あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

スタン・ゲッツ&ボブ・ブルックマイヤー

2025-01-05 | JAZZ
今年最初に掲載したのは、スタン・ゲッツがボブ・ブルックマイヤーと組んだクインテット・アルバムです。

「INTERPRETATIONS BY THE STAN GETZ QUINTET」 NORGRAN MGN-1000

1. LOVE AND THE WEATHER
2. SPRING IS HERE
3. POT LUCK
4. WILLOW WEEP FOE ME
5. CRAZY RHYTHM
6. THE NEARNESS OF YOU
Stan Getz (ts) Bob Brookmeyer (tb)  
John Williams (p) Teddy Kotick (b) Frank Isola (ds)
録音 1953年7月30日(1,2,5)8月15日(4)8月22日(3,6)

スタン・ゲッツとボブ・ブルックマイヤーの共演アルバムは複数枚ありますが、これは「INTERPRETATIONS」とタイトルされた3枚の中の最初の1枚で、ロサンゼルスで録音されています。
当時のゲッツのテナー・サックスと、ブルックマイヤーのトロンボーンの音色が意外とマッチングしていて、何れもインプロビゼーションに徹し充実した演奏であり、ブルックマイヤーがゲッツのプレイに対して絡んで行く部分などは抜群の相性の良さを示しています。
ブルックマイヤーは、トランペット等と構造がおなじバルブ方式のトロンボーンを使っており、これがゲッツのアドリブと上手くマッチングしているように思えます。


なお、NORMAN GRANZ時代に発売されているCLEF、NORGRAN、VERVE系のレコードは、同じ音源をタイトルや曲順を替えて再発しており、下記の「MORE WEST CORST JAZZ」も、上記のアルバムと最初の3曲(A面)がダブっており、購入した後で気がつきました。
静の「WILLOW WEEP FOE ME」や「THE NEARNESS OF YOU」に対して、動の「CRAZY RHYTHM」の対比も素晴らしいです。

「MORE WEST CORST JAZZ」 Verve MGV-8177

1. WILLOW WEEP FOE ME
2. CRAZY RHYTHM
3. THE NEARNESS OF YOU
4. I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS
5. TANGELINE
Stan Getz (ts) Bob Brookmeyer (tb)  
John Williams (p) Teddy Kotick (b) Frank Isola (ds)
録音 1953年7月~8月

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アル・コーン・ズート・シムス・クインテット

2024-12-29 | JAZZ
アル・アンド・ズートがコンビを組んで、3年後に吹き込まれたアルバム

「YOU AND ME」 Mercury MG 20606

1. THE NOTE
2. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
3. YOU 'N ME
4. ON THE ALAMO
5. THE OPENER
6. ANGEL EYES
7. AWFUL LONELY
8. LOVE FOR SALE
9. IMPROVISATION FOR UNACCOMPANIED SAXOPHONES
AL COHN (ts) ZOOT SIMS (ts) 
MOSE ALLISON (p) MAJOR HOLLEY (b) OSIE JOHNSON (ds)
録音 1960年7月1~3日

先のCOLAL盤の録音からほぼ4年が経過しており、この間に何枚かのアルバムも排出されていますが、ピアニストも最初の録音と同様にモーズ・アリソンが担当していて、2人のコンビがよりしっくりきているように感じます。
また、有名な曲を多く取り上げていることも親しみやすいアルバムです。

アップ・テンポによる演奏は1曲目の「THE NOTE」を含めて3曲あり、その中でタイトル曲となっている「YOU 'N ME」とスタンダードの「LOVE FOR SALE」で、コーン、シムス、アリソンが共に順番にソロを取りますが、2人の流れるようなスムースなソロは素晴らしいし、後半でコーンとシムスの4小節交換では迫力あるプレイには圧倒されます。
「ON THE ALAMO」は、シムスが先発でソロを取りますが、2人によるテーマやソロの一部では彼の代表作の1枚でもある10インチのDUCRETET-THOMSON盤に似た雰囲気があります。
このアルバムではメジャー・ホリーがベースを担当していることから、「ANGEL EYES」では彼が主役となっていて、ヴォーイングと共にスキャット・ヴォーカルが曲全体を占めています。
最終曲の「 IMPROVISATION FOR UNACCOMPANIED SAXOPHONES」は短い演奏ですが、2人の無伴奏によるその名の通りの即興演奏で、インプロヴァイザーとしての魅力あるソロが聴けます。


他にも、2人が共演しているもので、手元にあった5枚を録音順に並べて見ました。
1) FROM A TO Z(1956年1月)
2) A NIGHT AT THE HALF NOTE(1959年2月)
3) EITHER WAY(1959~1960年)
4) IN LONDON(1965年12月)
5) MOTORING ALONG(1974年11月)


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アル・コーンとズート・シムスの共演盤

2024-12-22 | JAZZ
アル・コーンとズート・シムスによるこのコーラル盤は、2人がレギュラーチームを組む前のものであり、この後は正式に「アル・アンド・ズート」として多くのレコーディングを残して行きます。

「AL AND ZOOT」 CORAL CAL 57171

1. IT'S A WONDERFUL WORLD
2. BRANDY AND BEER
3. TWO FUNKY PEOPLE
4. CHASING THE BLUES
5. YOU'RE A LUCKY GUY
6. HELLEY'S COMET
7. THE WAILING BOAT
8. JUST YOU, JUST ME
9. GONE WITH THE WIND
AL COHN (ts, cl) ZOOT SIMS (ts, cl) 
MOSE ALLISON (p) TEDDY KOTICK (b) NICK STABULAS (ds)
録音 1956年3月27日

生まれはアル・コーンが1925年11月24日、ズート・シムスが同年10月29日で、共にウディ・ハーマン楽団に在籍していた時期があり、2人のアイドルがレスター・ヤングであったという共通点もあることから、音色やフレーズなども似通ったところがあり、スリリングな掛け合いやアンサンブルにおいても聴きどころがあります。
タイトルに「AL COHN QUINTET featuring ZOOT SIMS」とあるからして、ここではアル・コーンがリーダーとなっているようです。

9曲中4曲がスタンダードで、残りは全てアル・コーンの作曲によるもので、テナー・サックスの共演盤となれば、多くの奏者がブローを繰り広げるのが常ですが、このアルとズートのコンビは、エキサイティングでありながらもよりスマートで洗練されたソロを展開しており、アップ・テンポで演奏される「JUST YOU, JUST ME」や、続く「GONE WITH THE WIND」などは特にそう思います。
また、「TWO FUNKY PEOPLE」では2人がクラリネットを吹いており、アルはテナーの他にこの楽器を主力としていますが、シムスのクラリネット演奏は珍しく、これがまた暖かくいい雰囲気の演奏となっています。

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ビル・エヴァンス・トリオの未発表盤(IN NORWAY)

2024-12-08 | JAZZ
今年のブラック・フライデー以降に発売されたビル・エヴァンス・トリオの未発表録音盤を入手したので、早速聴いてみました。(ジャケット写真はファクトリーシールを被せたまま撮りました)

「IN NORWAY 1970」 Elemental music 5990547
  
Disc 1
1. Come Rain Or Come Shine
2. What Are You Doing The Rest Of You Life?
3. 34 Skidoo
4. Turn Out The Stars
5. Autumn Leaves
6. Quiet Now
7. So What
Disc 2
1. Gloria’s Step
2. Emily
3. Midnight Mood
4. Who Can I Turn To?
5. Some Other Time
6. Nardis
Bill Evans (p) Eddie Gomez (b) Marty Morell (ds)
録音 1970年6月26日 Kongsberg Jazz Festival at Kongsberg Kino, Norway

このビル・エヴァンス・トリオには、1970年6月19日のスイス・モントルーでのライブ盤(Montreux Ⅱ/ CTI 6004)があり、今回掲載したのはその1週間後にノルウェーのコングスベルグ・キノで開催されたジャズ・フェスティヴァルでの演奏を収録した2枚組アルバムです。
2枚のレコードに収録されている13曲は、全てエヴァンスに所縁があり、これまでにResonance Recordsから次々にエヴァンス・トリオの音源が排出されてきましたが、これでまた1枚が新たに加わりました。

アルバムは「Come Rain Or Come Shine」からスタートしますが、エヴァンス・トリオの演奏の大半は、良くも悪くも中間部でエディ・ゴメスのベース・ソロが挿入されていて、この曲も同様です。
また「Autumn Leaves 」の構成も、いつものフレーズのイントロから始まって、トリオでテーマを1コーラス演奏した後は、ゴメスの長いベース・ソロがあり、最後はトリオで1コーラス演奏しただけで終了しており、彼の独壇場の1曲となっています。
モントルーⅡと1曲だけダブって収録されている「34 Skidoo」を比較して聴いてみましたが、テンポを含め演奏パターンやエンディングの処理は同じで、演奏時間も5分30秒前後でしたが、ノルウェーの演奏の方が躍動感が感じられました。

このアルバムでの選曲で珍しいのは「So What」で、テーマ後のエヴァンスは粋なフレーズを連発し、その後方でゴメスがそれを鼓舞するようにビートを刻み、これにモレルのドラムスが加わって演奏がヒートアップして行きますが、後半はやはりゴメスのベース・ソロが中心の演奏が展開されています。
スコット・ラファロの「Gloria’s Step 」は、アップ・テンポで進行していきますが、ゴメスが主役とはならず、またライブと言うこともありラフな演奏に聞こえます。
一方で、「Quiet Now」や「Some Other Time」は、ゆったりとしたテンポで、ピアノとベースによる対話が心地いい響きとなっており、「Some Other Time」の演奏終了後は盛大な拍手と「アンコール」の声も収録されていることから、最後に収録されている「Nardis」がアンコールで演奏されたようです。
その「Nardis」での大半は、これまたゴメスのベース・ソロで占められていて、後半でエヴァンスがそれに負けじと軽快なプレイを披露し、最後はマーティ・モレルのドラムスがロング・ソロをビシッと決めてテーマに戻っていますが、演奏が終了した後も鳴りやまぬ拍手も収録されています。

このアルバムでのエヴァンスのプレイは言うまでもありませんが、ステレオ録音で中央左寄りにピアノが、右寄りにベースとドラムスが配置されていて、ベースはアンプを通した音を増幅した部分もありましたが、全体のバランスも良く音質は上々でした。
また、付属のブックレットには、3人のインタビュー記事や写真が掲載されていて、下はその一部です。




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ロイ・ヘインズ を偲んで

2024-11-17 | JAZZ
11月12日に99歳で亡くなったロイ・ヘインズの訃報を知って、手持ちのレコードの中から改めて2枚のレコードを聴きました。

1枚目は、伊藤八十八とロイ・ヘインズの共同プロデュースによるニューヨーク録音で、レコーディング・エンジニアがデヴィッド・ベイカー、マスタリングは小鐵徹という豪華なスタッフによって制作されたアルバムです。

「Love Letters」 Eighty-Eight VRJL 7009

1. The Best Thing for You
2. Stompin' at the Savoy
3. Love Letters
4. Afro Blue
5. How Deep Is the Ocean
6. My Shining Hour
Roy Haynes (ds) 
Kenny Barron (p) Christian McBride (b) Joshua Redman (ts)
John Scofield (g) David Kikoski (p) Dave Holland (b) 
録音 2002年5月22, 23日

演奏は、2つのグループにより曲によって替えており、またトリオとカルテットとして変化を付けています。
その中で、トリオによる演奏は2曲あり、「 Love Letters」は少し早めのテンポにおいて、ジョン・スコフィールドのギターが粋なフレーズを醸し出す後方で、ヘインズがスネアでプッシュしており、ディヴ・ホランドのベース・ソロを経てギターとドラムスの4小節交換となっています。
一方の「How Deep Is the Ocean」では、ケニー・バロン (P) とクリスチァン・マクブライド (b) が参加しており、相変わらず上手いバロンのソロの中でヘインズはブラシで通していて、これが軽くも重くもなくさすがというドラミングであり、彼の名盤とされる「We Three」を彷彿させる1曲となっています。

「The Best Thing for You」は、冒頭からヘインズとマクブライドの意表を突いた2小節交換によるイントロからスタートし、ジョシュア・レッドマンが快調に吹きまくっているし、「Stompin' at the Savoy」では、スコフィールドのギターが大きくフューチャーされています。
全6曲の中でのハイライト的な演奏は、6/8拍子で演奏される「Afro Blue」で、イントロの8小節のドラム・ソロが全体の雰囲気を作り、スコフィールドのギターとドラムスのインタープレイがエキサイティングで、ホランドのベース・ソロにおいても、後方でのドラミングが邪魔になっていません。

このアルバムは、録音も上等で、ヴォリュームを上げても全くうるさく感じず、各奏者の音がバランス良く捉えられていて、ロイ・ヘインズのドラムスが上手く引き出されています。


続いての10インチ盤は、BMGジャパンから1998年に再発されたもので、今から丁度70年前にパリで録音されており、ロイ・ヘインズのリーダー・アルバムとしては2作目となります。
ここではヘインズの初期のドラミングと、この録音当時17歳であったバルネ・ウィランの演奏(初録音)を聴くことが出来ます。

「ROY HAYNES 」 SWING M. 33.337

1. Red Rose
2. A Mountain Sunset
3. Laffin' and Cryin'
4. Minor Encamp
5. Subscription
6. Dillon
Roy Haynes (ds) Barney Wilen (ts) Jay Cameron (bs) 
Henri Renaud (p) Jimmy Gourley (g) Joe Benjamin (b)
録音 1954年10月26日

2人のサックス奏者による重厚なアンサンブルからスタートする「Red Rose」は、テーマの後に各人のソロが披露され、後半では早速ロイ・ヘインズの歯切れの良いドラム・ソロを聴くことができます。
「Laffin' and Cryin'」と「Minor Encamp」では、バルネ・ウィランの見事なソロを聴くことが出来ますが、「Minor Encamp」はデューク・ジョーダンの代表曲でもある「Jordu」で、これは1962年9月録音のウィランのリーダー・アルバムでも取り上げており、今回は2つの演奏も比較して注意深く聴いてみました。
また、ここでのヘインズは、ドラム・セットを駆使してのソロを展開しています。
「Subscription」は、アップ・テンポの演奏で、ヘインズの正確で確実なドラミングが素晴らしいです。
ピアノ・トリオで演奏される「Dillon」では、ドラム・ソロの他に、アンリ・ルノーのピアノ・ソロの後ろでヘインズのバスドラが強調された演奏となっています。

今回取り上げた2枚の間には、50年以上の開きがありますが、ロイ・ヘインズのドラム・スタイルは殆ど変っておらず、最初からオリジナリティを持ったドラマーであったことを改めて再認識した次第です。

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スライド・ハンプトン・カルテット

2024-11-12 | JAZZ
スライド・ハンプトンのカルテットによる演奏集です。

「THE FABULOUS」 Pathe 2C062-10156

1. In Case Of Emergency
2. Last Minuture Blues
3. Chop Suey
4. Lament
5. Impossible Waltz
Slide Hampton (tb) Joachim Kuhn (p) N.H.O.Pedersen (b) Philly Joe Jones (ds)
録音 1969年1月6日

これはトロンボニストのリーダーによるワンホーン・アルバムで、リーダーとドラマーは米国出身者ですが、ピアノは東独(当時)、べーシストは丁抹から参加しており、寄せ集め的な編成でどのような演奏が展開するのか興味深い1枚です。

アルバムは、全5曲中4曲がスライド・ハンプトンの自作曲で、残る1曲は大胆にも同じ楽器奏者であるJ.J.ジョンソンの「Lament」を取り上げています。
東独(当時)のヨアヒム・キューンのアヴァンギャルド的ピアノ・プレイにも注目して聴きましたが、いずれの曲においてもフォー・ビートでメロディックなアドリブは皆無であり、これが演奏の緊張感を持たせていることに役だっているようです。

多くの人が取り上げているお馴染みの 「Last Minuture Blues」は、少し速いテンポで4人がそれぞれソロを取り、締めくくりのテーマ部はハンプトンが無伴奏で吹ききっています。
また「Chop Suey」では先発するキューンのアドリブに触発されてか、ハンプトンも負けずと一部で激しいソロを展開しています。
このアルバムのもう一つの聴き所は、「Lament」でのハンプトンのソロで、冒頭からいきなりテーマに入りますが、その後ろではキューンがオブリガードというよりは全く異なったアプローチで、一歩間違えれば台無しになるような演奏を繰り広げており、アドリブに入ってのハンプトンが無難にソロをこなすという対比が印象的です。

「Impossible Waltz」は速いテンポの3拍子で、ここでもキューンのピアノが暴走していますが、演奏は纏まっており違和感は感じないし、むしろフィリー・ジョー・ジョーンズのドラミングがピアノ・ソロに圧倒されているように思えます。

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サヒブ・シハブの Oktav Record(復刻盤)

2024-11-10 | JAZZ
澤野工房から発売されているサヒブ・シハブとデンマークのジャズ・グループの演奏集です。

「SAHIB SHIHAB and THE DANISH RADIO JAZZ GROUP」 OKTAV OKLP 111

1. DI-DA
2 Dance Of The Fakowees
3. Not Yet
4. Theth Lament
5. Mai Ding
6. Harwey's For Cries
7. No Time For Cries
8. The Crosseyed Cat
Sahib Shihab (bars, fl, cowbell) Bent Axen (p) N.H.O.Pedersen (b) Alex Riel (ds)
and Others
録音 1965年8月18,21日 

14人編成によるレコーディングで、録音日によって一部メンバーが入れ替わっていますが、リーダーのサヒブ・シハブ (bs) 、トランペッターのアラン・ボッチンスキーの他、リズム陣のベント・アクセン (p)、N.H.O.ペデルセン (b)、アレックス・リール (ds) 以外は知らないミュージシャンばかりです。
一部の曲はジャケット裏面にソリストの順番と名前が記載されていることから、これも参考にしながら聴きました。

レコードのA、B面の共に最初の曲が特に印象深く、ペデルセンの4つを刻むベースに導かれて静かにスタートする「DI-DA」は、ヴィブラフォンとミュート・トランペットによるスタッカートでの歯切れの良いテーマでスタートする爽やかな演奏となっていて、ベント・ヤディグ (ts)、パレ・ミッケルボルグ (tp)、サヒブ・シハブ (bs) とソロが受け渡されて行きます。
また、“Here we go”の掛け声と、リーダーのカウベルによる連呼で始まる「Mai Ding」は、シハブのバリトン・サックスを中心にビックバンドらしい豪快なフル・オーケストラのサウンドが楽しめる1曲です。

その他A面の中では、アップ・テンポによる「Not Yet」が、ベースとドラムスのソロも交えた軽快な曲で、3つのパートから構成されている「Theth Lament」では、もう一人のバリトン・サックス奏者のリブ・レナードがフューチャーされています。
一方B面では「No Time For Cries」のバラード演奏で、オーケストラをバックにシハブが印象深い演奏を披露しており、「The Crosseyed Cat」では、ベント・ヤディグのフルートによる軽快な演奏と、テナーサックスに持ち替えての2つで好演しています。

この丁抹のラジオ・ジャズ・グループを蘭のボイ・エドガー率いるビック・バンドと比較してみると、より洗練されているサウンドのように聞こえます。

なお、Oktavb盤はレアな1枚ですが、多くの曲でソロを取るサヒブ・ハシブの演奏が聴けることも貴重なアルバムです。

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澤野工房からのレコード

2024-11-03 | JAZZ
澤野商会さんが「澤野工房」というレーベルを立ち上げて、ヨーロッパのミュージシャンを中心に、数多くのアルバムを掘り起こしてきました。
ジャケット作りが丁寧で、レコードのレーベルもオリジナルに準じていることから、レコードとしての価値も高く、発売される度に購入してきました。
ここに掲載したジャケットは、前回投稿したものを含めて全てではありませんし、同様にCDも同じくらいの数を収集しましたが、聴くのはもっぱらレコードの方です。




ハワード・ライリーの「Discussions」のオリジナルは、限定100枚の自費出版盤であり、このオリジナル盤に忠実に白と黒の2枚のジャケットが付いているというこだわりようの再発盤で、このようなレコードが発売されるとは思っても見ませんでした。




単行本の中にも記載されていましたが、「澤野工房」というシールは、発売最初のレコードには付いていませんでした。




ドナルド・バードのBrunswick盤や、ズート・シムスのDUCRETET-THOMSON (10インチ) 盤なども貴重なアルバムです。



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ジャズ雑誌とその関連レコード

2024-10-27 | JAZZ
少し古いジャズ雑誌ですが、先日「澤野工房物語」を手に入れました。
初版は2018年10月20日となっていますが、澤野工房レーベルには当初からCD、LP共に貴重な録音を沢山聴かせていただきました。



この本には、初期のレコードのカタログも少し掲載されていることから、掲載順にジャケットを並べて見ました。
ジャケットは、ビニールカバーの上から撮っているため、画像が鮮明ではありません。

 







ここに掲載した14枚の中には特に印象に残っているアルバムが何枚かあり、愛聴盤もあります。

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ロマーノ・ムッソリーニ・トリオ

2024-10-24 | JAZZ
イタリアのロマーノ・ムッソリーニが、ピアノ・トリオで録音した7インチ盤です。

「ROMANO MUSSOLINI TRIO」 RCA ITALIANA A72V 0011

1. Jeepers Creepers
2. Our Love Is Hear To Stay
3. It's Autumn
4. Love Me Or Leave Me
Romano Mussolini (p) Carlo Loffredo (b) Pepito Pignatelli (ds)
録音 1959年6月30日

これは、RCAレコードを購入した際の特典で、非売品として贈呈されたもので、ベニート・ムッソリーニの息子であるロマーノ・ムッソリーニのプレイを聴くことが出来る貴重な1枚です。
このアルバムにおけるムッソリーニのピアノ演奏は、シングル・トーンとブロック・コードを組み合わせたアドリブが主体で、時々クラシックの演奏のようなリリカルなタッチも披露しています。

「Jeepers Creepers」は、テーマ部でピアノとベースによる掛け合いがありますが、アドリブに入ってトツトツと弾く右手と、時々コードで合いの手を入れる左手のちょっとちぐはぐに聞こえるところはご愛敬で、最後はドラムスとの4バースが出てきます。
続く「Our Love Is Hear To Stay」は、けだるい感じのスロー・テンポの演奏で、ピアノのアドリブもイマイチですが、ベースのメロディを中心にしたアドリブは一聴の価値があります。
「It's Autumn」は、ハリウッドは俳優であるヘンリー・ネモの曲で、秋に相応しい1曲ですが、ムッソリーニはテーマ部をアルペジオ奏法を用いてポピュラー音楽の如く表現したり、中間部ではセレスタを使ってピアノの弦を直接響かせているのではないかと錯覚させるような変化も付けており、、続く「Love Me Or Leave Me」のテーマ部でも用いています。
因みに「It's Autumn」は、「'Tis Autumn」と記述しているほうが多く、雰囲気も出るのではと思いますが・・・。(’Tis はIt isの省略形です)

録音のせいかドラムスのブラシがドンシャリで、演奏全体を壊してしまう部分もありますが、ベースはしっかりと演奏を支えており、ロマーノ・ムッソリーニのピアノ演奏を聴くことが出来る貴重な1枚であることに変わりありません。

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