てよし、揚げてよし、炒めてよしそして蒸してもなかなかのものだ。まあ、主役になれることは稀だが欠かせぬ脇役として大活躍する。
煮込み料理では準主役としてクリーンナップの五番を打つ。少なくとも私が監督の場合は五番から外せない。
煮込み料理に欠かせないのはじっくり炒めて旨味と甘みを引き出して全体をまとめる役回りに使うからだ。これは洋風煮込み料理の密かなコツとしていたのだが、最近、ダンチューで違った考え方を目にした。カレーは洋風、和風、インド風に東南アジア風に分かれるのだが、インド風(南インド)では玉葱を色づくまで炒めると甘みが出過ぎて香辛料の風味の邪魔になるという指摘だ。インド風では香辛料の香りと刺激が命なので、玉葱はさっと炒めてしゃきしゃきした歯触りを残すのが宜しいというわけだ。
早速試してみたが、どうも私にはもう一つだった。それが香辛料主体のインドカレーに慣れないせいか、香辛料の生かし方が足りないせいかはっきりしない。結局は好みの問題と言うことになるのだろうが、日本人は旨味やこくを好むので、たとえインド風でもベースに僅かでもよく炒めた玉葱を使いたくなる、それ邪道とインド人に言われてしまいそうだが。
勿論、純粋のインド本場カレーも十回に一回程度なら美味しく頂ける。