あしたのブログ!趣味や日々の報告ページ

このページを活用し趣味や日々のことなどを中心に報告しています。

バルネ・ウィランの1曲

2014-05-02 | JAZZ
バルネ・ウィラン (Barney Wilen) 1937年3月4日 – 1996年5月25日
フランス・ニース生まれのジャズ・サックス奏者、並びに作曲家で、映画「死刑台のエレベータ-」のサウンド・トラックをマイルス・デイビスと共演したことでも有名です。

彼のリーダー・アルバムは、Barney Wilen quintet(Guilde du jazz, 1957)から、終盤のPassione(Venus, 1995)まで、実に30枚以上あります。
その中で、今回取り上げたのは1988年録音の下記のものです。
このアルバムの発売当時、SJ誌には「海外輸入盤新譜紹介コーナー」があり、その一部を編集委員である市川正二さんが担当していました。
その記事を読んで聴いてみたくなり、CDを購入したところ、記事の通り最初の1曲が◎でした。

「WILD DOGS OF THE RUWENZORI」 IDA 020 CD
  
BARNEY WILEN(ts,ss,as) ALAIN JEAN-MARIE(p) RICCARDO DEL FRA(b)
SANGOMA EVERETT(ds) HENRI GUEDON(perc) 録音 1988年11月21~23日

その最初の1曲とは、「ポート・オブ・スペイン・シャッフル」( PORT OF SPAIN SHUFFLE )です。
最初の8小節のベース音に導かれ、バルネが歌心たっぷりのテナー・サックスを披露し、テーマも魅力的です。
更にラテン・パーカッションも加わっており、非常に調子の良い演奏となっています。
市川さんのおっしゃる通りで、これ1曲で十分価値のあるアルバムです。

後になってLP(2枚組)も購入する機会があり、聴き比べてみましたが、当然のことながら、こちらはアナログ特有の柔らかさがあり、この曲を一層引き立たせていました。
「WILD DOGS OF THE RUWENZORI」 IDA 020
   

ちなみに「ポート・オブ・スペイン」は、トリニダード島北部に位置する都市の名前で、トリニダード・トバゴの首都です。

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私の愛聴盤 (第39回)

2014-05-01 | 私の愛聴盤
第39回はエリック・ドルフィーの「アウト・トゥ・ランチ」です。

エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)1928年6月20日 - 1964年6月29日 ロサンゼルス生まれ

1958年チコ・ハミルトン楽団に参加し初レコーディング、その後はチャールズ・ミンガス楽団に参加しています。
1961年にブッカー・リトル(tp)と双頭コンボを組み、ニューヨーク・ジャズ・クラブ(ファイブスポット)で名演も残しますが、同年10月のリトルの急逝で解散、
1961年~62年までジョン・コルトレーンのグループに参加した後、1964年には再びミンガス楽団に加わりますが、糖尿病による心臓発作のため、わずか36歳の若さで西ベルリンで生涯を終えています。
彼のレコーディング記録は6年間と短く、リーダー・アルバムでいえば4年間しかありません。
楽器はアルト・サックスの他、バス・クラリネットとフルートも演奏し、その独特な音楽観からアヴァンギャルド的な吹奏も得意です。
しかし、基本的には音楽理論に則りアドリブを展開していくスタイルであり、伝統と前衛を両立させた人でもありました。

「OUT TO LUNCH」 BLUE NOTE BST 84163
   
1. HAT AND BEARD
2. SOMETHING SWEET, SOMETHING TENDER
3. GAZZELLONI
4. OUT TO LUNCH
5. STRAIGHT UP AND DOWN
ERIC DOLPHY(as, bcl, fl) FREDDIE HUBBARD(tp) BOBBY HUTCHRSON(vib) 
RICHARD DAVIS(b) ANTHONY WILLIAMS(ds)  録音 1964年2月25日

エリック・ドルフィーが死のおよそ4か月前に残した、ブルーノート・レコードで唯一のアルバムです。
国内では、オランダで録音された「ラスト・レコーディング」が65年8月に発売されましたが、同じ年に録音されたこの「アウト・トゥ・ランチ」は大分後になってからです。
このレコードを初めて聴いた時の印象は「?」でしたが、聴くほどに深く引かれていく不思議なアルバムでもありました。

ドルフィーは3つの楽器を全て完璧なテクニックで演奏しているし、ここでは彼との共演が初めてと言われるドラマーのアンソニーが重要な役割を果たしており、その驚異的なプレイにも脱帽です。
メンバーは当時、新主流派と言われた面々で、このセッションのために集められたそうで、ドルフィー自身の考える音楽が理想的に表現できていると思います。
1曲目の「ハット・アンド・ベアード」はセロニアス・モンクのことで、2-2-5に分解され9拍子の演奏で、アンソニーの重いドラムも効果的です。
2曲目のドルフィーは前曲同様バス・クラを吹きますが、アルコ・ベースとのデュオは圧巻で、フリー・ジャズのお手本のような演奏です。
3曲目は現代音楽のフルート奏者であるヴェリーノ・ガッゼローニに捧げたもので、フルート・ソロの後、全員が個性的なソロを取っていて、ここでもドラムスが全体を引き締めています。
4曲目のタイトル曲は、ミンガスのグループに参加して2度目のヨーロッパに出発する直前の気持ちを表したものとされ、ベースもドラムスもしっかりしたタイム・キープはせずに、各人が自由にインプロヴァイズしています。
5曲目も同様に、各人それぞれが自由なソロを展開しています。

最近、巷ではステレオ・オリジナル盤が優秀録音であると言われるようになりましたが、演奏と録音の両方が素晴らしいことを再認識したレコードです。

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