夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

てんから毛鉤 ’14Version

2014年02月17日 21時44分13秒 | 渓流釣り
あと半月でほとんどの渓流で渓流釣りが解禁になります。
ここ数年は餌釣りはほとんどしなくなり、てんから一辺倒でした。
で、その結果てんからでは解禁当初は釣りにならないことを経験しました。
勿論、てんからではなくテンカラ(てんからの道具を使ったフライ・フィッシング)にしてしまえば釣れるのですが、だったら僕はフライ・フィッシングをします。
 ってことで、てんから始動は5月のGW明けくらいからになりそうです。それまでは餌釣りをして過ごそうと思っています。とはいうものの、元気な仲間たちに誘われててんからをすることもあるでしょう。そんな時に意思を貫いててんからをしてボーズを喰らうか、意に反してもテンカラをしてとりあえず魚の顔を見るか?・・・迷ってしまいます。解禁当初のてんからだってぜんぜん釣れないわけではないのですから、強固な精神を持っていれば前者なのでしょうが、今年は軟弱者になってしまっていて、てんからでは使わないような極小の毛鉤(フライフックで24番)なんてのも巻いちゃいました。優柔不断ですみません。

 毎年禁漁期を迎えた時、その年に使っていた毛鉤は永久保存版にして翌年には使いません。そうすることによって自分の毛鉤の変遷が判って面白いからです。そして前シーズンの経験を生かして翌年の毛鉤を巻くのですが、その時は禁漁期ゆえなかなかイメージが沸きません。釣っている時はこの次はこんな毛鉤があったら良いなぁ・・なんて思いながら釣っているのですが、終えてしまうと頭の中がスッカラカンになっています。どうも頭脳が足りないようです。

 毎年、沢山のヤマメたちに辛酸を舐めさせられ、その悔しさを糧に翌年バージョンが出来上がるわけです。そしてそんな毛鉤たちの今年バージョンが出来上がりました。画像のものがそれです。
 ・・・・結局みんなボワボワ毛鉤じゃん・・・・・(悲。

 相変わらず素敵な毛鉤ケースは使わず、ヒャッキンの筆箱です。昔からてんからは身の回りにあるものを利用して行われていた釣りです。素敵な毛鉤ケースはフライやテンカラの方々にお任せして、てんから師はてんから師らしくした方がテンションが上がります。左側がインコの羽、右側がキジの羽です。キジの羽は買った物ですが、インコの羽はインコを飼っている人に頼んで抜けた羽をとって置いてもらった物です。使ってみるとどちらも釣果にあまり差がないように思えます。でもインコの方が見やすいのは確かです。とはいうものの、最近は毛鉤をあまり見ないようにして釣っているので(見えてしまうと早アワセになってしまう事が多くなるので)結局どちらも一緒ということです。てんからはそもそも毛鉤に頼らない釣りですから、これで良いのかもしれません。
 まだまだ試行錯誤は続きます。いつになったら「てんからトンネル」を抜けることが出来るのでしょう?


  

大ヒラメ・・・日本記録になりました。

2014年02月10日 23時53分11秒 | ヒラメ釣り
先日、御宿岩和田の明広丸で釣らせていただいたヒラメ(8.50kg)が日本記録(4Lbのラインクラス)に認定されました。サイズ的には88㎝ですが、小魚を沢山食べていたのでサイズの割りに重さがあり、重さで勝負している記録狙いには好都合の魚でした。とは言え、世界記録の半分ほどです。大ヒラメとは言い辛いのですが、道糸が4Lb(ナイロン。1号くらい)で釣った魚ですので大ヒラメと呼んでいいのではないかと思っています。

 日本記録を認定している組織は色々とあるようですが、日本国内で公認の記録を認定しているのはJGFAだけです。この組織は『いい釣りをいつまでも』をスローガンに、年齢・性別・国籍を越えて、この志を持つあらゆるジャンルの釣り人達で構成する、釣り人による、釣り人のための非営利(アマチュア)の団体です(とはいうものの、リールを使用することが前提条件です)。現在の会員数は約3,500名を超え、世界有数の釣り団体とのことです。
 当然僕もこの会に所属しているのですが、僕がやる釣りのジャンルではヒラメ釣りだけがそのカテゴリーです。

 JGFAの日本記録にはオールタックル部門とラインクラス部門があります。両部門ともIGFAルール(世界共通の釣りのルール)で釣ったものであることが必須条件で、そのうちオールタックル部門は130ポンド(Lb)以下の糸で釣ったものであれば魚種ごとにその総てが対象魚となります。一方ラインクラス部門は糸の強さによってカテゴリー分けされていて、JGFAが認めた対象魚をJGFAが認めたある強さの糸を使っ、その糸でどれだけ大きな魚が捕れるか?という記録です。ヒラメには2・4・6・8・12・16・20・30ポンド(Lb)の8カテゴリーの糸の強さが用意されていています。
 僕はラインクラスが大好きです。その理由は・・・例えば大きい魚だってそれに見合う強大なタックルを使えばそれなりに捕れてしまいます。でも、細い糸で大きな魚を釣るとなると難儀します。要は釣り人の経験、そしてそこから得られた釣り理論が正しいかどうか?が問われる釣りだからです。加えて、運も大きく左右します。よって日本記録を釣るためには何度も何度も辛酸を舐めさせられるのが常であり、日々の釣果を釣り人を釣るためのコマセと考えている船頭さんからは嫌われる事が必至です(笑。

 船頭さん、それは我々釣り人にとって一番頼りにする存在となる人です。ラインクラスの日本記録を狙う場合、船頭さんがそういう記録狙いの釣りを理解してくれる事と、日本記録魚を捕るだけの操船技術を持っていることが大切です。決して一人では取れるものではありません。よって記録狙いの時は良い船頭さんを探さなくてはなりません。インターネットが発達した今、釣り人は日々の釣果を見て釣行することが一般的ですが、船頭さん側からすると日々の釣果が釣り人を集めるためのコマセとしか考えていない人が多いようです。このような船頭さんはラインクラスで記録狙いをすることを嫌います。良い魚が掛かった時ほど切られることが多いからです。でも、いままでの経験からするとラインブレイクは釣り人側だけの問題ではなく、船頭さんの操船によることも多々あります。釣り人は良く『釣れないと船頭さんの所為、釣れたら釣り人の腕』と言いますが『釣れないのは釣り人のウデ、釣れたら船頭さんの腕』の方が正しいと思えるくらいです。よって、こうして日本記録が取れたということは、あの日あの時、その船頭さんの腕は間違いなく日本一だった証なのです。つまり、ラインクラスの釣りを嫌がる船頭さんはチャレンジ精神に欠けた、いわゆる進歩のない旧態依然とした古いタイプしか知らない船頭さんであることの証でもあるのです。一方、釣り人にラインクラスの日本記録を取らせた船頭さんは、如何に釣り人に大物を釣らせるか?を日々考えている船頭さんです。よって、記録狙いではなくてもより大物が取れる可能性が高い優秀な船頭さんであると理解していいと思っています。

 今になってあの時(このヒラメが釣れた時)のことを回想すると、沢山の幸運に恵まれていたことが判ります。この後に人から『凄いテクニックだね』とか『凄いウデだね』とか言われますが、そんなテクニックとかウデ云々の前に運だと思っています。まず、こういう良型のヒラメが居たこと、そしてそのヒラメが僕の餌に食いついてくれたこと。加えてあの時に日本一最高な操船をしてくれた船頭さんの船に乗っていとこと等々、沢山の幸運がこの結果をもたらしてくれたものと思います。そして、そういう素晴らしい船頭さんと巡り合えたのも運の一つだと思います。釣れた後には船頭さんをはじめ、人・物・魚、はたまた餌イワシにまで感謝の念でいっぱいで、宗教家ではない僕でさえ総ての神に感謝する気持ちになったくらいです。このような感謝の気持ちにあふれる感動を経験させてくれたJGFAに改めて感謝すると共に、この協会への入会を勧めてくれ、実践で色々と教えてくれたT氏にも大きく感謝しています。そしてこの協会に入って本当に良かったと思っています。

 皆様も是非JGFAに入会されてラインクラスに挑戦してみてはいかがでしょうか?捕れる可能性は減るかもしれませんが、捕れた時の快感は崇高であり、いままで知らなかった釣りの素晴らしさに気がつくと思います。そしてこの気持ちはこの釣りをやった人でないと解らないと思えるからです。